F**k authority.
小説って難しいねー。
さぁーて、女の子にフられてトチ狂ってるバカでも殴りに行きますかねー。
つーか、口振りからして初めから女の子に手ぇ出すつもりだったんべな。
だせぇ奴らだぜ。
「なかなかの大根芝居。楽しませてもらいましたよ。」
俺は黄門様のように、下駄箱からゆっくり姿を表す。
「誰だ!テメー!!」
おーおー。やられ役らしいセリフだこと。
「助けて下さい!」
囲んでる男達の間から女の子が走って逃げてきた。
って、あら?
昼間のボインちゃんでねぇか。
「紗季ちゃん!?」
「玲奈ちゃん!!」
あー。そう言えば玲奈と同じ中学だって言ってたな。
「よー。大丈夫だったー?」
俺は、紗季ちゃんって娘の方を向き質問する。
「あ。昼間の人。玲奈ちゃんの知り合いだったの!?」
「うん!紗季ちゃん。もう大丈夫だからね。」玲奈が紗季ちゃんに言う。
「だから!!テメーら誰なんだよ!?」
うるせぇ奴だなぁ。
「コイツは、港南のエロい悪魔と恐れられた佐久間 鉄人。んで、俺がタマちゃんだ。」
タマが俺と自分の紹介をする。
お前、自分でタマちゃん言うなよ。
つーか、その連邦の白い悪魔みたいな呼び名やめて!!
「あぁ!?知らねーな!!テメーら殺すぞ!!」
まぁ、怖い。
「まーまー落ち着きなさいよ。ここじゃ、誰かに見られて面倒くさいことになりそーだから裏庭にいきましょ。ねー?大将。」
俺は、ビンタされてた男に問いかける。
「わかった。お前ら、俺達の邪魔したんだ。タダですむと思うなよ。」
俺らは不良達と一緒に裏庭に向かった。
あー。若干腹減ったなー。
「アクマ。どっちがやる?2人じゃ3分で終わっちゃうよ。」
相手は6人。俺1人でも負ける気しねぇけど。
「んじゃ、アクマやっちゃって〜。俺、めんどいからパス。」
「うぃ〜。」
「てつ君、頑張れーっ!」
「まぁかぁせぇろぉ。」
応援してくれてるカオルと心配そうな顔をしてる玲奈、美鈴、紗季ちゃんに向けてピースを向ける。
「テメー、一人で俺らとやるっつーのか!?」
ビンタ男が俺に問いかける。
「そだよ。悪ぃかぇ?」
だって、タマちゃんやる気ないんだもーん。
「―っ!ざけんなよ!テメー!!」
やられ役の一人が俺の胸ぐらを掴みながら言う。
「まーそう熱くなんなよ。」
と言いながら俺は飲みかけだったコーラを、そいつの頭にかける。
そして、ボディブロー一発。
「がはぁっ!!」
俺の胸ぐらを掴んでた奴が崩れるように倒れた。
「んだよ。ワンパンかよ?おー。オメーらかかって来いよ。」
他の奴らに向けて、ちょいちょいと人差し指で合図する。
「テメー!!」
ビンタ男の仲間たちが一斉に俺に向かって走ってくる。
***
「久しぶりだなー。アクマの喧嘩見るの。」
「タマちゃん。鉄人君って、何者なの?」
玲奈ちゃんが俺に話しかけてくる。
つか、俺視点なんだ?
アクマは喧嘩してっから代わりに俺ってことね。
「何者ねぇ…。俺が中二のときにアクマが北海道から引っ越して来て、その初日に俺らの中学の番長の弟ボコボコにしたんだ。そいで弟がやられたって言って3年生の番長とその軍団15人も血祭りにあげて、その日のうちに俺らの中学のトップにたった奴かな。」
「ほぇ〜。てつ君って、強いんだ!!」
「まぁな。昔はかなり狂暴だったからな。『港南の悪魔』の他に『喧嘩の鉄人』とか呼ばれてたし。」
今でこそ丸くなったけど、中学の時は悪魔って言葉がホントに似合う奴だったからな。
「鉄人…。」
美鈴はアクマの方をずっと心配そうな瞳で見ていた。
ったく。コイツはまだ『あの事』を引きずってんのか。
つか、あの不良ども弱ぇーな。もう終わりそうじゃん。
まーアクマが強すぎるっつーのもあるんだけどな。
んじゃ、視点をアクマに戻しまっか。
***
「フラァッ!」
やられ役の顔面に膝蹴りを入れて、ビンタ男の方を向く。
不良君達は、全員ワンパンで沈めた。
つーか、コイツら弱ぇな。やっぱり、やられ役だ。
「あとは大将だけでっせ。どないいたしましょか?」
「テメー!ぶっ殺す!!」
さっきから、みんなして似たようなセリフ言いやがって。
少しはひねれよ。バカたれが。
「オラァ!!」
ビンタ男が俺の顔面を狙って殴りかかってきた。
俺はその場から動かず首を少し横に曲げて、紙一重で避ける。
つか、耳、熱っ!
ちょっと掠っちゃったじゃねーか。このやろー。
「お前ら弱すぎんだよ。 っと!」
俺はビンタ男の殴りかかってきた方の腕を持って一本背負いをかます。
「受け身くらいとれ。ばーか。」
ビンタ男は背中からモロに落ちて、泡を吹いている。
ん〜。ちょっとやりすぎたかな?
白目むいちゃってるし。
ま〜いいか〜。