Cadillac
俺だってさ〜、よーく考えたんすよ。でもさ、ダセェんだもん。 この小説のタイトル
夏休みに入ってから1週間。
明日はいよいよライブ本番!
っつーことで、俺ん家でミーティングの予定です。
「明日かぁ〜。ぶっちゃけ相当緊張すんね。」
タマはタバコを吸いながら言う。全然、緊張してるように見えないがね。
「俺…何か腹痛くなってきた…」
ミスターもタバコをふかしながら言う。
ミスターはホントに緊張してるのか顔が少し青白い。
「ミスター、ホントに胃腸弱ぇーよな。そんなで明日、大丈夫かよ? お!それ、ポンね。」
かっつんは苦笑いで言う。
「前田さん…ロンです…」
…
……
………
まー。色々ツッコミたい事はたくさんあるよ。
「オメェらよー!人の妹巻き込んで麻雀やってんじゃねーよ!」
バイトから帰って来た俺は、とりあえず全員の頭を叩く。
今日は昼からミーティングの予定だったが、俺が雅樹さんに呼び出しをくらい、結局そのまま働かされて現在夜の11時。
「ッテェ〜!アクマが急にバイト入れっから悪いんだろぉ!?」
「そーだ!そーだ!」
メンバーからのバッシング。
ぐぬぅ…!言い返せねー。
「んん… あ…お兄ちゃん…おかえりなさい。ご飯、食べる?」
ソファーで寝ていた奈緒が体を起こし、目をこすりながら俺に問いかける。
「自分でやっからいいよ。つーか、コイツら何時から来てるの?」
「んーと、7時くらいかな?一緒に麻雀してたの。」
7時て…
つーか、女子中学生が麻雀するのは感心しねぇなぁ。
コイツらはコイツらで麻雀再開させてるし…
「勝ったか?」
「モチ!!」
奈緒は親指をグッと立て笑顔で答える。
見た感じだと里緒も結構勝ってるみたいだし
つーか、女子中学生に負けんなよ…情けねー!
「とりあえず、その半荘終わったらミーティングすっからな!それと、里緒!搾り取れるだけ搾りとりなさい。勝負の後は骨も残すな。」
「まかせて。全員、生きて返さない……!ツモ!!」
「「「な…なにィー!!」」」
あーぁ!里緒の奴、スイッチ入っちゃったよ。
女子中学生に良いようにあしらわれてるバカ3人。
滑稽だな。
つーか里緒、アカギにハマりすぎ…
俺は4人の麻雀を眺めながら、自分の晩飯を作る。
めんどくせーからチャーハンでいいや。
出来上がったチャーハンとビールを持ち奈緒の横に座る。
「うぇぇい。よっこいしょういち。イヤー!仕事後のビールは最高だねー!」
ビールをゴキュゴキュと飲む俺を見ながら、奈緒は呆れ顔をしている。
「お兄ちゃん、オヤジ臭いよ…」
ガビーン!オヤジ臭いはショックだぜ‥
まだまだピチピチの16歳よ?俺。
つーか、明日本番なのに麻雀やってて大丈夫なんだべか?
「お兄ちゃんでも、やっぱり緊張する?」
奈緒はニヤニヤしながら、俺の顔を覗き込む。
「ぬ?失礼な!そんな事ないわぃ!」
俺は少しムッとしながらタバコをくわえる。
緊張しないといったら嘘になるけど、楽しみのほうが強い感じがする。
「だー!!また負けたー!!奈緒も里緒も強すぎんだよ!!」
タマが床に大の字で倒れる。ハコったな。アイツ。
「タマ兄、大きい役狙い過ぎ…」
里緒が点棒を数えながら言う。
ずいぶん勝ったな。里緒の奴。
「うし!じゃあ、ミーティングやっかぁ?悪ぃけど奈緒と里緒、ちょっと4人だけにしてくんねーか?」
里緒の頭を撫でながら言う。
「「はーい」」
奈緒と里緒は各自室に戻って行った。
「負けた…中学生に……」
ミスターとかっつんはガックリと肩を落としている。
ま。気持ちはわからんでもないが…
「そんな落ち込むなって!!つーか、いくら負けたんだよ?」
「8000円…」
ブハッ!!8000円!?ありえねー!!
大笑いでミスターとかっつんの肩を叩く!
