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勇者の悪ふざけのせいで呪われてしまった  作者: よっしぃ
序章 勇者のいたずらのせいで呪われてしまった
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鎧の回収

この後に出てくる前作の主人公、白河小次郎とは違い、リューク君は現地人です。

なので、スキル等の表記に違いが出てきます。

「特に変わりはないようね。」

そう言ってレーツェルさんは周りを警戒している。

「じゃあ僕が回収しますね。」

「あ、待って。一応2体いたと思うから、それぞれ分けましょう。」

レーツェルさんはそう言って女性タイプ?の鎧の残骸を集めていく。

僕はもう一つの方を集めていく。

でも・・・・何だろうこの違和感。今までダンジョンでは、魔物が倒れたらこんなふうにアイテムドロップしなかったんだけど。

倒した魔物はその場で解体。素材を取った後は、外なら地面に埋めるか焼くか、ダンジョンなら30分もしたらどこかへ消えてしまう。でもこの鎧はもう倒れてから1時間は経ってるよね。なのに何であるんだろう?

「レーツェルさん、どうしてこの鎧は消えないまま残ってるんでしょうね?」

「あらリュークは知らないの?ここはボス部屋、ボス部屋は扉があるタイプとないタイプがあるけれど、ここはないタイプね、ボス部屋で倒した魔物は次のボスが出るまで残るのよ。」

「なるほどそうでしたか。僕ダンジョン初めてだったので知りませんでした。レーツェルさんは流石宮廷魔術師だけあって詳しいですね!」

「ほ・・・・褒めても何も出ないわよ!それにわら・・・・わたしは見習いよ!」

何だか照れてる表情のレーツェルさん。

時々左手に嵌めてる腕輪をいじってるみたいだけど、そんな仕草が可愛いと思ってしまう。

「レーツェルさんってその腕輪よくいじってますよね。お気に入りなんですか?」

どうやらレーツェルさん無意識にいじってたみたいで

「えっ!えー違うわよ。これは・・・・皇帝陛下より貸し出された貴重なマジックアイテムなのよ。いつもはして無いからついつい触ってしまうのよね。」

彼女の左手にはまっている腕輪。よく分からない素材・・・・鉄とかじゃあない・・・・あれはひょっとしてうわさに聞くミスリルという奴だろうか・・・・

「へー、なんだか不思議な感じのする腕輪ですね。少し見せてもらってもよいですか?」

そう言ってレーツェルさんの腕輪をよく見ようとしたんだけど・・・・

「駄目!」

と言って叩かれてしまった。

「あ・・・・ごめんリューク、これは皇帝陛下より賜った大事な腕輪。申し訳ないけれど誰にも触れさすわけにはいかないのよ。」

「あ・・・・その・・・・こちらこそごめんなさい。」

「いいのよ、こちらこそ叩いてごめんね。」

「うん・・・・それより、ほとんど鎧回収しましたよ。損傷してるみたいですが、頭から胴、腕、脚、全部揃ってそうですね。気になるのは完全な鎧で、中が空洞なんですよね・・・・」

「たぶんそれはリビングアーマーね。ただこの女性タイプが気になるけれど、ひょっとしてデュラハンなのかしら。」

どちらにしても高位の魔物。ひょっとしたらアンデット?どうやらあまり討伐情報もないみたいで、情報があまりないんだよね、鎧着てる魔物って。

僕もちょっと調べた程度だから違いが分からない。

「これって価値あるんですかね?剣とか中々凄そうですし。」


そう言って床に落ちてる剣を見る。

「あら、ミスリルの剣ね。よい剣だわ。」

「わかるんですか?」

「あくまで素材だけね。それよりこれも仕舞ってね。」

そう言ってレーツェルさんは魔石を僕に渡してくる。

「これって・・・?」

「この魔物の魔石ね。」


僕はレーツェルさんから魔石を2個受取り仕舞うと、ちょっとお腹が空いたのと、疲れたので・・・・


「レーツェルさん、少し休みませんか?」

「そうね、一息つくぐらいはいいわね。何か持ってるの?」


僕はそう言われて水筒と保存食を取り出してレーツェルさんに手渡した。

「もっと良いものがあればいいのですが、凝ったものはもう食べ切ってますので。」

「気にしなくていいのよ。あるだけましだもの。ありがとう。」

そう言って僕から受け取るレーツェルさん。


周りを見渡し、丁度腰掛けるののよさそうな場所があったので、そこで2人して腰を下ろす。

15分ぐらいかけ食べながら休憩。

「リューク、ありがと。ちょっと休んだし、出発しましょうか。」

そう言って立ち上がろうとしたレーツェルさんだったけれど、手をついてた所が脆くなっていたのか、そのままバランスを崩し倒れこむ。咄嗟に僕はレーツェルさんを掴み引き寄せる。

引き寄せた時、思わずレーツェルさんの腕輪に触れてしまい・・・・僕の”空間”スキルが発動してしまい、レーツェルさんの腕輪を収納してしまう。


僕の”空間”スキルは収納する時にちょっとやり方があって、右手で触れたものを収納してしまうというもの。それがたとえ装備している品であっても、着ている衣類であっても。

普段は意識してるから何でもかんでも収納しないんだけど、咄嗟の時ってそんな事考えてないから思わず収納してしまったみたいで。


今レーツェルさんは思わず引き寄せてしまった所為で、僕に抱かれるような体勢になってしまってるわけで。

それに気が付いたレーツェルさんが慌てて僕から離れる。

「ご・・・・ごめんなさい。」

「いえ・・・・こちらこそ・・・・レーツェルさんが倒れそうになってたので思わず引き寄せてしまいました・・・・ってあれ?」


レーツェルさんが僕から少し離れたので、レーツェルさんを見るとなんだかぼんやりとしてて。

気が付いたらそこには・・・金髪の少し小柄なほっそりした女性が目の前に。

「レ・・・・レーツェルさん?」

「な・・・・何・・・・?」


!!!

レーツェルさん、自分の声の違いに気が付いたのか、腕を見る。するとそこにあったはずの腕輪がなく。

「え・・・・?どういう事?あれ?」

そこには・・・・皇帝オーレリアンが長女、エリザヴェータ・リーネルト皇女の姿があった・・・・


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