Kill the king.
頑張れ地球!頑張れ地球!僕は限界だー!
「あ〜。食った。食った。」
ラーメンを食い終わり、ラーメン屋の向かいの公園でかっつんと食後の一服をしている。
けっこう美味かったな。このラーメン屋。
今度、奈緒と里緒も食わせてやろうっと。
「このあとどーする?戻る?」
かっつんがタバコを地面でもみ消しながら言う。
「ん〜微妙だなー。もうちょいゆっくりしてから戻るべ。」
今は12時ちょっと過ぎくらい。
学校に戻るにはちょっと早い時間だな。
「てっちゃんさ、なんか趣味とか熱くなってる事とかってある?」
だから、君の話しは唐突なのよ。
「なんだよ?急に。」
「いや、なんか俺らって学校行っても寝てるか、麻雀してるか、サボってるかじゃん?勉強とか部活なんてガラじゃねーし、なんかないかなーって思って。」
なんかって何だよ?
ん〜。俺の趣味ねぇ…
「確かに、俺らってなんか冷めてるよなぁ。クラスの奴ら見てても、なんか感じるものがちげーし。」
「そーなんだよね。毎日、楽しくない訳じゃないんだけど充実感つーのが無いんだよね。」
あー。その気持ち分かるわー。
「ん〜。熱くなってることっちゅーか、趣味程度でベースとかダーツとかバイク乗ったりとかはしてるけどね。」
「え!?てっちゃん、ベース弾けんの!?マジで!?」
おぉ。いきなりデカい声だすなよ。
びっくりすんじゃん。
「まぁ、それなりには。タマと中学の時に音楽やるかーって話しになって、それ以来、毎日練習してるけど。」
「マジでー!?俺もドラム、小学校の頃からやっててさ、ミスターと音楽やりてーって話ししてたんだよ!」
マジか!?
かっつん、ドラマーかよ!?
「ミスターは何できんの?」
「ギターだよ。タマちゃんは?」
「アイツもギターだわ!つか、かっつん!!」
「てっちゃん!!」
「「バンドやろーぜ!!」」
やべーじゃん!!バンド結成じゃん!!
俺とかっつんはガシッと固い握手をする。
「てっちゃん、なに系の音楽聴くの?」
「俺もタマも洋楽パンクだわ。かっつんは?」
「俺とミスターはメロコアかな。でも、パンクもかなり好き。」
お〜。聴く音楽も大体おんなじか。
こりゃ期待出来るんじゃねーか?
「一回、みんなで集まって合わせてみようぜ!!」
「いいねー!今日、金曜だから月曜日に楽器持ってきて学校で合わせようよ。」
面白くなってきたぜー!
「こーなったら、学校戻って音楽の田丸に月曜の放課後、音楽室貸して貰えるよう交渉しに行こうよ!」
「おー。その前にもう一本タバコ吸ってからだな!」
俺とかっつんはタバコを吸い学校に戻り、田丸の所へ向かった。
俺らの学校には軽音楽部が無いため、ドラムやアンプとかを借りるには田丸の許可がないといけない。
「あら?めずらしいね。佐久間君と前田君が私のところに来るなんて。私の授業には出てくれないのに。」
この人が音楽担当の田丸 明日香先生。
背中の中間程くらいまで伸びた長いストレートの茶髪と、優しい雰囲気が滲み出てる顔立ちから男女共に人気のある教師。
かなり美人で教師仲間でもファンが多いらしい。
年齢は25歳で金城とは同級生だ。
「先生。お願いあるんすけど。月曜の放課後、音楽室とドラム貸してもらえないっすか?」
俺が田丸に交渉する。
「貸してあげてもいいけど、条件付きよ?」
え〜。そんなこと言わずにスッと貸してぇなぁ。
「条件って何ですか?」
かっつんが笑顔で聞く。
かっつん、女の前だといつも笑顔ね。
だから、モテんのかなぁ?
「1つは、私の授業にちゃんとでること。
もう1つは、吹奏楽部の練習があるから1時間だけって事だよ。」
あら。意外と楽勝じゃん。
金城の同級生だから無茶言うかと思ったんだけど。
「わかりました。約束しましょ。」
「あ。佐久間君には、もう1つ。私のことを明日香と呼ぶこと。」
なにそれ?別にかまわんけどさ。
「オーケー。じゃあ、月曜の放課後また来ます。明日香さん。」
「うん!待ってるね!」
田丸は少し顔を赤らめ応えてくれた。
なぜ顔を赤らめる?
そして、なぜテンションが高い?
「やるねー!てっちゃん!!」
かっつんが俺の肩を叩きながら言う。
君は何をにやけておるのだ。
「まぁ何にせよ、貸して貰えてよかったよ。とりあえずタマとミスターに連絡しとこーぜ。」
かっつんと廊下で喋りながら教室へ戻る。
うまくセッションできるべか?
「てつくん、おかえりー!」
教室に入るとカオルが手を振りながら言う。
「めずらしいね。昼で抜けて戻ってくるの。」
「どーせ、いつもの気まぐれでしょ?」
玲奈と美鈴が言う。
「あ〜。田丸に会いに戻ってきただけ〜。」
席に戻りながら適当に返事をする。
「「「何で田丸先生に会いに行ったの!?」」」
うおっ!3人して睨むなよ!!
怖ぇえよ!!
「月曜、音楽室貸してくれって言いに行っただけだっつーの。デカい声だすなよ。」
「そうなんだー。良かった。」
玲奈が安堵したように言う。
「なんで音楽室借りるのー?」
「俺らバンドやるんだー!絶対、カッコいいバンドになるよ!!」
カオルの質問にかっつんが答える。
「鉄人、歌上手いもんね!」
美鈴が笑顔で言う。
君、俺の歌聴いたことあったっけ?
「そっかぁ?自分じゃわかんね。それに俺、ボーカルなの?」
俺はかっつんに聞く。
「てっちゃん、カッコいいしベースボーカルもありじゃない?」
弾きながら歌ったことねーから、自信ねーなぁー。
「とりあえず、4人揃ってから決めようぜ。」
俺は伸びをしながら言う。
「私たちも見学しに行っていい?」
玲奈が上目使いで聞いてくる。
断る理由がござぁーせん。
「別にかまわんよ。ヒマなら見にきなしゃい。」
「「「やったー!!」」」
そんな喜ぶことかいね?
とりあえず月曜が楽しみだぜ!
後に書くから後書き。 そんだけ!!