表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/55

A Fact of life

タイガーマスク気取りがランドセルを寄付するなら、僕は孤児院にタバコを寄付するよ。

でもポップスソングで綺麗事を歌って何もしない奴らより、タイガーマスク気取りの方がよっぽど素敵だなぁ

上原 優香


俺が中学2年の冬から、中学を卒業するまで付き合っていた女の子


元カレの俺が言うのもなんだが、容姿はモデルじゃねーのか?っつーくらい整っていて、セミロングでウェーブかかった髪をしている。


性格は明るいししっかり者だけど、本当は寂しがり屋で、泣き虫。

甘えだすと止まんなくなるし…


ま、昔の話だけど…



「て、鉄人…なんでいるの?」


優香は気まずそうに俺に言う


「人数合わせだよ。つーか、久しぶりなんだから元気だった?くらい聞いてくれよ」


頬をかき、苦笑いで答える

そんな複雑そうな顔しなくてもいいじゃない?



「なになに?佐久間っち、優香ちゃんと知り合いなわけ?」


ウメが俺の肩に顎を乗せ、問いかける

マジうぜーわ。コイツ…


今、その質問はぶっちゃけキツいわ


「とりあえず、立ち話もなんだから中に入ろうぜ」


「そだね。んじゃ、レッツゴー!」


タマの言葉で、ウメは肩から顎をどけ先導してボーリング場の中に入る


ファインプレーだな。タマ


でも、優香の元カレってバレるのは時間の問題なんだろうけど


「悪いな。アクマ…優香ちゃんがいるとは知らなかった…」


「まぁしょうがねーべよ。つーか、終わった仲だし…気にすんなよ」


タマにそう言い、ボーリング場の中に入る


***



とりあえずの自己紹介もそこそこに、交流を深める為にボーリングをしようって話になった


チームは2人一組。

んで、お約束のように優香とチームですよ



「キャー!タマちゃんスゴーイ!」


「ヌハハ!どんなもんじゃけー!」


隣のレーンでは、タマチームと中山チームが対戦してる


タマが一発目でストライクを出して大盛り上がりです



「しゃあー!佐久間、勝負じゃー!!メタメタにしてやんぜー!!」


ウメが俺を指差し、大声で喚く

ホント、いちいちウゼェ!


「香織ちゃん!俺のカッコイイとこ見ててね!」


同じチームの女の子に声を掛け、玉を投げるウメ


フォームがキモいな…

なんかクネクネしてる




しかも三本しか倒れてねーやんけ!


「OH!SHIT!なんてこったい!」


大げさなリアクションで戻ってくるウメ


香織ちゃんも苦笑いだわ


「香織ちゃん、フォロー頼みます…」


カッコ悪い男だなぁ


香織ちゃんが5本倒して、俺達の番です



「どっちから行くよ?つーか、なに見つめてんの?照れるぞ」


ぽけーっとしてる優香に問いかける


「み、見つめてないっ!私が投げる!」


顔を真っ赤にしてレーンに向かう優香

なんか怒ってねぇ?



「佐久間って優香ちゃんとどういう関係?」


「ん?あー。なんつーか、元カノと元カレって奴」


―ガタンッ!


ごまかすのもめんどくせーと思い、ウメの質問に答えるとレーンからデカい音がした


振り向いて見ると優香がすっころんで、ボールはガーターを転がっていた



「なにやってんだよ…」


優香に近づき手を差し出す


「鉄人のせいだもん…」


涙目で俺を睨む優香


なんで俺のせいやねん?


「とりあえず立てよっと!」


優香の手を掴み、持ち上げるように立たせる

相変わらず軽いな。

ちゃんとメシ食ってんのか?



「鉄人がバカだからガーターになったんだからね!ちゃんとフォローしてよ!頼むよ!」


怒ったり頼んだり忙しい奴だな


「まかせなさい!落合さんん家のふくし君ばりの投球を見してやる」


球を持ち、ピンを見据える


「ヌリャ!」


凄い勢いでレーンの横にある溝を転がっていく俺の球


はうあ!!力みすぎた!


