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Get Back

アンコールを終え控え室に戻って来た俺達

控え室には次の演奏を控えているswallowtailの3人がいた



「お疲れ様ー!スッゴい盛り上がってたね!!初めてのライブとは思えない盛り上がりだったよ!」



「ありがと!蝶々のみんなも盛り上げてくれて、ありがとね!」



俺達はswallowtailのメンバーとハイタッチをする。


タマとはるかちゃんはハイタッチしそうでしないという、スラムダンクの桜木と流川みたいな感じになってたけど…



「蝶々軍団は次でしょ?俺らも盛り上げっから〜!」


かっつんはタバコを吸いながら笑顔で言う

ライブ後なのに爽やかな笑顔だねぇ


「ありがと!インブルには負けないよー!」


愛菜ちゃんは笑顔で答える


「てつじん、疲れた?」


イスに座り、タバコの煙をゆっくりと吐く俺に奈津美ちゃんは問いかける


「ん?全然。疲れそうになったけど疲れてないよ」


嘘。ホントはめちゃくちゃ疲れた!でも、疲れたって言ったらもっと疲れるから言わない


「強がっちゃって。でも、スッゴいカッコ良かったぞ!」


奈津美ちゃんは俺の頭をくしゃくしゃと撫でる

やーめーろーよー!恥ずかしいだろ!


