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ハルカ?⑤

お待たせいたしました。

思いつかないと更新されない作品『ハルカハル』でございます。

どうぞ、お楽しみ下さい!

朝日が部屋を貫く。眩しい。誰かがカーテンを開ける音で目が覚めた。

「おはようございます、遥香御嬢様。」

「ふぁぁ・・・。おはよ、めい。」

部屋のカーテンを開けていたのは、私の専属従者の一人である睦月めいだった。

年齢は恐らく私と一歳差ぐらいであろう。フリフリの従者服がよく似合っている。

なんとか挨拶は返せたが、ふかふかのベットが私を離してくれない。

「早く起きてください。お着替えは用意出来てますので、さぁお立ちになって下さい。」

「毎朝言ってるでしょ、自分で着替えるわ。服はベットの上にでも置いておいて。めいは朝食の準備。着替えたら一秒も待たずに食べれるようにね。」

「かしこまりました。と、言っても扉を開ければ既に朝食は用意されています。一秒でも早く朝食をお召し上がりになる為にお着替えのお手伝いを。」

しつこい。大きな掛け布団を体の上からどかして、やっとの事でふかふかのベットから脱出した私は、寝起きという事もありイライラしている。

「毎朝着替えを手伝いたい手伝いたいと・・・。なんだ、私の体が目当てか?」

「はい!遥香御嬢様!」

即答された。目をキラキラと輝かせて見つめてくる。そんな事をされたら、怒ろうにも怒れない。

「はぁ、まぁ良い。本当に朝食の準備が出来てるならば、この部屋にいることは許してあげよう。ただし。半径二十メートル圏内に近づかないように。そう、扉の横で私が着替え終わるまで待ってなさい。」

「かしこまりましたぁ。」

めいは少し残念そうな様子で、すぐに扉を開けられるように扉の横に立った。

ベットに置かれた服を手に取る。堅苦しくないドレスである。

こんなドレスは山ほど持っているが、一着で庶民が一ヶ月豪華に暮らせるほどの価値がある。

長い事着ているが、未だに慣れない。

そんな事を考えているうちに身だしなみは整った。

遥香が扉の方へと振り向くと同時に、手をかけて開ける準備をしていためいが扉を開けた。

先に広がる廊下には三人の白い服を着た男性たちが、料理を乗せた手押し車に手を掛け待機していた。

「遥香御嬢様、朝食の用意が出来ました。」

「うん、御苦労。」

遥香が部屋に置いてある大きな円卓に座ると、料理を持って来た男性の一人が遥香の前に食事と食器を出す。

綺麗に飾られた料理を見て嫌な気分になる人は少ないのであろう。

だからなのかここで出される料理は全て綺麗に盛り付けられている。

味はとても美味しいし、量に不満もない。

だが、慣れない。

「今日の予定は。」

一皿食べ終わったところで、傍に控えるめいに尋ねた。

「はい、午前に一件、午後に一件。面会のご予約が。」

先程とは違う男性が皿を下げて、遥香の前に料理を出す。

「分かったわ。どうせお父様に媚びを売りたいだけでしょう。話を聞くだけの仕事ね。」

「その通りでございます、遥香御嬢様。」

もう一皿も平らげる。最後の一人が皿を下げ、料理を出す。

「他の時間は自由時間なのかしら?」

最後の一品を食べながら呟く遥香に、めいが満面の笑みで答える。

「そんなわけ無いじゃないですか。目を通して頂きたい書類だけでも百を超えております。署名捺印をしなければならない書類も山ほど。休む暇はありませんよ。」

順調に進んでいた遥香の手が止まる。料理を出した男性の額に冷や汗が浮かぶ。

「・・・分かったわ。」

その後は黙々と料理を食べ続け、完食した。

「今日も美味しかったわ、ありがとう。」

緊張の面持ちで直立不動していた三人に優しく声をかける。

なぜか知らないが、ここでの食事は最後に感想を言わなければならない。

この時に文句を言ったり、要望を伝えるらしいが。

遥香は本音を一度たりとも言った事がない。

私は綺麗に飾り付けられた美味しい料理なんかより、どんなに不味くても良いから市場の固いパンが食べたいと。


 承知の通り、私は今、すごく平和な生活をしている。しかし、世界はそうではない。

十年前。ある事件をきっかけに世界が真っ二つに割れた。

帝国側と叛逆側。

両者の構成は、帝国側は帝国一国。対して、叛逆側はその他全ての国々。

そう。十年前、帝国に支配されていた国々が反旗を翻したのだ。

各国連合で作られた隊で帝国の皇帝宅を襲撃した。

それが今尚続く戦いの始まりであった。


今作は基本二話同時更新となっております故……

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