Numb
朝です。眠いです。
オールで曲作りに励んでました。
なんとか一曲完成しました。
うーん。現在7時。あと5分としないうちに奈緒が起こしにくるだろう。
寝ちまうか?
寝ちまおうか?
すべてを忘れて今日は寝よう!
学校も行かない!俺は寝る!
朝の日差しを逃れるように布団を頭から被る
眩しいんじゃ!太陽!!
俺に気ぃ使え!!
「お兄ちゃん。朝だよ。」
げっ!もう来た!
あと46秒あれば俺は眠りついていたのに…
仕方ねー。起きるか…
って、普通に『おはよう』なんてありきたりすぎてサブいな。
ちょっとビックリさせちゃおう!
「お兄ちゃん、入るよ?」
ノックをして俺の部屋に入る奈緒
「お兄ちゃん、起きて!」
布団を揺さぶり起こそうとしてるが、そこに俺はいない
なぜなら俺はクローゼットの中から奈緒の動向見ているから
「お・き・ろー!!ばかぁー!!」
奈緒は俺の布団にかかと落としをかます
ああやって毎朝俺をおこしてたのかぃ!!
エゲツねーな!
かかと落としをキメた俺の布団に違和感があったのか俺の布団をめくる奈緒
「キャァ!!」
めくった布団から出てきたのはムンク画伯の『叫び』のビニールで出来た風船
通称ムンクさん
水曜どうでしょうって番組を観たことある人は知ってるかもね!
「その顔もらった!!」
そしてここぞとばかりにクローゼットから現れ、携帯のカメラで奈緒を撮る俺
ん〜。ナイスビックリ顔!ごちそうさまです。
「ビックリしたぁ?
『キャァ!!』だって〜!奈緒ちゃん可愛い〜」
「…………」
ウヒャヒャと笑う俺をジト目で睨む奈緒
奈緒は無言で俺の机の上にあった安全ピンでムンクさんをメッタ刺しにする
「ああ!!ムンクさぁーんっ!!」
「次やったらお前も刺すからな」
怖っ!!超冷たい言い方!!そして右手の安全ピンがめっちゃバイオレンス!
「ご、ごめんなさい…」
もうガタブルもんです。
お兄ちゃんやり過ぎました。反省します。
「はあ…
じゃ、お兄ちゃん。ご飯出来てるから早く着替えて来てね」
俺の怯えた表情から何かを察したのか、奈緒は大きな溜め息をつき、部屋から出て行く
布団の上には、すっかり空気が漏れてフヤフヤになったムンクさん
北海道限定だったのになぁ…
哀れムンクさん。いい仕事したよ。
ムンクさんに合掌し、制服に着替えリビングに行く
お。今日はスクランブルエッグとコーンフロスティかぃ?
手抜きだねぇ。ま、俺と里緒が朝遅いから食ってる時間がないから簡単な物なんだけどね。
「お兄ちゃん。おはよ。」
奈緒はさっきの出来事はなかったかのように普通に挨拶をする
「お、おはよう。」
ごめん。ムンクさん。俺もさっきの出来事はなかったことにするよ。
掘り返すと俺も安全ピンでメッタ刺しにされそうだから…
ちょっとビクビクしながらテーブルに着き朝食を食べ始める
朝食を食い終わりコーヒーを飲みながらタバコを吸っていると里緒が起きてきた
相変わらず眠そうな顔してんな。
牛乳こぼしてるし…
奈緒に叱られてるし…
〜♪〜♪〜♪
そんな朝の風景を微笑ましく眺めてると俺の携帯が鳴りだした。
この着メロは………!
誰だっけ?
「はぃ〜。お口の恋人 佐久間です」
『なんじゃそりゃ!ま、いいや。stand outのゆーただけど』
「おはよーござぁす!ご無沙汰っすね!」
『おう。ライブの日が決まったからよ。今月の20日の6時からなんだけど、おめーら出るしょ?つか、出ろ!』
「マァジッスかー!?出ます!!兎にも角にも出ます!ダメって言われても出ます!!」
『おぉ…そうかぃ!んじゃ、会場とかはまた連絡するわ。』
「はいっ!」
『んじゃな〜!楽しみにしてんぜ〜!」
「ういっす!それじゃ!!」
電話を切りガッツポーズをする
新しい曲も出来たし、そろそろライブしたいなぁと思っていた時のこの朗報
テンション上がらないはずがない!
