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ハル③

約三ヶ月ぶりかな?

思いつきで書き始めたんで、思いつかないと書けない欠点を抱えるこの作品。


今まで二話連続投稿でしたけど、どうしても思いつかない!!!


今回は単発!悪しからず。

初めて出会ったあの日から、ハルカとハルは毎日、初めて出会った場所で会うようになった。何をするかと言うと、地べたに座ってお互いの世界のことを話すだけ。退屈に思えるかもしれない。それでもハルはこの時間の為ならどんな試練だって乗り越えてみせる。そう思っていた。この気持ちが、以前までただただ死を待つだけだったハルの人生に一輪の花を咲かせた。大人の目をかいくぐって、市場からパンを盗む話や道端の草を食べて、その味に一喜一憂する話。ハルにとっては生まれてからずっと当たり前のようにやってきた事の話をハルカは真剣に、楽しそうに毎日聞いていてくれた。こんなに話をすることが楽しいなんて知らなかった。そもそも、ハルの生きてきた世界はハルが必要以上に喋る事を許していない。伸び伸びと自由に話せるのはハルカと一緒の時だけなのである。

話をするだけじゃなく、ハルカの話を聞くのも楽しかった。決して自分にはすることの出来ない生活の話で、憧れなどを持たないと言ってしまったら嘘になるけれど、まるで物語を聞いているかのように楽しんだ。

 ある日、ハルカがある事を提案してきた。

「ハル。私たち、今日一日入れ代わってみない?」

突然の提案にハルは動揺した。決してすることの出来ないと思っていた生活が返事の少し先に寝転がっている。手を伸ばせば届く。心は手を伸ばそうとした。しかし、先に口が動いた。

「わ…私とハルカさまが?無理です!私にはハルカさまのような気品ある立ち振る舞いは出来ません。」

言った事を後悔はしなかった。事実、ハルには屋敷の人間たちを欺くような立ち振る舞いは出来ない。ハルカは少し考えてから改善案を提示してきた。

「そうねぇ…。じゃあ服を交換しましょう。そして私は外の世界を見に行く。あなたはこの屋敷の中にいて、もし誰かに見つかったら何とか誤魔化して。今ここで寝ているからほっといてくれとか言って。それだけなら良いでしょう?」

ハルにはそれだけすら、見つかった時に誤魔化す自信すらなかった。普通なら意見を曲げず断るべきだ。私には出来ない、と。しかし、ハルには断れなかった。

「私はこの屋敷の中の世界しか知らない。あなたが話してくれる世界を私にも見せて…。」

ハルカの心からの願いをハルが断れるはずが無い。

「…分かった。気を付けてね。」

服を交換してハルの格好になったハルカは、ハルの使っている道を通って外へと向かった。

 ハルカがいない間、ハルは孤独と不安に苛まれていた。一人がこんなに寂しいなんて知らなかった。初めて見たときは華やかに見えた庭も、何だか暗く見える。怖い。寂しい。怖い。寒い。怖い。

「早く…早く帰ってきて、ハルカ。」

無意識に呟いたハルは色鮮かな庭に一人ポツンと座っていた。

 幸いハルが誰かに見つかる前に、何事もなくハルカは帰ってきた。

「ただいま。帰ったよ、ハル。」

姿を現したハルカにハルは飛びついて抱きしめた。

「良かった。ハルカさま…ハルカさま…。お帰りなさいませ。」

その目には涙が浮かんでいる。

「うん。ただいま、ハル。」

ハルカもハルを抱きしめた。ハルは何を感じていたのか、ハルカは何を見てきたのか。お互いに互いの事は分からなくとも、二人はしばらく何も言わずに抱きしめあっていた。

『ハルカ③』はしばらくお待ちください(土下座)

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