彼女の名は
文化祭用に書いた30秒短編です。
美しい黒髪だった。
それ以外にも、白く透きとおった肌。
紅く魅力的な唇。
白雪姫はこのような容姿なのだろうと思わせる姿だった。
しかし、1つ違うところがあった。
それは、彼女の背中には黒くとも神秘的な大きな翼が生えていた。
彼女に敬意を払うように、膝をつき頭を垂れる姿を見せるのは他の誰でもない、僕のたった一人の友人だった。
彼を愛おしそうに見つめながら手を差し伸べる姿は、女神とも言い難い姿であった。
僕の友人はその手を握り、立つわけでもなくただ、静かに彼女の顔を見つめる。
通じあっているとはこの事だろうか…
僕は声を発することも、その場から遠ざかることも出来ぬまま、じっとその様子を木の影から見ていた
この話には実は続きが…