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Until the day I die.

寒いよー°・(ノД`)・°・

奈緒と里緒の三者面談から二週間後

俺は夏のぎらつく日差しの中、めずらしく授業をうけてる。

っつても、机に突っ伏してるんだけどね。


つーか、暑くて寝れないのね。


机、ヒンヤリだぜー。



「鉄人君、明後日から期末テストだけど大丈夫なの?」


玲奈が小声で話しかけてくる。


「まぁ無理だよね。全然、勉強してないしね。暑いしね。キンキンに冷えたビールが飲みたいしね。」


「いや…勉強しなよ… ダブっちゃうよ?」



玲奈が、コイツ何言ってんの?みたいな目で見てくる。


「昔の偉い人は言いました。勉強とは生き方を学ぶ事だ。byホセ・メンドーサ」


「それ、あしたのジョーに出てくるチャンピオンでしょ。そんな事、言ってないよね。」


あら。つれないわね。

普通にツッコミされちゃったよ。

俺と玲奈が話していると、ミスターが教室に入ってきた。

社長出勤だね。もう11時過ぎだよ。


「角田、ずいぶん遅い登校だな?」


「先生、ばあちゃんが死んだんだ…」


ミスターは切なそうな顔で教師に言う。


「お前のばあちゃんが死んだのは今回で4回目だぞ。少しは言い訳の内容を考えろよ。」


ミスターは

「しまった!」って顔をしてる。

確かに毎回同じ言い訳してるからな。


「俺よりバカな奴はいるから大丈夫なのだ。」


俺はミスターを指差す。


「はぁ… タマちゃんも前田君もまだ来てないし、鉄人君たちだけだよ?そんなに余裕なの。」


玲奈は溜め息をつきながら言う。


「つーか、まだ一年生の前半だよ?そんなに切羽詰まって勉強しなくてもいーだろ。」


やっと、授業終わったよ。

伸びをしながら玲奈に言う。

なんか腑に落ちない顔してるけど、留年せずに卒業出来りゃー良いんだわ。




授業も終わり昼休み。

ミスターと2人で屋上でタバコをふかす。



「ミスター、テスト近いけど勉強してんの?」


「まったく… やんなきゃマズいんだろうけどなぁ…」


「だよなー…」


2人でタバコの煙を吐きながら、遠くを見ている。



「そーいやぁよー、8月にドロップって言うライブハウス主催のフェスやるみてーだけど、俺らも出てみねぇ?」


「ん〜。もっと実力つけてから出てぇよな。あんまり、みんなで練習出来てないからな〜」


俺らのバンドはなかなか4人合わせて練習する場所がない。


「確かに。勝利ん家の道場使わせてもらえねーかなぁ?」


「無理だろぉ。とりあえず、教室戻るべ」




「あー!佐久間君!!ちょっと!!」


教室に戻る廊下で声をかけられた。



「あへ?明日香先生。なしたんすか?」


明日香先生が走って近づいて来た。

ん〜。今日も美人ね。

つか、先生が廊下を走ってどーすんの?



「ふぅ。ねぇ、佐久間君達、軽音楽部作ってみない?」


明日香先生は暑そうに手に持っていた出席簿を団扇変わりにして扇ぎながら言う。

俺の周りにいる人達はいつも唐突なのよ。



「マジっすか!?」


いきなりデケー声だすなよ。ミスター。



「うん。吹奏楽部が3年生が引退したら人数が足りなくてね… 人数も集まりそうにないし、良かったらどうかな?って思って」


明日香先生は少し悲しそうな顔で言う。



「やろうぜ!鉄人!!」


まぁ、俺らにしたら願ったり叶ったりだけど…



「しかーし、条件がある!!」


この酒やけしたような、しゃがれた声は…!!