「見てくださいよ!玉山さん!あの2人ったら、なんかいい感じじゃありません?」


「あら!?ヤダ!!ホント、佐久間さんのとこのお兄ちゃんったら、イヤらしいわ!ねぇ?前田さん?」


「まったくですわね!あのお兄ちゃん、あれで自分がモテないなんて言うんですから!バカじゃなけりゃキチガイですよ!」



丸聞こえだよ…バカ共…



「好き放題言ってくれんじゃねーか?このウンコチンチン共が…」



『ゴゴゴゴ…』とジョジョみたいに背景に摩訶不思議な効果音を出しながら、ヒソヒソと話す3人の後ろに立つ



「「「イヤァァァー!!」」」



3人にどんな攻撃をしたのかは、あえて伏せとこう。

ただ3人は控え室の床に倒れピクピクしてる



「じゃ俺達、会場戻んね!ライブ期待してるよ!ほら!オメーらも何か言えよ」


「頑張って…」


「ください…」


「チョウチョ軍団…」


3人は一言ずつ言うと、また床に突っ伏してしまった

3人の首根っこを掴み、控え室から出る


swallowtailの3人は苦笑いで手を振りながら俺らが控え室から出るのを見ていた




「アクマ…」


「いつか…」


「殺す…」


「あ゛?」



「「「ご、ごめんなさい」」」


ったく、アホ3人が…

3人を引きずり会場に入る。


「お疲れ様!鉄人!って、どーしたの?その3人…」


美鈴が3人を指差しながら言う


「おう。さっきのライブで燃え尽きちゃったみたいなんだよねー」


「「「違うわっ!」」」


3人がガバッと立ち上がり、俺を睨みつける


ちっ!復活しやがったか…

うるせーから、もう少し寝てりゃあ良かったのに



「みんな、スゴいカッコ良かったよ!」


ギャーギャー言い争ってる俺達4人に玲奈が声をかける


「サンキュー!サインは後でな!」


少し照れながら玲奈の頭を撫でる


「兄ちゃん、声枯れてる…大丈夫?」


里緒が俺の顔を心配そうに覗く


「あぁ。ちょっとイテェけど大丈夫だ。楽しかったか?」


「うん」


「そーか!良かった!良かった!」


微笑む里緒に俺はハハハと笑って返す


俺達が会話をしていると5番手のバンドの演奏が終わった

次はswallowtailか



「イエーイ!!こんばんわー!!swallowtailでーす!!早速、1曲目いっきまーす!」


『ウオーーー!!!』


ライブ経験があるためswallowtailのメンバーには緊張の色はあまり見られない

大きな歓声が湧いて、曲が始まる

avril Lavigneの『sk8er boi』だった


だから、リハで俺達が演奏してたか聞いてきたんだ



「俺らのが上手ぇな」


タマが腕を組ながら観ている


「そーかぁ?俺らより上手いだろ?愛しのはるかちゃんのドラムも可愛いーじゃん!!」


シシシと笑いながらタマに言う


「ばっ!誰が愛しのはるかだよ!!あんなちびっ子に興味ねーよ!!」




顔を真っ赤にして否定するタマ

ちびっ子っても年上だけどね


「はいはい。そーいうことにしといてやる。さっ!盛り上げっぞ!」


「素直になったほうがいいよー!タマちゃん」


「タマってあーいう娘がタイプなんだな?」



メンバー全員でタマの肩を叩きステージの一番前に行く



「「「「イエーイ!!!」」」」


4人でステージ最前列で盛り上げる

俺らのステージを見て、俺らの事を気に入ってくれた観客が一緒にジャンプやモッシュをしてくれてる



その様子を見た、swallowtailの3人は少し恥ずかしそうに微笑い、歌を続ける


2曲のコピーと3曲のオリジナルを演奏してswallowtailのライブは終わった



「やっぱり経験あると違うな。進行がスムーズだし、聴かせる曲は聴かせてる」


俺は便所で小便をしながら、自分達のライブ進行の仕方に反省をする


「まだやれる曲も少ないし、今回は成功だったと思うよ。ライブも数こなせば良いってもんじゃないだろうし」


かっつんも俺の横で小便をしながら言う



経験も必要だけど曲も必要か…

急ぎで作りゃあ雑になるし、考えて作りゃあ媚びた曲になるからなぁ…



「ま、次のライブも決まってねーんだし、ゆっくりレパートリー増やしていけばいいさ」


かっつんが俺の肩に手を置き言う



「そうだな。つーか、かっつん、手ぇ洗ってからカッコつけてな」


「あれぇ!そーいう事言っちゃう?」


2人でガハハと笑い、かっつんとともに玲奈達のところへ戻る



「おかえりー!もう次のバンド始まってるよ!スゴい人気みたいだよ」


桜先輩が少し声を張って言う。


確かにスゲェ人気みたいだな

歓声もデカいが、観客のほとんどが前の方に詰め寄ってる



「なんてバンド名?」


横にいた紗季ちゃんに聞いてみる


「sweet Timeってバンド名ですって!女の子達は一斉にステージの前に行っちゃいましたよ!」


イケメンの4人がバンドを組んでラブソングを演奏する

いかにも女の子が好みそうな感じだね。俺ぁ興味ねーな…


現に横にいる玲奈や美鈴、先生達は目をキラキラさせて聴き入ってるけど…



「じゃあ、次の曲…」


ボーカルがそう言うと『コーヘイ!』とか『キャーッ』とか歓声が聞こえてくる


なんかクール気取っちゃって嫌だねぇ

俺の嫌いな甘い言葉の曲が多いし…


インブルのメンバー達も壁に寄りかかったり、あくびをしたり、興味無さそうにしている



「何組か前のバンドがラブソングは詐欺呼ばわりしていたけど、俺達はそう思わない」


MCの途中、ボーカルの奴がそんな事を言ってるのが耳に入った

つか、明らかに俺らの事言ってるよね?


「想いを伝える歌を歌って、それに共感してくれる人がいるなら、俺達はそれだけで音楽をやっていて良かったと思える」


「下劣な歌詞じゃ何も伝わらない。俺達は音楽の可能性を信じたいんだ」



明らかに会場の後方で、つまらなそうにしている俺達に向けての言葉


ずいぶんカッコいい事言うじゃないか

俺達の曲が下劣ってかぃ



「あのヤロー!言ってくれんじゃねーか!」


「アクマ、殺しに行こうぜ!」


「許せねーよ!俺らをバカにしてる!」


今にもステージに上がって乱闘起こしかねない3人をなだめる



「落ち着けよ。大体、俺の作った曲はアイツらみたいな曲を歌ってる奴らへの挑戦状みたいなもんだ。受け取ってもらえただけでも感謝じゃねーか」


「でも、言われっ放しだぜ!?」


「言わしとけよ。当たり障りのねー曲ばっかりの奴が勝つか、ネジがぶっ飛んでるよーな奴が勝つか、そのうち解るようになるさ」


3人に言い聞かせるように言い、クククと笑う俺


「とりあえず、挨拶くれーはしとくか」



俺達は腕をクロスさせメロイックサインを作り、舌を出す。


俺達の下劣で相手をバカにした挨拶



sweet Timeのメンバーは明らかに不機嫌そうな顔をして曲を始めた



これが俺達inbullとsweet Timeの出会いだった

メロイックサインとは、『ういっしゅ』の親指を立てないで行うサインです。            皆さんも寝る前にやってみてくだしゃい lml(゜Д゜)lml

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