あ。ちょっと涙目になってる。
「くそー!鉄人!俺にもビールくれっ!!」
「「俺も!!」」
全員にビールを渡し、ミーティングを始める。
「明日って何組ぐらいバンド出るのかねぇ?」
タマがあたりめをかじりながら言う。
「確か7組くらいだったよーな。俺らみたいな白帯バンドはいねーってよ。」
「結構、人気のあるバンドばっかりだってさ。客は相当入るんじゃない?」
ミスターとかっつんはタバコに火を着けながら言う。
「へぇ。まぁそっちの方が好都合だな。多分、俺らの演奏に期待してる奴はいねーから、インパクト与えてやろうぜ!」
ニヤリと笑う俺に全員が頷く。
マキシマムザホルモンの曲にある、白帯バンドが人気のある黒帯バンドを喰らう。
俺らがやろうとしているのは『ロック番狂わせ』だ。
「ケケケ!なんか楽しみだねぇ!!アクマ、緊張して歌ハズすなよ!」
「バーロォ!オメェこそ変なアドリブ入れてミスすんじゃねぇぞ!!」
俺とタマは笑いながらビールを飲み干す。
「可愛い娘、たくさん来るかなー?」
かっつんはニヤニヤしながら柿ピーをつまむ。
ハーレムでも作る気なのかぃ?
「あー。マジで緊張してきた…」
ミスターは頭を掻きながらソワソワしている。
照れ屋だかんな。ミスターは。
「ま、そんな緊張すんなよ!ミスター!とりあえず楽しもうぜ!!」
俺は冷蔵庫から新しい缶ビールを出し、ミスターに手渡す。
「そー!そー!今日は飲もうや!」
手に持っていた缶ビールで乾杯をする。
〜2時間後〜
「俺だってなぁ〜可愛い娘とイチャイチャしてーんだよぉ〜!!」
「「「ブァッハッハッ!」」」
結構な量の酒を飲み、全員がいい感じに酔っ払ってます。
ちなみに今はミスターの周りになぜ女が寄らんのか?って話。
「こんなちんちくりんの赤っ髪ナルシー君に寄ってくるっつーのによー!」
かっつんを指さしながらビールをグビッと飲むミスター。
「そりゃオメーがモジャモジャのバカだからだろーよ!」
かっつんは少しムッとしながら反論する。
「わかるぞ!ミスター!!かっつんとかアクマにばっかし、女が寄って俺達にチャンスが来ねーのは不公平だ!!」
「おぉ!!玉山さん、あーたなら分かってくれると思ってましたよ!!」
ミスターとタマはガシッと握手をし、俺とかっつんを睨む。
「ばーか!俺のどこに女が寄ってんだよ!俺もそっち側の人間だよぅ!!」
手に持っていたピーナッツをタマにぶつける。
3人は唖然とした顔で俺を見る。
「んだよ?」
いきなり3人は俺を床に倒し足蹴にする。
「贅沢なんだよっ!おめーは!」
「あんな可愛い娘達に好かれてるクセにー!!」
「大体、この腐れ外道のどこがいいんだよっ!!」
痛てて!痛ぇっつーの!!
「痛ぇな!!このバカ共!!」
3人の足をどけ、立ち上がる。ったく、なんで蹴られなきゃいけないんだよ!
「もー!!うるさーい!!」
げっ!奈緒!!
「何時だと思ってるの!?お酒飲むは構わないけど、もう少し静かにしてよね!」
「「「すぃさぁーせん…」」」
女子中学生に怒られ小さくなる男子高校生。
バカ丸出しです…
不甲斐ない。
「私、寝るからね!おやすみ!」
「「「「おやすみなさい…」」」」
奈緒にお説教され、4人は若干ブルーになってます。
「ね、寝ますか…?」
「「「そっすね…」」」
俺とかっつんは床で寝て、割と酔っ払っていたタマとミスターはソファーに寝ることになった。
寝てる最中にかっつんが寝言を言い、ミスターのイビキがうるさく、タマがソファーから俺の上に落ちてきた。
おかげで寝不足だよっ!バカたれどもが!!
なに!?『Punk in the soup!』って!!ネーミングセンス抜群に無いわ!作者、頭バカでしょ!死ねばいいのに!! ちゅーわけで、近日中にタイトル変えますから!!さらにダサイ感じにしますから! 乞うご期待!!