「なんで金城先生が出てくんだよ…」


どこで話を聞いてたのか、金城は廊下の端から猛ダッシュで近づいてくる。



「アックスボンバァァー」

往年のハルクホーガンを彷彿させるかの様なアックスボンバーを俺に向けて放つ。



「甘いわッ!!」



「あっ!きゃぁ!?」


俺は金城の放ったアックスボンバーをかがんでかわし、背後から腹に手を回す。


「先生ぇ。このままジャーマンスープレックスかけていい?」


俺はニヤリと笑いながら金城の耳元で囁く。



「え?あ?ちょ、ちょ、ちょっとー!!」


「アハハ!冗談すよ!美人にジャーマンなんてするわけねーっしょ。んで、条件て?」



俺は手を離し、金城に言う。

あらら。顔、真っ赤にしてトリップしちゃってるよ。


「早苗、佐久間君が聞いてるよ?」


「学校で抱きつくなんて、ダメだよ…。でも、嫌じゃないかも…」



あー。なんかブツブツ言っちゃってるよ。

ったく…



「デーコーピーン ホアタァッ!!」


「イッタァァ!佐久間!なにすんだぁー!」


金城が涙目で額をさすりながら言う。



「なんかエロい顔してブツブツ言ってたからさ。」


「え、エロい顔なんかしてない!!そんなことより、軽音楽部を作る条件のことだけど、明後日のテストでお前たち4人が5教科、合計の点数が300点以上なら認めるって条件だ。」


300点かー。微妙だな…

つか、俺だけならまだしも他3人もだろ?

ミスターなんか、デスノートに書かれた夜神 月みたいな顔してるし。



「その条件飲みましょ。戦わずして勝ちはないからね。」


まぁ、なんとかなるだろ的な感じで言っちゃったけど。


「お、おい!鉄人!せめて200点くらいじゃないと無理じゃねーか!?しかも、明後日だぞ!!ぜっってぇ無理!!」


ミスターは焦りながら言う。

バカモノ!!ドイツの軍人はうろたえるんじゃあない!!


「大丈夫。大丈夫。なんだかイケそうな気がするーっ!!あると思います!!」


俺は天津木村のマネをしてニッと笑う。



「言うじゃないか。佐久間。それでこそ、私の生徒だ!」



「あんがと。やるからには勝つのよん。んじゃ、失礼しま。」


俺は軽く頭を下げ教室に戻る。


「おぃ!鉄人!!待てよ!ホントに大丈夫なんだろうな?」


「大丈夫だよ。のび太君。俺が何の策も無しに、あんなことを言うと?」


俺はニヤリと笑いミスターに言う。



教室に入るとタマとかっつんが机に向かって勉強していた。


「おい!アクマ!!金城がよ!」


タマが俺らを見つけるとすげぇー勢いで走ってきた。

お前、メガネ君突き飛ばしてんじゃねーよ。かわいそーに。


「あー。聞いたよ。まぁなんとかなんだろ。楽勝、楽勝。」


「バカヤロ!お前、5教科で60点ずつ取らなきゃなんねーんだぞ!!」


うるさいやっちゃな。勉強してなさいよ。



「大丈夫だって。俺に任せなさい!!」







「つーわけで、出木杉君。俺らに勉強教えてくれ!つか、ペンの握り方から教えてくれ。」


「誰が出木杉君よ。しょうがないわね。とりあえず、テストに出そうなところを放課後までにまとめといてあげるから。」



さすが美鈴だぜ!頭良いし、優しいし、かわいいし、言うことないねー。



「悪いな。美鈴。助かるよ。」


俺は微笑みながら言う。


「あんた達がやる気だすの珍しいからね。それに、あのバンドのカッコいいところみたいしね!」


美鈴も微笑みながら言う。



「鉄人君、私たちも協力するよ?」


「するよー!!」



玲奈とカオルも手伝ってくれるらしい。ありがたいねー。



これでなんとかなるんじゃねーか!?


あとは俺らの脳みそしだいってか?

ハッキリ言って、タマとミスターが不安だな…


あの2人、麻雀の点数計算も出来ないしな…

あなたは誰かの為に死ねますか? ぼかぁ、無理だね。そんだけ!!

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