59話
ん?ん?
あり?
なんだか……白い部屋にいますよ?
ここあどこ?わがしはだーれ?
うむ、こんな状況なら人生で一度はやっておきたいボケ完了
で、うさぎの家では無いよな?
ん?何やら音が聞こえるので、ちょっとそちらへ行ってみましょう
そろーり、そろーり
ありゃ?この声……まさか……白銀?
ここらへんなら気づかれないかなぁ
魔法で音を拾って……えっと?
「どういうことだよ、このクソショタ」
"どうもこうも君のループはもう終わり"
「は?ちょっと待て、話が違うじゃないか!!!
俺が、ハーレムルートになったら、このループから抜け出せるって話じゃなかったか?
今回、ハーレムの要素なんてひとつも無いぞ?」
"1年前のことだから、もう忘れちゃったのかなー?
それとも記憶を捻じ曲げたのかなー?
ゲームのルートから外れたら、強くてNewGameがなくなる……だよ?
その一例がハーレムとかだけれど、そちらだけ残っちゃったのかなー
まぁ、なんにせよ今周は全ルートから外れました
これにて、君のループは終わりです
お疲れ様でしたー"
「ふざけるなよ、『オー』……
"神にそんな魔法使っても意味無いのにねー
まぁさよーなら"
あら?白銀の声が消えた
"いらっしゃい、いらっしゃい"
キョロキョロ……誰もいないから、私か?
"そうそう"
なんで、私の心が聞こえるんだろ?
"神ですからー"
なーんだ、そっかー
それじゃお邪魔しますー
…………………………ん?
"どうかしましたか?"
1つだけ、先ずは……
何故か妹に見えるんですが、本当に神様なんでしょうか?
白銀曰く、ショタだそうですが……
"あー、君にはそう見えるのですね?
なんてことはなく、神は実体を持ちません
彼の神様のイメージがショタだったため、ショタだったに過ぎず、君にとっては神は妹さんなのでしょう?"
本当に?別人?姿が同じなだけ
"はい、そうですよー
お疑いでしたら、そうですねー……っと、これでどうですか?"
あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!
俺の妹が薄さんになった!!!
何を言っているかわかんねーと思うが……
と思ったら、今度は師匠になった
ホントに何を言っているかわかんねーと思うが……
そして、衣川君になった
…………変身魔法?
"そんなチャチなものでは断じて無いです
君にある、姉妹、兄弟のイメージを反映させてみたのですけれど……
これでも信じないんですか?"
まぁよくわからないけれど、神様で姿こそ見せてはいるけれど、あくまでもその人の深層意識を写しているだけ
本物ではないということでいいんですね?
そして、神様は姉でもあるし、妹でもあるし、兄でもあるし、弟でもある……と
"最後のは……何か…………
…………まぁ納得してもらえたのならいいや"
それで、俺は何故此処に?
後、帰れますか?俺、明日デートの約束しているんで
"褒美を上げようかと"
???褒美って……何かしましたっけ???
"あのつまらない白銀プレイ日記に彩を与えてくれた褒美"
????よくわかりません????
"まず、あの世界は【魔法学園 ドキ×キラ×ラブ】の世界
これはいいね?"
あ、それについて質問です
隣国の元悪役令嬢曰く、『ガールズドキドキめめめめめ』
元勇者曰く、『天変☆狂花』
これらの世界だったって言っているんだけれど、そこのところどうなんですか?
"うーんと、そこから説明か
えっとね、まぁ神って基本暇だったりするわけなんですよ?"
NEET!NEET!!NEET!!!NEET!!!!
"お黙り"
口に×マークが貼られた
喋れない……むごーむごー
しかし、心の声で言わせて貰おう
NEET!!!!!NEEx……
"禁句指定"
xxxx!!!???
xxxxは褒め言葉なのにー
"で、暇だから地上の様子を見てたりするの
そうすると、恋愛ゲーの衰退期に入っている所で、ある商品がHitを飛ばしているわけ
ってことは、これは相当面白いものに違いないってことになり、この世界を作ったの
まぁ神ですから、ちょちょいのちょいと"
ほー、つまり《LRC》のゲームが人気だったからその世界を作った……と、ふむふむ
"それで、その世界観に近いゲームとかで色々売れているものも一緒にぶち込んでみました"
貧困な脳の私にはよくわかりませんが、こんな感じかな?
