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Minority

倍プッシュだ……!

「今夜僕は叫んでやる♪王様は裸じゃないか♪」



ブルーハーツの裸の王様を口ずさみながら通学路をポテポテと歩く俺

奇跡的に遅刻しなかったよ。偉いぞ!俺様!


今日からまたかったりー学校生活が始まると思うとうんざりするな〜。


ちょっとブルーになりながら下駄箱で靴を履き替え教室に向かう



休み明けの教室には、日焼けして黒くなってる奴、休み中に彼氏彼女が出来た奴などの夏休みの思い出話で教室は騒がしかった



「おはよ!鉄人君!久しぶりだね!」


「おはようさん。玲奈。相変わらず可愛いね。」


玲奈に挨拶をし、席に着く

つか、教室マジやかましい。


「ありがと。ていうか、その髪型と耳どうしたの?かなりロックだね。」




苦笑いで髪型と耳を指差しながら俺に問いかける玲奈


ちなみに耳には安全ピンが刺さったまんまだ


「かなり攻めてるべ?でも、奈緒と里緒には評判悪かったんだよね」


「そうなんだ。私が髪整えてあげよっか?」


「玲奈が?そりゃ不安を隠せないな。」


「ひっどーい!私、髪切るの得意だよ!」


頬膨らませる玲奈。

ホントに大丈夫か?


「んじゃ、お願いしようかな。もっと荒々しく、それでいてファンキーな感じにしてね」


「難しい注文だね… でも頑張る!」



胸の前で拳を握る玲奈


う〜ん。可愛らしいね〜


「んじゃ、今日の放課後頼むな!俺、ちょっと屋上行ってくるわ」



玲奈の頭にポンと手を乗せ立ち上がり教室から出て購買でコーラを買い、屋上に上がる


いい天気だ。暑いけど気持ちいいぜ!

タバコをくわえ、大の字でコンクリートに寝そべる







「――くん。てつ―くん!鉄人ーっ!!」


「ふがっ!」


俺を呼ぶ声が聞こえてきたと思ったら、両頬に痛みが走り目を開ける


「もう!いつまで寝てるの!?始業式終わっちゃったよ!!」


玲奈が俺の頬を抓りながら、ふくれっ面をしている


寝てしまったか…

コレばっかりは、やむを得ない!

なんか心地良かったんだもん!



「痛いでふ。放してくらはい…」


「ダメです!新学期早々サボって!私が金城先生に探して来い!って言われたんだよ!」



アララ。そら、すまんかったね。

でも、ちょっとほっぺが痛くなってきてるのよ。放してほしいのよ。



「ごめんなひゃい。以後、気をつけまふ。」


「気持ちがこもってないから、許さないーっ!」


そりゃないぜ!地味に痛いのよ。

なかなか俺の頬を放してくれない玲奈

どないせーっちゅーねん!



「玲奈ちゃん、今日のパンツはストライプでふか?」


「―――!!」


玲奈は俺の頬から手を放し、慌ててスカートを押さえる


そんな顔真っ赤にして睨まれても、君が屈んで俺の頬を抓るから悪いんでしょ?これは事故じゃよ。

ま、かなり得した気分だけどね!ゲヘヘ!



「はー。痛かった。」


「鉄人君のスケベ…」


「否定はしないよ。ごちそうさまでした。」


頭を下げる俺を真っ赤な顔でポカポカと殴る玲奈


どうして殴るの?俺が悪いの?やめてよ〜!


「悪かったって!ゴメンゴメン!」


「うるさい!鉄人君のバカバカバカー!!」


キーンコーンカーンコーン


ほらぁ。チャイムが鳴っちゃったじゃないか。



「あーぁ。チャイム鳴っちゃいましたね。」


「鉄人君のせいでしょ!」


「まぁまぁ。そんな怒んなよ。今日、授業ねぇんだし、ゆっくりしていきなさい。」


「もう!新学期早々サボるなんてサイテー!」


なんて言いながらも玲奈は俺の膝の上に座る


なんで?なんでそうなる?

嫌じゃないけど、嬉しいけど……




暑いっ!!




「なぜに俺の上に座る?」


「良いじゃん!誰も来ないんだし。もしかして……重い…?」


「重いっつーか、色んな意味で激熱!みたいな?」


「なにそれ?変なの?」


ふふっと笑いながら俺に寄りかかる玲奈


女の子独特の香りと柔らかさにドキドキしながら、玲奈と一緒に空をぼんやり眺める


「アカーン!こんなんアカンで!!何をまったりしておるのだ!俺は!!」


「えぇ!!急に何!?」


またキタ!謎の衝動!


こ ん な ん ロ ッ ク じ ゃ ね ぇ !



「玲奈!!ロックとは何ぞや!?」


「え、え〜っと… 激しい音楽のこと?」


「2点!!全然違う!!バカ者!」


「え〜。じゃあロックって何?」


え?ロックって何?


「わかんない!俺もわかんない!!ロックって、パンクってなんだ!?」


ジャンル?


