Hammer head.
サブタイトルと本文はまったくもって関連ありません。(2回目)
「んじゃ、また明日な。」
駅に着き、みんなと別れようとすると、紗季ちゃんが不思議そうに聞いてきた。
「あれ?鉄人さんて美鈴さん達と一緒の方向じゃないんですか?」
「まぁ方向的には一緒だけど、俺ん家はここから歩いて帰れる距離だからさ。15分くらいかかるけど、金もったいないからさ。」
タマと美鈴の家はこの駅から結構遠いから電車で通ってる。
「そうなんですかー。それじゃ、また学校で!」
「バイバーイ!」
「鉄人くん。また明日!」
紗季ちゃん、玲奈、カオルがバスターミナルの方へ。
「じゃな。アクマ。」
「明日はちゃんと遅刻しないで来なさいよ。」
「おー。わーったよ。」
美鈴とタマは電車の改札口の方へ向かって行った。
「さて、俺も帰るかな。」
俺は首に掛けてたヘッドフォンを耳に付け、音楽を聴きながら家路に着く。
「〜♪〜♪」
「どぉーん!!」
「痛ぇっっ!!」
駅から10分くらい歩いたところで背中に衝撃が走った。
何事じゃ!!
ヘッドフォンを外し、後ろを振り返る。
「痛ぇな。何すんだよ。奈緒。」
「油断してるからじゃーっ!!」
「兄ちゃん。鼻歌、歌いながら歩くな。」
そこに立っていたのは、俺の妹の奈緒と里緒だった。
奈緒は、黒髪のショートカットで前髪をピンで留めてる。
性格は活発な奴だ。
里緒は、奈緒と一緒で黒髪のショートカットだ。前髪はピンで留めておらず、いつも眠たそうな目をしてる。
あんまり口数の多くない奴。
2人とも14歳の中学三年生だ。
ちなみに奈緒と里緒は双子だ。
そして、俺と血が繋がってない。
親父の再婚相手、つまり義理母の連れ子だ。
ちなみに親父も義理の母ちゃんも交通事故で死んだ。
俺はこいつらの兄で親でもあるわけだ。
「兄ちゃん。早く帰ろ。」
「お兄ちゃん。私、お腹すいたー!」
「わかったから、引っ張るなーっつーの。」
俺は妹2人に引っ張られながら歩く。
「ただいまー!」
奈緒は家の扉を開け、大声でそう言う。
声でけーっつーの。
俺の家は、マンションの7階の角部屋だ。
家賃やら光熱費やらは親父達の保険金で支払い、その他諸々の支払いやら学費やらは、俺のじいさんの遺産でまかなっている。
ちなみに、俺のじいさんっつーのが、なかなかの金持ちだった。
まぁ、去年死んじまったけど。
じいさんが遺産を他の親族に譲らず俺に全部残してくれたので、今のところ生活は苦しくない。
妹達に不自由ない生活をさせてやれって意味で、遺産を残してくれたんだと思う。
ありがたい話しやね。
「兄ちゃん。今日の晩御飯なに?」
里緒がトコトコと俺の側まで近づいて訊ねる。
今日の晩飯かー。考えてなかったのー。
「ん〜。焼きそば?」
「「やだ。」」
おぃ!!即答かよ!!
焼きそば美味しいじゃんか。
「兄ちゃん。私、オムライスがいい。」
「賛成〜♪」
オムライスか〜。まぁ、いいけど〜。
「んじゃ、今日はオムライスだな。奈緒、お前は風呂洗っといて、里緒は洗濯物片づけといて。」
「合点!」
「承知の助。」
14歳の娘が合点承知の助言うな。
そんなサブい事言うなんてお兄ちゃん恥ずかしいぞ!
色んな人も見てるのに。
俺は部屋に戻り、ラフな格好に着替え料理を作り始める。
多分ミスターとか、かっつんとか俺が料理してる姿みたら
「似合わねー!」とか言いながら写メ撮るな。
なんてな事を考えながら、料理を作る。
「うっし。完成。お前ら出来たぞ〜。」
奈緒と里緒は、掃除と洗濯を終えリビングでテレビを見ている。
「はーぃ♪」
奈緒と里緒がテーブルに着く。
「さ〜て、食うべ。食うべ。」
俺もサラダをキッチンから運びテーブルに着く。
「いただきま〜す♪」
「いただきます。」
奈緒と里緒がオムライスを口に運ぶ。
「どよ?なかなかだべ?」
「美味しい〜♪お兄ちゃんて、顔に似合わず料理上手いよね〜♪」
「美味しい。85点。」
顔に似合わず言うな。
つか、満点じゃねーんだ?
失礼な妹達だこと。
「ごちそうさまでしたー♪」
「ごちそうさま。」
「うぃ〜。」
何だかんだ言いながら完食してくれた妹達でした。
作った方としてもも完食してくれると嬉しいね。
食器も洗い、リビングで一服してテレビを観てる。
隣には里緒がいる。奈緒は只今、入浴中だ。
「兄ちゃん。…私たち、そろそろ三者面談ある…。けど…」
「お〜。もうそんな時期か〜。いつ?」
里緒は言い出しにくかったのか、少しモジモジした感じで言う。
「来週。…来るの?」
「そりゃ行くよ。お前らの進路の事だし。俺が来るの嫌か?」
こんな兄貴が来るの嫌なんかな〜。
ま、俺なら嫌だけど。
「違う。私たちじゃなくて…兄ちゃんが…」
あ〜。俺がってことね。
確かに、あの中学の教師どもにはかなり邪険にされてたからな。
それを知ってるから気を使ってくれてるらしい。
「関係ねぇよ。お前らの進路の事のが大事だ。つか、俺の事より自分達の将来の事考えろっつーの。」
コツンと里緒の頭にチョップする。
「痛。兄ちゃん。ホントに来てくれるの?」
頭をさすりながら上目使いで聞いてくる、里緒。
「行くよ〜。久しぶりに教頭の怯える顔も見てぇしな。」
ニヤリと笑う俺を見て、少し微笑む里緒。
「お兄ちゃん。お風呂いいよ〜♪」
奈緒が風呂から上がって来た。
「奈緒。三者面談、俺行くからな!」
「え?ホント!?ホントに来てくれるの?お兄ちゃん!?」
奈緒は目を見開いて驚きまくってる。
お前っ!!牛乳、コップから溢れてるって!!
どんだけ驚いてんだよ。
「行くっつったら行くんだ!それより、牛乳こぼれてるっつーの!!」
「え?きゃっ!!」
「ちゃんと牛乳拭いとけよ。んじゃ、風呂入るから。」
奈緒に雑巾を渡し、風呂に向かう。
俺が三者面談行くのって、そんな驚くことかねぇ?
俺の小説、1日過ぎんの遅ぇー。 はぁ…(゜Д゜)