ゲームをいくつか錬金釜にいれて、ねるねるぐるこんぐるこんして、できたーって言って出来上がった世界みたいなものかな?
でも発売時期とか全部違っていたような……?
"神に時間は関係あるとでも?"
ほー、つまりあの世界には古今東西どんなゲームも入っているってことですな?
"で、対象となった恋愛ゲームを愛しすぎる変人をあの世界に招待しているの"
ふむ、それがあの白銀だったり、元勇者だったり、元悪役令嬢だったりするのか
ん?はい、神様
俺は別のあのゲーム愛していなかったよ?
友人のプレイをちょっと見ていただけだよ?
"モブを愛しすぎる変人"
あー、そっかー、そっちかー
つまり、俺は古今東西で最強のモブ愛しすぎる変人ってことかー
うはー、やっほーぃ
なら、しょうがないなー
"いいんだ?"
そういうことならしょうがないわー
"それで、白銀の1周目を見ていたんだけれど、面白くないんだわー
なんていうか、手堅い、つまらない
ゲームと全く同じルートしか辿らない"
ほい、質問です
神様プレイしたのですか?
"世界を作った時点で、全シナリオがわかります
神ですから"
へー
"そんでもって、とてもつまらないので、君を投入してみました
こー、1周目のときにテロリストにやられたモブに君の魂を投入
そして、白銀の2周目が入ったんだけれどね、君のおかげで滑稽だったよ"
????俺、ほとんどあいつとかかわっていなかったと思うんですけれど????
あいつに何かしたっけ???
"白銀にはほとんど関わらなかったけれど……フラグクラッシュをバンバンやってくれたよー
ほんとバッキバキにクラッシュしてくれちゃってたねー
いやー、本来ならね?
警察につっこんだコミュ障さん、あれによって、モブ系キャラに怪我人、死人がでてるはずだったんだよ?
それによって、赤城プライベートポリスと警察との連携があり、赤城が一緒に混じって訓練をする
ただし、君の師匠が強くて勝てない
そこに、偶々通りかかった白銀が赤城と一緒に修行をして、勝利して2人で意気投合
そこから直ぐに恋愛感情に入り、……ってな感じでルートが続くはずだったんだけれど……"
あー、何事もなく終わっちゃったな
"そうそう
なんで、彼は新聞とか見なかったのかなー?
ちゃんと、ゲームでは赤城がそこにいた背景とか語られているのに……
新聞見なかったために、イベントが発生しない理由に気づいていなかったんだよ
赤城が警察にいないのに、ぐるぐるぐるぐる警察の周りを見回って……
そして、不審者扱いにされそうになったり……いやぁ滑稽滑稽
しかも、しかもだよ?
黒姫、緑里、青海に関しても全てフラグクラッシュ
もうこちらとしては見ていてお腹が痛いのなんのって"
………………おー、あいむ、べりぃふらぐくらっしゃー
"で、極めつけはラスト
彼、今周はクソゲーって見切りつけて、バッドエンドに入ろうとしていたんだよ?
ところがどうだい?
結果のごらんの有様だよ!!!"
バッドエンドってなんですか?
彼の結末なんて、何も知らないんですけれど……
"あぁ、うん
簡単に言えば、君が薄と結ばれていちゃいちゃしていた頃なんだけれどね?
その頃に、白銀がテロを企てる人物、舘林に情報を提供していたんだわ
そこに丁度現れたのが、君の師匠
そして、大捕物が始まり、……ふっ……白銀が逮捕されたってわけ
あらやだ、今思い出しても笑える"
俺、師匠に対しては……メール転送の設定をしただけですよ?