違う。そんなWikipediaに書いてあるような模範的な事じゃない



「う〜ん。わからん。」


「て、鉄人君…」


引き気味の玲奈をよそに、俺は屋上をウロウロしだす


そのままフェンスをよじ登り、屋上の縁を歩く



ロック、ロック、ロック…


パンク、パンク、パンク…


ぬぅ〜!わからん!!



「鉄人君!!危ないよ!!」


「へ?  うおっ!!マジ怖ぇえ!!高えっ!!アブねぇ!!」


落ちる!落ちてまう!



なんとか持ちこたえ、ため息をつく



………

…………


あ。これかぁ!

わかった!ロックって、これなんだ!!



「わかったぞ!玲奈!!ロックってコレだ!」


「え、え?なに?」


フェンスの上に立ちビシッと玲奈を指差す


キタね。カイジばりの圧倒的閃きキタね。



「よく聴けぃ!ロックっつーのは、キンタマにズキューンってキて、けつの穴がキュンキュンして、脳みそのシワが一気に一カ所に集まるような感覚だ!」


「は?」


いや。

「は?」て…



「あれ?わかんない?」


「うん。」


うそーん!アレだって!!

初めてGreen dayとかブルーハーツとかホルモンとかハイスタとかゼブラヘッドとか聴いたときにくる『あの』感覚だって!!



「マジかよ… アレがわかんないなんて」


信じらんないよ。僕はショックだよ。



「え?そんなに落ち込むこと?」


さっきまでのハイテンションが一気に萎えた俺に近づき不安そうな顔をする玲奈



「そうか… 世の中にはあの感覚がわからない人もいるのか…」


「じゃあ!鉄人君が作ってよ!その…き、キンタマがズキューンってなるような曲…」


そうか!その手があったか!

俺が作りゃあいいんだ!キンタマズキューンでキュンキュンしてビチョ濡れになるような曲を!


てか、玲奈も顔真っ赤にしてキンタマって言うなら言わなきゃいいのに。


「よっしゃあ!今日からバリバリ曲作るぞ!!とりあえず、髪をキッチリバッチリ仕上げてくれぃ!!」


「うん!」



とりあえず、放課後になるまで2人で話しをし、金城がいなくなるのを見計らい教室にカバンを取りに行く


美鈴やタマ達にはメールして先に帰っててもらう。

いちいちうるせーからね。




教室には何人かの生徒が残っていたが無視!

脇役にもなれないような奴は無視!!

家帰って『超☆兄貴』でもやってなさい!


あ。超☆兄貴っつーのはスーパーファミコンのシューティングゲームで、マッチョのオッサンが主人公っていうイカしたゲームだよ。




学校を出てバスに乗り玲奈の家に向かう


相変わらずデカい家ばっかりの道やね

う〜ん。前にこの辺でストーカーに襲われた苦い記憶が…



「ここが私の家です。」


「デカいな〜。2LDKはありそうだ。」


「もっとあります… とりあえず、上がってよ。」


はぃ。失礼ぶっこきお邪魔します。

なんかいい匂いがしますね。

バラのオイニーだね!いや!ラベンダーだね!

どっちでもいいね!



「お父さんもお母さんも仕事で居ないから、のんびりしてていいよ。私、着替えてくるね。」


「はい。ありがとござます。」


なんだろ?この緊張感…

両親がいないなんてベタベタな展開にビビってるのか?



つか、こんなデカいリビングに俺放置って…


テレビデカいし…絶対地デジ対応だし…

やることねーし!




「おまたせっ!」


玲奈はノースリーブのシャツとホットパンツというラフな格好でリビングに戻ってきた。


やっぱ胸デカいな。こいつ。

この家、デカいもんばっかりじゃ。


「じゃあ、早速髪切ろっか?」


「頼むわ〜。失敗は許されんぞ。」


「大丈夫だよぅ!信用しなさい!」


胸を張り自信タップリな表情の玲奈


椅子に座らされ、早速散髪される。



「とりあえず、全体のバランスを整えながら切るからね」


「うん。まかせた。」


鏡に写っている、大人しく座った自分の姿がマヌケだなぁ


玲奈、めっちゃ集中してるし…


俺、ヒマだし…




2人ともしばし無言。


俺、寝るし…




「鉄人君、出来たよ!どう?」


「んぬ…」


眠い目を擦りながら鏡を見る


あら!オシャレ!!



「良いじゃん!玲奈、スゴいじゃんか!!」


「そう?良かった!」


玲奈は照れ笑いをしながら俺の髪をワックスでセットしていく


なんか女の子に髪触られんのって良いね。

触りたいし触られたいよね。



「うーん!良いねー!ありがと。玲奈」


「どういたしまして!」


満足な出来上がりです。

キンタマズキューンです。


今度、なんかお礼しなきゃな。




その後、玲奈宅で夕方までゆっくりさせてもらい、帰宅しました


奈緒と里緒は

「「そっちの髪の方が俄然良い!昨日の髪型はナシだわ!」」

と大絶賛でした。



嬉しいけど素直に喜べないわ!!

俺もキンタマズキューンな小説書きてーなぁ………                     キンタマズキューンって…

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