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ハル?⑤

二話連続投稿になります。

今組からタイトルの順番が逆?とお思いの方もいらっしゃるかも。

是非この話も読んで謎の解明を。

どうぞお楽しみに下さい!

 白い衣が好きだ。

混戦状態にある戦場では必ず真っ白の衣を着るようにしている。

それは何故か。目立ってしまい、損しかないように思われるのに何故か。

私は確かに白い衣が好きだ。

だが、それよりも好きなのが鮮血という名の染料で染められた赤黒い衣だ。

そんな好きな衣を作る為に戦場で真っ白な衣を着る。

目立つなんて事は考慮していない。雑魚に見つかったところで私が殺される事なんて有り得ない。

私は今、暗闇に寝転がっている。

光一筋すら入ってこない暗闇。突如、声が聞こえた。

Herハー、新たな仕事だ。」

少し離れたところから。そこも暗闇である。

「詳細を。」

声の主の方を向く事なく、転がったまま言葉を返す。

「ハーの大好きな仕事だ。紛争を一つ潰して来い。最優先第一重要課題は双方の最高指揮官の暗殺。他何人殺しても構わない。ただし偏りがないように。バランスを第二重要課題としろ。」

「承知。」

先程までの沈黙の暗闇に戻る。

そこに誰かが起き上がるような音がしたような、しなかったような。

「紛争潰し……。白い衣が必要だね。」

何も見えない暗闇に服を脱いだり、棚を開けたり、動き回る音がやや聞こえる。

「準備完了、行ってきます。」

最後に金属と金属が強くぶつかり合う音が響き渡る。その後、一切の気配が消えた。


ハーと呼ばれた者が姿を表したのは広々とした荒野が見渡せる高台。

かつてこの荒野が帝国に支配されていた頃は、それはそれは綺麗で見事な野原であった。

今や欠けらも感じられぬ美しさ。人間の所業は恐ろしい。

頭に巻いた白い布で口元を隠す。露出している目で遠くを眺める。

黒の鎧で身を包んだ集団が二つ見える。反対側は様々な色の鎧で身を包んだ集団が二つ。

まだまだ離れているが、ゆっくりとお互いの距離を詰めている。

いぬい。私の後に続け。黒をる。たつみは反対を。他待機。臨機応変忘れずに。」

「「「「「はっ。」」」」」

「「「「「「「承知。」」」」」」」

短い返事に頷く。

「行くぞっ。」


死ぬが先か、見つけるが先か。

気付いた時にはもう遅い。黒の鎧で身を包んだ集団が二つあったのにも関わらず、壊滅していた。

代わりにそこに立っていたのは鮮血の衣と黒装束の三人組だった。

三人の手に握られていた業物は、いくつもの鎧を切り裂いたのにも関わらず、刃こぼれしている様子はない。

反対側。

こちらはまだ戦闘中だった。しかし、勝敗は見えている。

そこに鮮血の閃光が一筋。

「遅い。」

刹那。鎧の集団、地に伏せにけり。

「作戦終了。これより帰還する。」


察していただけた通り、私は今、すごく血なまぐさい生活をしている。何故なら、世界がそうだから。

十年前。ある事件をきっかけに世界が真っ二つに割れた。

帝国側と叛逆側。

両者の構成は、帝国側は帝国一国。対して、叛逆側はその他全ての国々。

そう。十年前、帝国に支配されていた国々が反旗を翻したのだ。

各国連合で作られた部隊で帝国の皇帝宅を襲撃した。

それが今尚続く戦いの始まりであった。

その後、叛逆側のある一国が気づいた。このままでは帝国に勝てない、負けてしまう、と。

気付いた一国は両勢力に知られぬように、悟られぬように実力部隊を組織した。

その第三勢力勢力が組織した部隊は、何が由来なのか「十字」と名乗っている。

以来、十字は帝国側と叛逆側の戦いのバランスを取るように、どちらの味方にもつかず中立を保つようになった。


タイトル順の謎、分かりましたかね?

謎というほどのものでもありませんが、次回以降(いつになるかな?)どんどん進んで行くと思います。

お楽しみに!

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