"その転送設定がなかったら、あの後バッドエンドいっていたんだよねー
君の師匠が、ふとももと胸から真っ先に駆けつけれなかったら、実はまんまと逃げられていたんだよねー
舘林による、モンスターのばら撒きを行われて、園内がパニクって、そちらの対応に追われてってな感じで
だからまぁ君のおかげでバッドエンドが回避できたってこと"
????よくわかっていませんが、まぁそっちもクラッシュしちゃったんですね??
"クラッシュしちゃったんですよ
でまぁ君が色々とやらかしちゃったので、今では291柱の神が君のことを気になって見守っているの"
ありがたやーありがたやー
"ってことで、楽しませてもらった褒美
とりあえず欲しいものを言ってみて"
……特にないかなー
"えーーー?
チート能力でも何でもいいんだよ?"
それ貰うとモブじゃなくなるじゃん
神様言ってたじゃないですか、俺は古今東西において一番のモブ好き変態だって
今は薄さんに愛されているので、特に何も欲しいものはないかなー
"永遠の愛とかでもいいんよ?"
変わらないのはそれはそれでいいかもしれない……
安心は手に入るけれど、あるのは停滞であり、面白く無いよ?
先程、面白く無いからって、俺を投入した神様はどこのどいつだー
"えぇと……それじゃ、元の世界に戻りたいとかでも……"
薄さんとデートがあるのです
今更、元の世界に戻れますかい
"知識とか持ってのループも……
ハーレムも狙えるよ?
妹とか?黒姫とか?青海とか?まぁ他にも狙えないことは……"
ぇ?妹??
ちょっと気になるんですけれど……いやいやいや、デートとだっつーの
大体モブがハーレムしてどうする?
俺にそんな甲斐性も器用さもねぇわい
神懸って、2股まで行くかもしれないけれど、『ちょっとどういうこと』って修羅場になって、ぐさっってやられて、うわーになるに決まっているじゃないですか
そんなにわたわたする俺が見たいか?
"あぁうん、やっぱりダメかー"
こちとら、古今東西においてモブを愛する変態ですよ?
そんな甘言に乗るわけありませんーー
"それでも色々とこちらの予測を覆していたので、うまくいかないかなと思っていたが……
今回は普通に予測通りに辞退かーー"
予測???
"うん、予測だと、君は薄と一緒になることはなく、元の世界に戻ることになっていたんだよねー
そして、君の言うところの元悪役令嬢
彼女を元の世界で救い出し、ロリコンとして後ろ指を差されながらも幸せに暮らすというのが見えていたんだが……
それを見るのも楽しみだったなー……"
………………そっかー、残念でしたねー
"残念ーーー
しかし、そうすると褒美をどうしましょう?
何もしないというのも沽券に関わりますし……"
それじゃ、風邪を治してくれませんか?
治りかけではなく、完全に治して憂いをなくしてデートしたいので…………
"本当にそれでいいの?"
OK
"軽いなぁ
んじゃ、ほい
これで風邪の心配はなくなったよ"
治ったのかよくわからないけれど、ありがとうございます
"それだけじゃ、面白くないので、ちょっとした情報を……
明日のデートは、薄が風邪を引いて看病イベントになるよ
その最中に薄に君のお宝画像コレクションが流出してお亡くなりになることになるのでご注意を"
……………………えぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!?????
"Good bye"
ちょ、ま、くわ……あぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁ!!!!!
ブックマーク者は見守る神様です
ありがとうございます
作者「本来なら、悪役令嬢との元の世界に戻っての……が一番最初の構想だったんだが……
どうしてこうなった
いやまぁ計画なく、好きに書いていったら、もうお姉ちゃん先輩√しか辿れないだろJK
お姉ちゃん先輩が便利すぎて頼りすぎていったせいだよホント
しかし、そうなると次のEpilogueは白紙なんだぜ?
……なるよーになーれ
うん、アイディアの神様が降りてくるよ……多分
きっと何とかなる、がはは」




