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One fine day

かなりグダグダな感じになっちゃった。    だって僕、頭悪いもーん。

「ちゃーす。先生、音楽室貸してくださーぃ。」


俺達は田丸のいる音楽準備室の扉を開ける。



「さ、佐久間!? お前、なんでここに来るんだよ!?」


扉を開けると金城がコーヒーを飲んでいた。


つか、そりゃ俺のセリフじゃ!



「あら、来たわね。悪ガキ達。ちょっと待ってね〜。今、行くから。」


田丸が何やらプリントを整理しながらい言う。



「お前ら、明日香に何か用事でもあったのか?」


金城が音楽準備室から出てきて俺達に問いかける。


「音楽室借りる約束してたんすよ。 つーか、先生さぁ、朝とテンションに差があるよね?なんで?」


この際なので疑問に思ってたことを聞いてみる。



「早苗はカッコいい男に弱いのよ♪ クラスにカッコいい男が4人もいたら緊張しちゃうのよね〜♪」


田丸は少し笑いながら音楽準備室から出てきた。


「バ、バカ!!余計な事言うな!!」


金城は顔を赤くしながら言う。


つか、緊張してるんだ。

へ〜。


俺達はにやけながら金城を見つめる。


「先生って、意外とカワイイとこあんだね。」


かっつんは金城に笑顔で言う。


金城は顔を真っ赤にして俯いている。



「こらこら。先生をからかわないの! さ、早く行きましょ?」



いや、アンタが話しをふってきたんでしょ?


俺らは腑に落ちない顔をして田丸の後ろをついて行く。


つか、なんで金城も来るんだ?




音楽室に着き、俺達は各自の楽器の調整を始める。


「んで、なに弾くよ?」


各自、チューニングを終え、タマがみんなに問いかける。



「とりあえず、みんな弾きやすい曲っつーことでHawaiian6とかは?」ミスターが言う。


「いいね〜。んじゃflowerやろうぜ!」


「そだね。てっちゃん、歌大丈夫?」


タマが答え、かっつんが俺に問いかける。


「まぁ大丈夫だべ。そいじゃ、やりますかー!?」



「「「うぃー!!」」」



ちょうど玲奈達も来たみてーだな。


ビミョーに緊張すんぜ。



かっつんがスティックでリズムをとり、曲をスタートさせる。


イントロ部分では目立ったズレはなく上手く合わさった。


そして歌が入る。



「All the year around…」


「「!!!!!!」」



あり?曲止まったぞ。


俺のせいか!?



「どした?もしかして、俺、音ハズしてた?」



「鉄人、お前…」

「てっちゃん、やべーよ…」



え?何?そんなひどかった!?


冷や汗タラタラで玲奈達の方を見る。

全員、あ然としてるし!!


「てっちゃんの声、格好良すぎ!!」

「俺、鳥肌たったぜ!」

「鉄人さん、スゴい…」

「鉄人くん、カッコいい…」

「てつくん、歌手みたい。」

「佐久間……」

「佐久間君って、何者?」



「ちょ!ちょっと待って!!何!?何なの!?」


えー!なにこの空気ー!!

俺、普通に歌っただけなんだけど…



「てっちゃん、ヤバいよ!ベースもいいけど、その声!!最強の武器になるよ!!」


え?武器?闘うの?誰と?

俺、そーとーテンパってるよ!!



「勝利、アタマからやり直そうぜ!!鉄人、頼むぞ!!」


「え?お、おう!」


最初からやり直しでいいんだね?


んじゃ、気を取り直して。



先ほどと同様に曲が始まる。

つーか、タマもミスターもかっつんも上手いな。



***



若干のズレはあったけど曲自体はすんなりと終わることが出来た。


けっこうテンション上がるなー!!


「ヤバくね?これヤバくね!?」


タマが興奮した感じに言う。


「あぁ!!すげぇ興奮した!!」


ミスターが同様にいう。


「初めての音合わせにしたら上出来すぎだよ!」


かっつんも珍しく熱くなってる。



「ふぅ…ノドが渇きまくるナリ。」


確かにイケてたけど、弾きながら歌うのムズイ。

馴れたらイケるんだろうけど…


「てっちゃん、もう3、4曲合わせてみようよ!!」


かっつんが急かすように言う。


ちょっと、休憩さして…


「鉄人、私の飲みかけの紅茶で良ければあるけど…」


美鈴が頬を少し赤らめながら言う。


「おお!マジか!?ちょっとくんねーか?」


「はい!全部飲んでもいいよ!」



美鈴が手に持ってた紅茶をもらう。

コイツ、笑うとすっげーカワイイな。



「んで、3、4曲やるのはいいけど何やるん?」


俺は紅茶を飲みながら訊ねる。



「NFGとオフスプはやりてぇな〜。」


タマは俺から紅茶を奪い言う。


「それもいいね〜。俺はNICOTINEやりたい。」


かっつんがスティックをクルクル回しながら言う。


「鉄人、俺がベース弾くから一曲だけボーカルに専念してみてくんねーか?」



ミスターが俺に問いかけてくる。


「かまわねーけど、一曲だけな。なんか手持ちぶさたで落ち着かねーから。」


俺はタマから紅茶を奪い返し言う。


つか、ミスターってベースも弾けるんだ。


「んじゃ、My friends over you と Want you bad と Black flyでいい?」


「OK。OK。」


喉も潤ったし、やりますかー。




一通り、曲を弾き終わった。


やっぱり、ちょっとテンポの早い曲だと弾きながら歌うとけっこうズレるな。



「んじゃ、最後にFeeling this やろうぜ。鉄人、ベース貸してくれ。」


ミスターがギターを片付けながら言う。



「あいよ。タマ、コーラス頼むわ〜。」


ミスターにベースを渡し、マイクスタンドを少し前に出す。


blink-182のFeeling thisはスピード感があり、歌詞がメチャメチャカッコいい曲だ。

ナイスチョイスだぜ!ミスター!!



ベースを弾いてないぶん歌に集中できる。


この曲。今の俺の気持ちを表してるかのようだ。

言葉じゃあ言えないけど『これを感じてる。』

そんな気持ちだ。



***


「はぁ…はぁ…。」


曲が終わる。すげぇ疲れた。でも、チョー気持ちいい!



「お楽しみのところ悪いけど、そろそろ時間よ。ところで、君たちのバンド名は何て言うの?」


あ。バンド名、決めてねぇや…

金を使う前に頭を使え。俺!!

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