「OH!SHIT!グレートだぜ!」


「「佐久間…」」


「アクマ…」


ウメと中山とタマが呆れ顔で俺を見て一言


「「「ないわぁ〜」」」


「ですよね…」


返す言葉もございません。

女の子達も苦笑いすらしてくれない


俺が一番カッコ悪いね…



若干の間が空いたものの、それぞれゲームを再開する


「んな顔して睨むなよ」


ジト目で睨む優香の隣に座り、タバコに火をつける


「だって、ガーターだよ!?任せろって言ってガーターだよ!?」


「お前だってガーターだったじゃねーかよ…」


煙を吐きながらボソッと呟く俺をさらに睨みつける優香


「私のは鉄人が変な事言うからでしょ!!バカ鉄人!!」


「にゃーにゃー喚くな。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」


「うっさい!バカ!」


そっぽを向く優香にため息を吐きつつ、ボーリングの玉を持ちレーンに向かう


名誉挽回といきますか


「あの娘は綾波レイが好きっと!!」



ピンの倒れる小気味良い音が響く



「ばーい銀杏ボーイズってか?ウメ。俺をメタメタにするなんざ一万年と二千年早ぇえよ。」


俺のストライクにあ然とするウメに中指を立てて言う


一応、主人公だからね。カッコ悪いってのはいただけないのだ


「絶対マグレだー!香織ちゃん!ウットリしてないで、なんか言い返してよ!」


「カッコイイ…」


「あ゛ー!」


騒ぐな。バカ!

端っこみたいな人間だから玉もレーン端っこにいくんだよ



「こんなもんですよ。上原君」


「わ、私だってストライクくらい出せるもん!」


「おー!言うねぇ。んじゃ次は任せた」


「任された!私がストライク出したら……」


「出したら?」

俺の質問に優香は下唇を噛んで、言葉を詰まらせる


「私と……もう一度……」


「ハッハッハー!どーだ佐久間!!俺たちはラブパワーでスペアだぜ!」


スペアを出したらしいウメが、したり顔で俺に言う

ごめん。全然見てなかった…



「すごーい!ウメちゃん!私達も負けないよ!」


優香が笑顔でウメに言う

アイツ、俺に何か言いかけてなかったか?


「おい優香」


「ん?」


俺の呼びかけに振り向きキョトンとした顔する優香


「いや…何でもねぇ。頑張れよ」


「おう!任せなさい!」


鉄人の真似〜とニヒヒと笑い、玉を投げる優香



アイツなに言おうとしたんだろ?


という俺の思いを消すような音が響いた



「やった!」と両手を上げ、俺にハイタッチを求める優香


「ハハハ!やるな!」


優香のハイタッチに応える



「2人揃ってストライクかよ。いちいち仲良いな。ちくしょう!」


「妬いてんじゃねーよ。つーか、負けを認めろ!」


ふてくされるウメの肩に手を置き言う


「うるへー!見とけよ!」



ぬぉぉー!と言いながら玉を投げるウメ


うーん…。

やっぱり投げ方がキモイなぁ〜




ウメのキモイ投げ方が改善される事も無くゲーム終了


結果は言わんでも解るだろーけど俺達の勝ちー!


個人的なスコアだと俺より優香の方がピンを倒していた


「わーい!鉄人よりスコアが良い〜!」


「はいはい。しゅごいねぇ〜」


「本当は悔しいくせに〜!」


「うっせぇ」


ごめんなさい。めっちゃ悔しいです。



「んじゃ、約束通り私の言うことを聞いてもらうからね!」



んな約束してねーよ。

何言ってんだ。この娘っ子は。



「まぁ負けたのは認めるけども、無茶振りは聞かねーかんな!」




「無茶なんて言わないよ〜。えーと、それじゃ…キス…して……」


「やだよ」


俺の言葉に優香は泣きそうな顔をして俯く


「こんな人の多い所じゃ、俺が恥ずかしいだろーが…」


「えっ…!?それって…ここじゃなきゃいいってこと…?」


「ん〜。どうでしょー」


と言って俺は優香の唇にキスをした



『キャーッ!!』


優香の友達が大声をあげて、俺は唇を離した




つーか、俺なにしてんの!?

こういう感じ、懐かしいなぁ〜。なんて思いながら気付いたら、キスしてたな……


「さささ佐久間ぁ!お前ぇ何してんだらっちゃあっ!!」


ウメが大声で俺に近づいてくる


「るせーなぁ。なんつーか、アレだよ。据え膳喰わぬはなんとやらだよ。」


「だからって!お前ー!!クソーッ!」


「あいてっ!」


ウメは俺に肩パンチをして走り去ってった。

アイツは何がしてーんだよ…


「んじゃ、俺もぼちぼち帰るわ。妹達に飯作んねーと。優香、今度よライブやるから遊びに来いよ?」


呆けてる優香に声をかける


「え!?うん!絶対行くっ!!だから、また連絡して…?」


少し涙目の上目使いで問いかける優香の頭を撫で、オーケーと返事をしてその場を走って後にする。


「アクマ、照れてやがるな」


「ああ」


タマと中山の呟きが聞こえた

否定したかったけど、事実だから聞こえないフリして走った


途中で見知った顔が視界の端に入った気がした

つーか半年振りくらいの更新ですねぇ。

とりあえずご無沙汰です。

んで、あけましておめでとうございます。


全然終わりが見えない話しに心が折れそうや

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