「お兄ちゃんライブするの!?」
「おうっ!」
「見に行くーっ!里緒も行くよね!?」
「うん。」
俺がライブすることに妹2人もどことなく嬉しそうだ
メンバー全員に連絡をし、緊急朝練ミーティングをするために妹達と一緒に家を出る
8時ちょうどに学校に着き部室に向かう
「おせーよ!アクマ」
「オメーが早ぇんだろ?ま、その気持ちわからんでもないがな」
先に部室に入っていたタマに笑いながら言う
「おぉ!早いな。お前ら!」
「てっちゃん、タマちゃんおはよー」
少し遅れてミスターとかっつんも部室にやってきた
こーいう時だけは早く学校に来る俺達
メンバー全員揃ったところでライブに向けてのセットリストを打ち合わせる
前回のライブでやった曲以外に3曲の新曲が出来上がっている
今回はオール新曲で挑むのか、それとも新曲プラスお気に入りで攻めるかで決めかねている
定番曲をつける為にお気に入りも混ぜるべきだ!とか、新曲だけで客を沸かせた方がイカしてる!とか
あーでもないとかこーでもないとか、しゃべり場が如くの徹底討論
「オメー、なに笑ってんだよ!?」
ミスターが俺に向かって言い放つ
「あぁ。わりぃ。なんか熱いなと思って。中学ん時、『悪魔』『クラッカー』『Mr.暴力』『陽炎』って呼ばれた4人が、こんな熱くなってるんだぜ?どんな曲やろうとしくじる訳ねー。そうだろ?ライブ始まる寸前に決めようぜ?」
俺は窓を開けながら言う
全員がそんな俺の姿を見て不敵な笑みを浮かべる
「オメーは…」
「ハッハハ!アクマらしいぜ!」
「確かに〜。てっちゃんらしいわ。つーか、俺ららしいか!」
「だろ?さ。教室戻ろうぜ!」
4人でダラダラと教室に戻る
廊下で横一列になって歩く俺達を煙たそうな顔で見る生徒達
「おい!お前ら!邪魔なんだよ!」
俺らに声をかけてきたのは2年生の男子
8人くらいのグループの1人が俺らに言う
「あー?俺らに言ってんの?」
「せんぱぁ〜い!ごめんね〜!俺らアホだからさ〜。でも、そんな言い方ねぇんじゃねぇのか?コノヤロウ」
「先輩達、こんな暑い日に絡んでくるなんて頭オカシイんじゃね?」
ミスター、タマ、かっつんが先輩達を睨みつけながら言う
「コラコラ!一年坊主が調子にノってんじゃねーよ?」
先輩達も3人にメンチ切りながら言う
「止めとけって。ミスター、タマ。かっつんも。」
「お前らもムキになってんじゃないよ。」
俺は3人を、グループの後ろにいたリーダーみたいな先輩が他の先輩達を止める
リーダー格の先輩は、整った顔立ちに銀縁のメガネ、長身でありながらもシャツから出てる腕はけっこう筋肉質
そして明らかにその人だけ雰囲気が違う
それは俺だけじゃなく他の3人も感じているようだ
「でも、清ちゃん…」
「うるせーよ?」
先輩の1人がリーダー格の先輩に反論しようとするが、睨みで圧倒して黙らせる
「今年の一年にも元気がいーのがいるんだねぇ。でも、先輩には敬語使わなきゃいけないね。」
その先輩はニッコリ笑い俺達を見る
笑ってるけど威圧感があるな
俺達3人は無言で先輩を見る
「なんてね!ところで君たち…」
「清兄ぃ!なにしてんの!?」
「おぉ!カオル!君ねー、お母ちゃんの作った弁当忘れたらイカンでしょ」
俺達の教室からカオルが出てきた
つか、えぇ!?兄貴なの!?似てなっ!!
他の3人も口をあんぐりと開けて驚いている
「てつ君おはよー!清兄ぃに何かされなかったぁ?」
「お、おう。何もされてないけど… お兄ちゃんなの?」
「そうだよー!で、清兄ぃは何しに来たの?」
カオルは俺からお兄さんの方へ視線を移し問いかける
言い方冷たいな。
「君なー。さっきも言っただろ。お弁当を届けに来たんだよ。」
「今日は午前中で学校終わりなんだからお弁当いらないでしょ。お母さんにも昨日の夜言ったのに…」
ため息をつきながらカオルが言う
どーでもいいけど、お兄さんしゃべり方独特だね
「あらら。無駄足だったのかい。それじゃ、お弁当はお兄さんが貰ってもいいかな?」
「いいよ。早く教室に戻ってよ。」
「ありがとね。それと君たち。カオルと仲良くしてあげてね。」
カオルのお兄さんはプラプラと手を振り、廊下を歩いて行く
遠くから『清ちゃんの妹可愛いな!』『あの糞ガキども生意気だな!』とか聞こえてきた
「変な兄貴でしょー?私、ちょっと苦手なんだー」
苦笑いで言うカオル
「カオルちゃんの兄貴って…まさか八神 清春?」
かっつんがカオルに訊ねる
「八神 清春って俺らの一個上の代で最強って言われてた人?」
「あの八神 清春かよ!?つーか、ウチの学校だったのかよ!?」
タマもミスターも名前は知ってる感じだ
俺はそんな人知らんけど
「そう。その八神 清春だよー。あんまり知られたくなかったんだけどなー」
驚く3人を見てカオルは少し気まずそうな顔をしてる
廊下で俺達の話しを聴いていた奴らも驚いているし
つか、立ち聞きしてんじゃねーよ。名無し軍団が!
「やっぱり清兄ぃは恐れられてるんだね…」
「俺はカオルの兄ちゃんのこと知らんかったけどな。」
俺の一言にその場にいた全員がギョッとする
そんな有名人なの?カオルの兄ちゃん
「ま、いいじゃねーか。カオルの兄貴が何者でも。それより、教室入んねーと金城の鬼畜的拷問喰らうぞ!」
「誰が鬼畜だって〜?えぇ!?佐久間ぁ!」
んん!?この声は?
アカン!後ろ振り向いたら死ぬ!!
振り向かなくても死ぬ!!
「お前、昨日どこでサボってやがったー!クラァー!!」
「ぎゃぁあああ!ギブ!ギブ!」
極まってるって!パロスペシャルが極まってるって!
なんでいち教師がウォーズマンの必殺技使えるんだよ!?
マジイテー!
それから隣のクラスの教師が止めに来るまで俺は絞められてました。
なんで遅刻してないのに、俺だけこんな目に…
またキャラが増えましたね〜。収集つかなくなりそうだぜ。コノヤロウlml(゜Д゜)lml