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ハルカ②

主人公①と主人公②のお話は連続して書かないとね。間を開けると何かとね、うん。


と、いうことでお楽しみ下さい!

あなたは私に質問されても何も答えず驚きの表情で私を見つめていた。答えを得られぬなら自分で考えるしかない。

仮説一つ。私とあなたが生き別れた姉妹説。仮説二つ。敵国のスパイで、私と入れ替わるために整形している説。仮説三つ。運命。

一つずつ考察していこう。

生き別れた姉妹説は一見有力だが、今回の場合考えにくい。何故なら、邪魔ものである私が捨てられていないのに、私の姉妹が捨てられるとは思えないから。

敵国のスパイ整形説。この可能性は非常に高い。技術的にも可能だし、合理的だ。

運命。これは無い。

やはり、一番可能性として高いのは敵国のスパイ整形説だろう。

「え……。」

一つの結論に辿り着くと、ようやく反応があった。

さぁ、検証だ。その無知を装う演技、剥いでやる。

「本当に私とあなたはそっくりよ。」

まず、スパイならば当然知っている、私とそっくりという事実を、仮に知らなかったとしても理解出来るように説明して、その際の反応や様子を観察することにした。簡単だ。鏡の前で二人並べば良い。庭園にある鏡台の前へとあなたの手を取って連れていく。

「御覧なさい。そっくりでしょう。」

鏡を見たあなたは呆然と立ち尽くした後、自分と鏡を比べるように見る。これが演技なら大したものだ。疑っていなければ完全に騙されている。

「ね。そっくりでしょう。」

あなたの頷き方は純粋としか言いようがない。笑みが自然と溢れてしまった。

「声もそっくりよ。あいうえお花が綺麗だよ。言って御覧なさい。」

「…あいうえお花が綺麗だよ?」

「えぇ。そっくり!」

考える前に言葉が出てしまった。とても演技しているようには見えない。もし仮に、あなたが敵国のスパイだったなら、私は完全に騙された。

「それで、あなたは本当に名前がないの?」

名前がないなんてあり得ない。それではなんと呼べば良いのか分からない。名無しの権兵衛とでも呼ばれているのか。

「ない。俺にはない。」

真面目な表情で、私と同じ顔の人に「俺にはない」なんて言われてしまったら笑ってしまう。しかし、相手は何も言ってこない。読心術は教わっているし、とても上手と自負している。でも、あなたの心は分からない。一体何を考えているのだろうか。

「それは不便ね。…じゃあ私が名前をつけてあげる。そうね…もう一人の私…ルカ、いや違う……ハル。あなたは今日から遥。分かった?それと、自分を指す時は"俺"じゃなくて"私"と言いなさい。女の子なんだから。」

「ハル?…わ・た・し?……ありがとう。」

「うむ。苦しゅうない。恩義を感じるなら、私と友達になりなさい。そして、これから毎日ここに、私に会いに来なさい。分かったわね。」


こうして私は、どこからやって来たのかすら分からない、遥という友達が出来た。

次回から展開していくと思うよぉ〜!たぶん…。

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