表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブキャラライフ  作者: リエッタ
本編
61/77

54話

あけましておめでとうございますm(_ _)m

 「貴方が犯人です」

 

 ……いや、言い直さなくても一応わかるからいいよ?

 ……そんなに顔を赤くしなくても……

 

 「煩い」

 

 ……さよけ

 それで私は何の犯人なんでしょうか?

 

 「貴方が、緑を誑かしたのはわかっている」

 

 みどり?あぁ、緑里さんのことですね?

 しかし、誑かすとはまた剣呑な……

 本人から『有閑長者クラブ』のモブに誑かされたとでも言われたのですか?

 

 「緑からは聞いていない

 でも、状況証拠が物語っている

 黒から貴方の存在を知ったその日から、緑がチャットにこなくなった

 私の唯一の親友の緑を返して」

 

 黒?

 

 「黒姫」

 

 あぁ、でチャット?

 

 「雑談」

 

 いや、まぁ意味は知っていますけれど

 よくわからないけれど、貴方と緑里さんはいつもチャットをしていたんだけれど、急にこなくなったと

 

 「正確には黒と赤と金も一緒」

 

 赤は赤城さんで、金は金野さんですね?

 ……そこに茶包さんがいないのは何故ですか?

 

 「元々、茶を打倒するためのチャット

 故に茶はいない」

 

 打倒?

 これまた穏やかじゃないですね?

 

 「……茶、私たちと2年しか違わないのに、強さが異常

 運動能力、赤並み

 頭脳、私並み

 性格のよさ、緑並み

 3年前、非公式で茶対私たち5人でやりあったけれど、私たちの完全敗北

 しかも全力じゃなさそう

 こちらの面子を気にしてか、後半は手を抜いてた

 緑を速攻で落としてからは、かわしてばかり

 そして、金、赤、黒、私と順に落とされた

 向こうからの攻撃はこっちに怪我をしない程度の攻撃ばかり

 正直、あれほど悔しかったのは初めて」

 

 へー、流石お姉ちゃん先輩だわ

 

 「正直言って、世間では私たちの世代を黄金世代とか言われているけれど……

 茶1人に勝てない……

 勝てる部分といえば、金のあの胸と資産ぐらい

 ……しかも勝ってた資産も今、モンスターとの商売によって、一気に詰められた

 何あのチートに豪運

 ふざけているの?

 赤と黒もあの時一緒にいたのなら、どうして止めれなかったの?」

 

 あ、なんだかすいません

 お姉ちゃん先輩ん家とモンスターの渡りを付けたのが私なのですが、まぁこれはいえないね、うん

 心の中だけで謝っておこう

 資産って、茶包家が一番低かったの?

 

 「前までは……

 今はわからない

 赤はスポーツ系及び、警備系

 私のところは、主に闇以外の全般的な魔法の研究

 緑は製薬

 黒は闇系統の魔法の研究

 金は鍛冶の他、商売全般

 茶は土木系等だったが、当主交代によって近年、国からの予算が減らされた

 また、いい仕事をするが故に、何十年も壊れず、結果仕事がだんだん減っていったの

 それが、モンスターとの友好が結ばれたことによって、一気に情勢が変わった

 ダンジョンの整備、さらにはモンスターとの取引も一手に引き受けて……

 他にも影響は恐らくありそう」

 

 ほー

 例えば?

 

 「スタンピード対策費用の減少

 あのダンジョンはほとんど誰も行かれていない

 それで、国で数年に一度、間引き的な観点で年に一回、赤の家が中心になってダンジョンに潜る

 今回、友好が結ばれたことによって、恐らくこれが行われない

 これ等の予算がどうなるか…………」

 

 へー

 

 「……って、茶のことは置いといて、緑のことよ

 貴方、緑に何をしたの?」

 

 …………何って?

 自信が余り無い感じだったので、自信を持ってってアドバイスをしただけですが……

 

 「何でそのアドバイスをしたら、チャットにこなくなったのよ?」

 

 その……何言ってんの?この人って、目で訴えかけるの止めてもらえませんかね?

 地味にダメージが来ますので……

 ……と、それでチャットにこなくなった理由ですよね?

 まぁ自身の可愛さの自信をつけるために、イケメンを紹介したのですよ

 ほら?イケメンから可愛いって言われると、説得力あるでしょ?

 

 「すると緑は毎日デートしているってこと?」

 

 デートって言うより……

 まぁ、でも隔日でしか会えないはずなんですけれどねぇ

 

 「じゃあ何で?

 会えない日はチャットに来ない?」

 

 そこは本人に聞いてみるしかないんじゃないですか?

 流石にそこまでは私もわかりませんよ?

 

 「でも、緑、家にいない」

 

 ……何言っているんですか?

 部屋の外にいたじゃないですか?

 

 「……ぇ??

 ……確かに緑の髪だったけれど……

 ……ぇ?

 ………………あの、膝枕されてた、あれが?

 ……ぇ?」

 

 あれですよ?

 おや?

 唯一の親友のことを覚えていないのですか?

 

 「……で、でも、緑、あんなサイドポニーにしていなかった

 眼鏡も……」

 

 自分に自信をつけるために髪型を変更しているんでしょ?

 眼鏡もコンタクトにしただけでしょ?

 

 「学園では……」

 

 学園でイメチェンした姿で行ったら、皆に心配かけると思って、いつもどおりの姿じゃないんですかね?

 

 「私……親友なのに………………

 変化に気づかないなんて…………」

 

 い、いや、そんなにガチで凹まなくても

 恐らくだけれど、彼女もパッと見、自分だとわからないようにイメチェンしているのもあると思うよ?

 髪の色を若干淡くしてみたりもしているし、それに眼鏡外して、髪型まで変えられたらそりゃわかりにくいよ?

