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勇者の悪ふざけのせいで呪われてしまった  作者: よっしぃ
序章 勇者のいたずらのせいで呪われてしまった
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序章 エピローグ 1

エピローグ、長くなったので分割します。

聖女であるアルフォンシーナとそのお付きのビーチェは、勇者とイディオが謎の?鎧と再戦?している間に何とか身支度を整え、荷物を、その場に置いてある荷物をすべてかき集め・・・マットは大きすぎて放置する事にしたのだが・・・手元にある緊急脱出用のアイテムを使い、ダンジョンから脱出を果たした。


身支度を整えたとはいえ2人の姿は衣類が所々裂け、肌のかなりが露出しており、一目で何かしらあったのだと分かるほど。

そして二人が辿り着いたのは、セアリアス帝国、帝都プレジールのプレジール城の中の一室。

アイテムを使用した場合予めここに転移するように設定がしてあり、アイテム使用した場合は速やかに城内に緊急アラームが鳴るようになっており、そのアラームを聞きつけた騎士たちが部屋に到着、聖女とビーチェは速やかに保護された。



2人の回復を待って数日後に皇帝オーレリアンは2人から事情を聴く事に。

この場にはオーレリアンのほか、長男で次期皇帝でもあるエトムント・リーネルトも。

他にも帝国の主だった重鎮が軒並み顔をそろえるほど。


聖女とビーチェが謁見の間に入り、皇帝以下皇族が入室を果たすと謁見が始まる。


「2人とも、よく戻ってくれた。」

そう皇帝が言う。

そして聖女が

「お力になれず申し訳ございません。恥ずかしながら2人で逃げかえってまいりました。」

その後、聖女は皇帝に対し事の顛末を伝える。


「じゃあ、勇者たちはまだダンジョンに居るって事か?」

と次期皇帝のエムルントが聞く。

「はい。そして今回荷物運びのリュークさんと魔術師のレーツェルさんは勇者が無理やりリビングアーマーの兜をかぶせた事により、おそらく自分の意思とは関係なく勇者様たちと戦闘に、その後は、分かりません。」

そういう聖女だったが其処にビーチェが補足を。

「恐れながら申し上げます。私が見た所、勇者様はリューク殿とレーツェル殿の首を一度刎ねています。ですが『ちょっと待て!』」

皇帝がすかさす間に入る。

「それはどういう事だ?つまり、リュークとその・・・レーツェルが死んだという事なのか?」

わなわなと震え、見るからに顔が青ざめる皇帝。

「あ、あの、死んではおりません。その後何事もなかったかのようにその・・・頭を元の位置につけておりましたから。恐らくはリビングアーマーではなく、デュラハンだったのではないかと。」

「何!デュラハンだと!」

驚いたのは長男エムルント。

何故ならデュラハンは最高レベルの魔物で、単独でもSランク。

ドラゴンに匹敵する強さ。

それが2体。


「で、どうなったのだ、2人は。」

皇帝が震える声で尋ねる。


「その、ダンジョンの途中に大穴があるのですが、そこに誘導していたようなので、勇者様の作戦が実行されたのなら、おそらく2人はその大穴に落とされたのではないかと。」

そうビーチェが説明したがエムルントが

「くそが!皇族の面汚しめ!何であんなのが勇者なんだ!しかもイディオもイディオだ!勇者と一緒に悪さをしやがって!」

そう言い放った。


そんな事情をよく知らない2人はうろたえる。

そんな中1人の女性が声をかける。

「聖女様、ビーチェさん初めまして。私は皇太子である父エルムントが娘、エルヴィーラと申します。以後お見知りおきを。」

そう言うエルヴィーラは現在13歳。

「初めまして。アルフォンシーナと申します。」

そう返す聖女。

「誰も聞かないから尋ねますが、エリザヴェータ姉さまはどうなりましたか?」

「あ、あの、エリザヴェータ・・・様とは?」

エルヴィーラがそう言い、困惑しながら返答する聖女。周りは聞いてはいけない事を聞いたかのような、腫物を扱うかのごとく。


エリザヴェータは皇帝オーレリアンの娘で現在18歳。対するエルヴィーラは13歳。

歳が比較的近く、エルヴィーラは叔母に当たるエリザヴェータを姉と慕い尊敬していた。


聖女もダンジョンに挑む前に、この謁見の間で一度エルヴィーラと顔を合わせており、何故そのような事を聞かれたのか困惑していた。

「アルフォンシーナは知らないだいだろうがな・・・・エリザヴェータは我が妹。そして父上の命を受け、認識阻害の腕輪を装備し、レーツェルとしてそなたたちのパーティに参加していたのだ。」

そういうエルムント。驚くアルフォンシーナとビーチェ。

「そ・・・それは・・・申し訳ございません。」

床に伏せ土下座をするアルフォンシーナとビーチェ。

知らなかったとはいえ、皇族を見殺しにしてしまった罪は大きい。勿論、死んでいるとは限らないのだが。

「よ・・・よい、そちらは知らなかったのだ。それよりもエリザヴェータ・・・レーツェルは生きて・・・・生きておるのだな!」

「その・・恐らくは生きていると思いますが・・・・誰も入った事のない大穴なので、状況は分かりかねます。」

皇帝の言葉を受け、返事をするビーチェ。


「至急救助隊を結成せよ!」

皇帝はそう言った後、椅子に倒れこむように座る。

「父上!誰か、父上の具合が悪い!医者に見せよ!」

エルムントがそう言い、側近たちが皇帝を抱えるように別室に連れて行く。

「お前たちも色々大変だったのにすまんな。とにかく休め。」

そうエルムントが言い、この場は終了。



こののち数日後、皇帝が病に伏せたという報道が、帝都中を恐ろしいほどの速さで広まっていく。この時は誰も気が付かなかったが、のちにこれが世界中を巻き込んだ戦の始まりであったという事に・・・・



聖女アルフォンシーナとビーチェに精神的、肉体的なケアが必要となり、しばし療養をする事となったが、皇帝が病になり伏せて数日後、勇者とイディオがダンジョンより戻ってきた。


「いやーマジ死ぬかと思った。」

「ダンジョンの中、すべての荷物が無くなって、予備の剣と防具しかなかったからな。だが俺様は勇者だ!それぐらい何ともないぜ!」

すぐに帝都に入り、豪語しまくる勇者とイディオ。だが、今までと違い勇者たちを見る目は厳しく、誰も相手をしない。

不審に思った勇者がたまたま近くにいた兵士を捕まえ、

「おい、俺様は勇者だ。何で皆無視をする?」

そう言われた兵士は困惑。

「はあ?そんなの知らんな。ぶっちゃけあんたにはかかわるなと言われてる。あっちに行け。」

呆然とする勇者。今までこんな事はなかった。

「おい、たかが兵士の分際のくせに何だ。もっと俺達を敬え。」

そう言うイディオだが、やはり兵士の視線は冷たい。

「もう言葉をかけないでください。これ以上邪魔をするようでしたら、牢にでも入ってもらわなくてはなりません。」

「何だ?一体どうしたんだ?まあいい、下々には俺様の事が分からないんだな。おいイディオ、さっさそ城に行くぞ。」


違和感を感じつつ2人は城に向かった。


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