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Give up the grunge.

本日二度目のこーしん。

ん〜。まったくもって手応えない連中でしたな。


「終わったぞ〜ぃ。」


俺はブイサインをしながらタマ達の方へ戻る。



「お疲レーション。」


タマが片手をあげて応える。


「おー。てつ君、つよーい!!」


カオルが拍手をしながら言う。


「当たり前だのクラッカーヴォレイだぜ。」


カオルにオールドかつハイセンスなボケをかましてやる。


「ジョセフだー!!第2部だー!!」


お。知ってるねー。



「鉄人…」


心配そうに俺を見ている美鈴の頭にポンっと手をのせる。


「大丈夫だっつーの。お前、心配しすぎ。俺、強い。負けない。」


ミスターポポ風に喋りながら美鈴の頭をわしゃわしゃと撫でて、ニッと笑う。


あらら、顔真っ赤にしちゃって。



「鉄人さん。なんども助けていただき、本当にありがとうございます。」


紗季ちゃんが、深々と頭を下げる。


「いえいえ。英国紳士として、当たり前のことをしたまでです。」


あ。前も言ったけど俺は日系日本人だから。



「私、A組の花山 紗季って言います!鉄人さんが助けてくれなかったら、どうなっていたことか…」


紗季ちゃんが

「ありがとうございます。」と言って、もう一度頭を下げる。


「別にいいよ〜。あ。佐久間 鉄人ね。よろしくメカドック」


と言って俺は左手を前にだす。


カオルとタマが

「「メカドックきたー!!」」とか叫んでる。


君らテンション高いのな。



「あ。よろしくお願いします!!」


紗季ちゃんは俺の手を握り握手をする。


「つかさ、敬語やめね?俺、敬語使うのも使われるのも苦手なんだよね。」


「え。あ。はい。すいません!!」


敬語なおってねー!!

ま。いっか。



「それじゃあ紗季ちゃん がみんなと仲良くなったし帰ろっか!」


玲奈が微笑みながら問いかける。


「その前に玲奈。アレ見てみ?」


俺は裏庭に生えてる一本の木を指差す。


「え?なに?なに?」


玲奈は木の方を凝視する。


「隙ありっ!!」


俺は玲奈の持っていて紅茶をとり、一気に飲み干す。


「あー!私の紅茶ー!!」


「ハッハー!!油断しとるからじゃー!!」



玲奈は、俺が飲み干した紅茶の缶を見ながら騒いでる。


「ヌハハ!間接キスもいただきだぜー!!」


玲奈の顔が一気に赤くなり

「鉄人くんのバカ!バカ!」と言いながら、ポコポコ殴ってくる。


ハハハ。生娘が。

実に愉快じゃ。



「おーぃ。お前ら、バカやってねーで帰ぇーるぞ。」


タマがそう言うと、玲奈は

「鉄人くんのバーカ!」と言いながら、紗季ちゃんの隣りを歩きだした。



俺はタマの隣まで走り、タマとバカ話しを始めた。


「そーいやぁ、あのバカ共、あのままだったな。」


「まぁ。いいんでか?」


校門を出た辺りでタマが思い出したように言った。


俺はスッカリ彼らの存在を忘れてたけど。



「あれ?みんなバス乗らないんですか?」


紗季ちゃんが学校前のバス停を見ながら言う。



「あー。俺らいっつも歩いて駅まで行ってんのよ。待つ時間もったいないからね。」



「あんたらの目的はそれだけじゃないでしょ」


さすが!美鈴。わかってらっしゃる。



「え?どういうことですか?」


紗季ちゃんが意味がわからないのか首を傾げている。



「俺ら専用の近道があるんよ。」


タマがそう言いながら、家と家の間の小道に入って行く。



この小道は滅多に人は通らないし、車が入れる幅もないからタバコを吸うにはもってこいの場所だ。


生徒の大半はバスを使って駅まで行くからバレることはないし、この道を使うと5分で駅まで着くから、俺らの登下校はこの道を使うことが多い。



俺とタマは内ポケットからタバコを取り出し、火をつける。



「あーっ。うめぇ〜。」


タマは煙りを吐きながら言う。


確かに。ずっと吸ってなかったからうめぇわ。



「あ。紗季ちゃん。この道のこと他の奴らに言っちゃダメだよ。」


「はい。大丈夫です。誰にも言いません。」



「頼むよ。バレたらシャレにならんから。」



「大丈夫ですよー。友達を追い込むようなことはしません。」


紗季ちゃんは笑顔で答える。


うん。やっぱりこの娘いい子だわ。




さて、そろそろ駅に着くな。

俺はタマが飲んでいたコーラの空き缶にタバコを入れる。タマも同じようにタバコを入れる。


後はこの空き缶を駅のゴミ箱に捨てれば完璧だぜ。



え?お前ら、悪知恵だけは働くなって?

ほっといて〜!

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