表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/55

『F』

この作品はフィクションであり、実在の個人・団体等にはいっさいがっさい関係ありましぇーん              多分ね…

 照明の落とされたステージ

 汗臭さと熱気に包まれたホール

 俺達は初めての舞台に立つ

 大きく深呼吸をし、カウントを取る、かっつんのスティックの音を聞く


1、2、3、4



全員一致の激しい音と共に照明が着く

照明の明るさに目を細めながら、詞に込められた自分の言葉を歌い出す。



『ignition』


激しい音と粗雑な歌詞で観客の熱気に『点火』する

全英歌詞のこの曲には、そんな思いが込められている

ライブの流れは1曲目で決まるって言っても過言ではない


でも、そんなことにとらわれて失敗しないように慎重になって演奏するのはクソだ

外国の街の壁に描かれているような、下品で、カッコ良くて、言いたいことだけ言って消える、そんな音楽をやりたいのだ



上半身裸にデストロイヤーマスクをしてるタマの少し高いギターの音が響く

ジャージにハーフパンツ、頭も音も爆発させてるミスター

VネックのTシャツに黒いデニム、シルバーのピアスをしてる、かっつんの激しくも正確なドラム



そんなメンバーの音を支えながら、ミュージックマンのベースを弾き、テメーの書いた歌詞を会場の後ろまで届けようと声を張り、激しく歌う俺



Green dayのように自由で、Offspringのように激しく、blink-182 のようにおバカで、blueheatsのように優しい歌を歌いたい



調子にノれ!若者!!

かませ!モッシュ&ダイブ!!



挿入(いれ)ちまえば童貞もヤリチンも関係ねー!

快感を求めて動け、騒げ!



観客も最初こそ反応が薄かったものの、stand outやswallowtailの人達が盛り上げてくれたおかげで一曲目の終わり頃には観客の大半がノッてくれていた。




メンバー全員のジャンプと共に曲が終わる。

それと同時に観客の歓声が響く。



「はい!こんばんわー!!はじめまして!インブルでーす」


『イエーイ!!!』


おっ!凄い歓声!ノリの良い観客で良かった


「つーわけでメンバー紹介したいんですが、そこのデストロイヤー君がお腹が冷えるって事でTシャツ着るまで、しばしお待ちを」


タマがTシャツを着てをデストロイヤーマスクを観客の方へ投げる。

だーれも拾わねー!


タマが自分の前にあるマイクで喋り始める。


「お待たせしましたー!つーか誰か、マスク拾えよ!!軽くショックだよぅ!!」


タマのMCにドッと笑いが起きる。

そして観客の女の子がマスクを拾い………



被ったー!!

なんてノリの良い女の子なんだ!そして、なんてマヌケなんだ!!



「良かったな。タマ!あの女の子に感謝なさい。デストロイヤーちゃん、ありがとー!んじゃ、メンバー紹介しまーす!」



かっつんがドラムを叩き始める。


「チビドラマーのかっつん!妊娠させられないように気をつけてー!」


俺の紹介にかっつんのドラムが少しスピードアップする

そしてドラムの音に俺のベースの音を被せる。


「ベースボーカルの鉄人。イケメンだけど腐れ外道だから気をつけてー!」


俺の代わりにタマが俺の紹介をする

誰が腐れ外道じゃ!


