No news is Good news.
月曜日の朝8時。
遅刻すると明日香先生に音楽室を貸してもらえなくなりそーなので、美鈴にモーニングコールをしてもらい、タマと美鈴と3人で登校している。
「あ〜。重てぇ〜。そして、眠てぇ〜。」
タマは肩に背負ってるギターケースを持ち直しながら言う。
「確かしっ!ガチで眠ぃー!んがぁーっ。」
俺はベースが入ってるハードケースを置き、伸びをしながら言う。
「久しぶりねー。こうやって3人で登校するの。」
美鈴が嬉しそうに言う。
そーいやぁ、そーだな。
中学の頃は一緒に登校することも多かったなぁ。
最近、遅刻多いからな。
「龍三さんに言われてたからなぁ。」
タマが懐かしそうに言う。
龍三さんっていうのは、俺らの3つ年上の先輩で、スゲェ格好良くて優しい人。俺とタマの憧れの先輩だ。
龍三さんは今、専門学校に通ってバイクの整備士の資格を取るため勉強中だ。
「そーだな。まぁ、たまにこうやって3人で来るのも悪くねーな。」
「そーよ!これから毎日、一緒に登校するわよ!!」
毎日かよ!?毎日、早起きしてたら目がちっちゃくなっちゃうよー。
「うげぇ!アクマ、余計な事言うなよ!!」
「うおぃ!!俺のせいかよ!?」
「あー!!うるさーい!!早く学校行くよ!」
俺達は学校に向かって歩きだす。
「おはよー。てっちゃん、タマちゃん。」
「おす。」
教室に入るとかっつんとミスターが話しかけてきた。
「ういっちゅ!ミスター、調子どーよ?」
俺はミスターに聞く。
「あぁ… この世の終わりを見てきたよ。まさか、上と下ダブルで来るとは思わなんだ。」
マジかー!?ちょっとやつれてるもんな。
「今日、大丈夫なんか?」
タマは心配そうに言う。
「無問題よ!つか、大丈夫じゃなかったら早起きしてねーさ。」
そりゃそーだ。早く放課後になんねーかな。
「みんな!おはよー!!」
ミスターとタマとかっつんと話しをしていたら、金城が教室に来た。
やっぱテンション高ぇー!
タマとミスターは唖然としている。
「佐久間、玉山、角田の他に来てない人いるー?」
やっぱ、遅刻確定なのね。
「「「いるっつーの!」」」
3人同時に言う。同時とは気が合うねぇ。
「うわぁぁー!!なんで、お前らがいるんだー!?」
叫ぶことかよ!
「「「いちゃダメかー!!」」」
3人同時にツッコミをいれる。気が合うねぇ。
これが俗に言うジェットストリームアタックって奴だ。
「ダメじゃないけど、来ると思ってないからさ…ちゃんと化粧してないもん。」
あ。ちょっと拗ねてる。
つか化粧くらいしてこいよ。
「「別にどーでもいいー!」」
やべっ!出遅れた!
何かタマとミスターが睨んでるよ!!
「とりあえず、入学式以来初めて全員出席ってことで授業頑張ってください。連絡事項は特にないんで。それじゃ!」
入学式以来って……
金城はそう言うと出席簿で顔を隠すように出ていった。
今日は早退しないのね。
「鉄人くん。今日、放課後楽しみにしてるね。それと、紗季ちゃんも見に行きたいって言ってたけどいい?」
朝のホームルームが終わると玲奈が話しかけてきた。
今日も可愛いねー。
「いーよー。 くぁ。早起きしたから眠い。」
「良かったー!紗季ちゃんにメールしとくね!!」
「んにゅ。ヤバい。狂おしいくらい眠い。おやすみ。」
俺は玲奈に適当に返事をすると眠りに落ちてしまった。
だって、早起きしたから眠いんだもん!!
結局、俺達4人は昼休みまでぶっ通しで寝てた。
かっつん以外は早起きなんかしねーからな。
かっつんは遅刻しないからね。
親父さんの道場の朝練に付き合わされてるから早起きなんだって。
授業中は寝てるけど。
飯を食い、4人で屋上に行きタバコを吸って、教室に戻る。
午後からはタマはヤンマガを読み、ミスターは携帯でぷよぷよをやり、かっつんはiPodで音楽を聴いてる。
さすがに午前中いっぱい寝てたら寝れんわな。
俺は玲奈の顔をジッと見つめてる。
「なに?そんなに見つめられると恥ずかしいんだけどな///」
「……。」
俺は無言でいきなりノートに絵を書き出す。
「出来た!」
ノートを玲奈に見せる。
「なんで!?みのさん!?なんで!?」
俺はノートにみのさんの絵を書いた。
「いや、みのさんがファイナルアンサーって問いかけてる気がして。」
「私、関係なくない!?なんで見つめてたの!?」
ツッコミ、激しいな。
なんで?って…
「なんとなく?」
「鉄人くんのバカーッ!!」
えー!なんで怒ってんのー?
みのさんの出来が悪かったかなぁ?
結構、傑作だったのに。
俺はみのさんの絵を教室の壁に張っといた。
なんで?って…
なんとなく。
本日最後の授業は我らが金城 早苗大先生の授業だ。
「チッ!起きてたか。」
教室入ってきていきなり舌打ちしやがったよ。明らか俺のほう見てしたよね!
「佐久間、その中途半端に上手い絵を8秒以内に外せ。さもないとズバッといくぞ。」
朝と差がありすぎなんだよ。
つか、なにをズバッといくの!?
俺はみのさんの絵をくしゃくしゃにし、ゴミ箱に捨てる。
さよなら。中途半端に上手い絵よ。
俺は真面目に金城の授業を受けた。
つか、朝より今の低いテンションの方があんたらしいよ…
「じゃ、授業終わります。このまま帰っていいから。」
「さーて、音楽室だ。」
俺は某バスケ部キャプテンのように低い声でベースを持つ。
「とりあえず、田丸のところ行こーぜ!」
かっつんが言う。
「じゃあ、私たち紗季ちゃんと一緒に行くから〜!」
玲奈がカオルと美鈴を連れて紗季ちゃんのクラスに向かい、俺らは田丸のところへ向かう。
久しぶりにサボらないで授業受けたな〜。
この話いらなくねぇー!?