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PARANOID

「つーわけで、俺らのバンド名は何にする?的なミーティングを始めます。」


タマが珍しく真剣な表情で言う。

君、真剣な顔すると頭良さそうに見えるね。


つーか、なんで俺ん家でミーティングすんだよ!?

勝手に決めやがって!!家主に相談しろっつーの!!



「鉄人さん、私達お邪魔しちゃって大丈夫なんですか?」


紗希ちゃんが心配そうに訊ねる。

つーか、もう家ん中入ってるじゃん。



「あ〜。OK。OK。無問題。」


ちなみに俺らのバンドのメンバーの他に紗希ちゃん、玲奈、カオル、美鈴も一緒だ。

みんな、ヒマなのね〜?



「鉄人くんの部屋って意外とキレイなんだね。」


玲奈がキョロキョロしながら言う。

意外って何だ。コノヤロー。



つーか、俺の部屋に8人はキツいぜ。



「リビング行こうぜ。狭いわ。」



みんなをリビングに連れて行き飲み物を出す。



「奈緒と里緒はまだ帰ってないの?」


「みたいだな。アイツらも今年卒業だからな。最後の部活に気合い入れてんだろ。会いたかったか?」


「うん。高校入ってから全然会ってなかったし。」


中学の時、美鈴は奈緒と里緒と同じ弓道部だった為、よく2人の面倒を見てくれてたし、2人も美鈴にはなついてる。



「まぁ、そのうち帰ってくるべよ。それより、バンド名決めよーぜ。ミスター何か案ねぇか?」


「俺かよ!?」



お前だよ!!

ミスターは

「う〜ん。」と言いながら考えている。

ミスターとタマの考えてる姿は違和感があるな。


「てっちゃんは、何かある?」


え!?俺!?まったく考えてないよ。



「まったく。でも、何か気取った感じのは嫌だな。なんか脱力した感じな名前にしたい。」


「「なんじゃそりゃ!?」」



かっつんとタマが2人して言う。

なんじゃそりゃってかぃ!?



「私が決めてあげるよー!んとねー… カルビライフ!!」



だ、ダセェー!!

カオル、センスねぇわ!!なんだよ!カルビライフって!!



「「「ダセェ…」」」


他の3人もあ然としてる。



「えー!!良いと思ったのにー。」


カオルはブーブー文句言っている。



「ま、まぁカルビライフは置いといて、脱力した感じっつーのが俺ららしいよね。」


かっつんが苦笑いをしながら言う。



「んじゃよ、Warlboro(ワルボロ)っつーのは?」


ミスターが言う。

ん〜、何かちげーな。



「キープだな。タマは何かねぇか?」



「ん〜ん。なんもない。むしろWarlboro(ワルボロ)でいいと思う。」



お前、真剣な顔してたくせに何も考えてねぇのかよ!?



「ミスターデビルズボールビクトリーっつーのは?」


かっつんがタバコをくわえながら言う。



「良いけど長くね?」


「んじゃ、てっちゃん考えてよ。」


かっつんは少しムッとしながら言う。



「そーだなぁ…」


俺はリビングに置いてあるダーツ盤にダーツを投げる。



「Inbullだ。」


見事に俺の投げたダーツの矢はインブルをとらえた。



「いーじゃん!!」


「なんかアクマらしーわ。」


「鉄人がいいならいいんじゃね?」


3人が言う。

つーか、バンド名を言ったつもりじゃなかったんだけど…


ま、いーかぁ。



「んじゃ、インブルに決定ってことで。」



「「「うぃーっ!!」」」



とりあえず成り行きでバンド名が決まった。


つか、君らのその

「うぃーっ!!」って奴は何なの?



「たっだいまー!」


お。帰ってきたな。



「「「お邪魔してまーす。」」」

「「おかえりー。」」

「てっちゃんの妹って超かわいいじゃん!!」

「……お邪魔してます…。」



一番上が紗希ちゃん、玲奈、カオルで、タマと美鈴は2人とは面識があるから軽い感じ。

かっつんは女を見るとまず品定めだな。

ミスターは顔を赤くしてボソッと言う。

ミスター、声ちっちゃ!!


「おー。お帰り。みんな、俺の学校の友達だから。その赤髪のイケメンがかっつん、モジャモジャ頭がミスター、おっぱいデカくて可愛い顔してるのが玲奈、んでさらにおっぱいデカいのが紗希ちゃん、んでちっちゃいのがカオルだから。」


「鉄人さんのエッチ!!」

「鉄人くん…可愛いだなんて…」

「ちっちゃいって言うなー!!」


かっつんは爽やかに挨拶をして、ミスターは顔を真っ赤にしてる。


紗希ちゃんは怒っちゃった。

カオルはポコポコと俺を叩いてくる。


だって、紗希ちゃんとカオルは事実じゃんか。


玲奈は何かトリップしてる。可愛いって言われなれてんだろーよ。




「佐久間 奈緒です。よろしくお願いします!」


「佐久間 里緒です…。」


はい。良く出来ました。

里緒は人見知りだから緊張してんのかな。声ちっちぇーよ。


「奈緒、里緒、久しぶり!」


「よー。元気だったか?」



タマと美鈴は2人に声をかける。



「タマ兄、すず姉、久しぶり!」


「ご無沙汰です。」



奈緒と里緒が2人に会うのは中学の卒業式以来だ。

タマは2人のことになると俺よりも熱くなるんだよなー。

何でだべ?



「つーか、腹減ったな。なんか作るけどお前ら飯食ってくか?」


「「「食うぞー!!」」」


オメーらに聞いてねぇんだよ!!男三人!!

オメーらが食ってくのなんて最初っから分かってんだよ!!


「紗希ちゃん、どうしよっか?」


玲奈が紗希ちゃんに訊ねる。


「鉄人さんが迷惑しないなら、ご馳走になりたいな。」


上目使いで紗希ちゃんが俺に聞いてくる。

男にOKさせるコツをおさえてるねー。



「別に迷惑はしねーよ?まぁ大したもんはご馳走できないけど。」


「すずちゃんはー?私はご馳走になるー!!」


「そうね。私もご馳走になろうかな。奈緒と里緒とも話しもしたいし。」



結局、全員食うっつーことね。

大人数だなぁ。なに作るべ。



「鉄人さん、何か手伝いますか?」


「そーだな。人数多いし手伝ってもらおうかな。」


「はい!!」


紗希ちゃんは笑顔で返事してくれた。

ん〜可愛いね。

紗希ちゃんとキッチンに向かう。


「んじゃ、その辺の野菜切っちゃって〜。」


「はい!鉄人さんが何か意外ですね。」


紗希ちゃんは野菜を切りながら言う。

なかなか手際が良いね。



「ブアッハハ!!鉄人が料理してるー!!似合わねー!!」


「マジ!?妹さん達が作ってくれるんじゃないの?つーか、マジ似合わねー!!チョーウケる!!」


ミスターとかっつんが爆笑しながら写メを取ってやがる。

なに笑ってんだ!コノヤロー!!



「「うおぃっ!!」」


「悪ぃ。手ぇ滑った。」



俺は二人に手元にあったフォークを投げた。

ちっ。外したか。



「「あぶねって!!なにすんだよ!?」」



「え?なんのこと?私、わからなーず。」


「「オイ!!」」


しぇからしか奴らばい。死ねばいいのに。

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