俺とかっつんの音にミスターがギターを乗せる


「ギターと爆発頭のミスター!ヘアスタイルは松田優作を意識してるけど全然似てねー!」


そして最後にタマがギターでみんなに合わせる


「ギターとクソバカ金髪ヤロー!タァァマァァ!俺らがインブルだっ!んじゃ、2曲目いっくぜー!『J.K.Nicol』!」



メンバー紹介を終え2曲目を演奏する。



『J.K.Nicol』


この曲はニコルと言う名の外国人の女子高生の歌。

文化の違いや偏見や差別に苦しむニコルがブチ切れて、偏見や差別を無くすそうとする、ちょっとメルヘンチックでプリティーな歌なのだ


1曲目の『ignition』のような激しいロック系では無く、ポップな感じで歌詞に含まれるダークな部分をごまかしている。この曲も全英歌詞

ポップな感じなので、いわゆる跳ね曲でもある。


2曲目も結構盛り上がった。


「イエーイ!!いやー!みんな、ノリ良いからすげぇ楽しい!!」


俺は水で口の中を潤し、喋る。


「俺ら4人は日本のラブソングとかメッセージソングが大嫌いです!甘ったるくてキレイ事ばっかり言ってテメーの腹の肥やしにする。詐欺師みてーだよな?」


俺の問いかけに観客の何人かが頷いてくれた。




「そんな詐欺師連中に捧げます!2曲続けて調子ノッて逝くぜ!!喰らえ!詐欺師共!『POWER BOMB』」


『POWER BOMB』


愛だの恋だの平和だの口先ばかりで何もアクションを起こさないJ-POPアーティストの皆さんへの宣戦布告の様な曲


綺麗事を口にする以上、行動が伴わないとただの嘘っぱちだ

出来ねーなら最初っから口にすんじゃねー!!


激しさとメロディアスな部分を持ち、中盤のミスターのラップがミソでもあるこの曲


ミスターのラップのところは日本語、その他は英歌詞だ



「逝くぜ!!バァァカァァ!」


『皆殺しのメロディー』


言わずと知れたthe blueheatsの名曲

本能剥き出しの様な歌詞に俺らなりのアレンジを加える



観客も歌詞にある『バカ』の部分にノッてくれる



タマもミスターもかっつんも俺もかなり熱くなってるし、楽しくてしょうがない


観客の方もノッてくれてるし、奈緒や玲奈達も楽しんでくれてるみたいだ



「あー!あっちぃー!!寂しいけど次の曲で最後です!ガッチリ盛り上がってくだしゃい!『struggle』」


『イエーイ!!!』


タマのギターイントロから始まるこの曲


『struggle』


ポップでキャッチーな曲にふざけた歌詞

俺ららしいバカっぽさと不真面目な感じを全面に出した曲



モッシュやダイブ、ステージに勝手に上がる観客、跳ねながら演奏する俺達



体温とテンションが最高潮に達した時に曲が終わる

あっという間の時間

このステージをまだ続けたかった



「「「「ありがとーごさぁーっしたぁっ!!」」」」


名残惜しさと熱気を残して、4人は挨拶をしてステージを去る。






「はー…きっつぅ…」


俺はタオルを目の上にかけ椅子にもたれかかる。

マジ疲れた!喉イテェし…



「たーしーかーにー!でも、最高だったな!」


タマはスプライトを飲みながら言う。


「またやりてぇな!鉄人、曲の方頼むなー!」


ミスターはタバコを吸いながら言う。

ちったぁ休ませろ!ばーか!


「初めてにしちゃあ、相当盛り上がったんじゃね?」


かっつんも椅子に座りながら言う。


「あのー、インブルの皆さん?アンコールかかってますけど、どーしますか?」


「「「「アンコールだぁ!?」」」」



マジかよ!?アンコールっつても、時間も曲もねぇよ!

とりあえず、次のバンドの人達に許可とらんと!



「すんません。アンコールかかったんで行ってきてもいいっすか?」

控え室と会場の通路にスタンバっていたバンドに許可を取る


「当たり前だろ!こんな状況で俺らが出て行ったら興ざめだろ!行ってきてくれ」


「「「「あざっす!!」」」」


全員で次のバンドの人達にお礼を言い、再びステージに向かう。



俺らが出て行くと歓声が起こる。


ありがたい。素直にそう思えた!この歓声に応えれるのか…



「っしゃあ!!アンコール、あざっす!!」


メンバーの名前を呼ぶ声や『ブチかませー!!』とか歓声が聞こえる


「残念ながらオリジナル曲はネタ切れです!つーわけで、俺らが大好きなバンドの曲やります!知ってたらノッてください!!マキシマムザホルモンで『F』」


「ポアダ、ポアダ、ポアダ、ポア!!」


『ポアダ、ポアダ、ポアダ、ポア!!』


ご存知の方も多いだろう。そう!この曲はフ○ーザ様を歌った曲だ

歌詞もメロディーラインも難しい曲ではあるが、メンバー全員で分担しながら歌う。



演奏する俺らもノッてくれる観客もサイコーだろ?

stand outのゆーたさんや拓哉さんもステージに上がって一緒に歌う。

なんだかんだでめちゃくちゃだな!楽しいから良いけど…



こうして俺らのライブは終わった。

やっぱライブはサイコー!!

フィクションでーす!J-POPシンガーの皆さん、頑張ってくださーい(゜Д゜)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