 私も似たようなことをして、他の人を欺いたりしているし

 

 「女装?」

 

 …………のーこめんとで

 ……ってか誰だよ、ちくしょう……知っててかつ言いそうな人間といえば、あいつか

 ……くそぅ、なんて酷いヤツなんだ

 ……人の飯の種を言いふらすなんて

 

 「え……いや、その……なんかゴメン

 黒が……」

 

 やっぱりあいつか

 まぁ私の中で、あれの信頼ががくんと下がっただけなのでお気遣いなく

 

 「…………」

 

 で、話を元に戻しますが、寧ろ緑里さんにとっては、貴方たちに気づかれないように細心の注意を払っていたと思います

 なので、貴方が気づかなかったのも仕方が無いかと思いますよ?

 変装するっていうことはそういうことです

 周りに気づかれたくない

 では、逆にお伺いしますが、彼女、普段は変わりましたか?

 

 「いや…………チャットに出ないぐらい

 学園はいつもどおり

 他はわからないけれど……」

 

 であるならば、大丈夫ですよ

 此処にいる間は他の誰にも知られたく無い状態で、ちょっと楽しみたい

 なので、出来れば貴方も知らない振りをしてあげていただければ、彼女のためにもなると思うのですが……

 

 「……でも、」

 

 まぁ貴方が納得がいかないのでしたら、話し合うことも吝かではないのですが、その場合は何も保証できませんよ?

 

 「ぇ?」

 

 前に一度話を伺ったんですが、自信にコンプレックスを色々と持っていらっしゃる様子でした

 そのコンプレックスから来るストレスは恐らく相当なものかと…………

 なので、こちらでコンプレックスの解消、及びストレスの発散という形でケアをなさっているのですが

 貴方が話し合うことで、こちらにいるのがばれたと思い、今後こちらにこれないようになった場合は……

 

 「場合は?」

 

 許容ができなくなり、どこかでブチギレかまぁ別のところで発散か

 ……別のところで発散するとき、まぁ正常な所でしたら問題が無いのですが、碌でも無いところに引っかかったら目も当てられないことに……

 あ、一応ここは健全ですよ?

 

 「…………」

 

 後それとこちらを見てもらってもいいですか?

 差し出したのは1枚の写真

 

 「……緑とホストたちと、この女性は?」

 

 隣の国の令嬢ですよ?

 まぁ先週で隣国に戻られましたが、このように緑里さんとてもいい笑顔でしょ?

 こちらでしたら、色んな交友関係を得ることが出来ますよ?

 

 「でも……」

 

 でしたら、こんなのはどうでしょう?

 貴方から私への依頼が、緑里さんをチャットに呼び戻して欲しいということにするのはいかがでしょうか?

 貴方が彼女を心配して相談しに来たってことを言えば、恐らくですが彼女は戻りますよ?

 

 「そう……かしら?」

 

 彼女がとても優しい方なのは親友の貴方が一番ご存知なのでは?

 

 「そう……そうね、親友

 それじゃ、お願い」

 

 その依頼、承りました 

 

 よし、適当にいなしたぞ

 俺の犯人疑惑も解消

 一息つこう、ココアだ

 青海にも何か飲むか聞いてみると、ブラックコーヒーときた

 わぉ、見た目に似合わず、そんなの飲むのね

 

 「それにしても、顔に似合わず、口うまい」

 

 顔に似合わずって……

 まぁ1ヶ月ほどこういうことやっていたら、アドリブ力はそこそこになるよ

 

 「1ヶ月で?

 そういえば、貴方が紹介した2人が結婚するらしいよ?」

 

 へー

 

 「へー……って」

 

 招待状貰ってもいませんし、貰われても行くつもりもありませんし

 まぁおめでとうございますぐらいしか言いようが無いんですよねぇ

 

 「行かないの?」

 

 えぇ

 基本、此処で扱っているお客様ってまぁお金持ちやらなにやらの人が多いじゃないですか?

 そんな人たちの結婚式となると…………まぁとても面倒そう

 

 「ご飯食べて、適当に相槌」

 

 それは貴方みたいな貴族だから出来ることですよ?

 私みたいな超平凡な庶民が実施したら、怒られますよ?

 さらに、なんでこんな庶民が出ている?とかになりますし

 せっかくの門出なのですから、私みたいな人はいない方がいいんですよ?

 

 「そういうもの?」

 

 そういうものです

 

 「……報われない人生ね」

 

 失敬な、時給2500円と報われまくりの人生ですよ?

 

 「…………」

 

 何故黙る?

 まさかお金持ちは時給2500円の凄さを知らないのか?

 4時間働いたら、諭吉さんが来るんだぞ?

 

 「…………」

 

 その心底同情の目、止めよう

 止めろ、止めるんだ

 ええぃ、話を変えようぞ

 緑里さん以外で他に何か困ったこととかありませんか?

 一応まだ、時間はあるから、困ったこととかあるなら、話ぐらいなら聞くよ?

 

 「話だけ?

 解決は?」

 

 解決までは保障が出来ませんよ?

 まぁでも大抵の人は話をする時点で、問題の整理等が行われるから、勝手に解決しちゃうんですよ

 

 「それは私に対する挑戦?」

 

 お好きにとってください

 

 「緑以外となると私の研究

 4属性合成魔法を作りたい」

 

 4属性?

 

 「そう

 水、光、後なんか適当な2属性での合成」

 

 それ以外だと火、闇、風、土だけど…無理じゃないかな?

 火と闇は、水と光と相反するからアウト

 残りの風と土だけど、風と土も相反するからアウト

 無理じゃん?

 

 「……だけど、研究結果で4属性以上での合成結果がある」

 

 ……嘘じゃない?

 研究費せしめるための嘘

 

 「…………そんな……」

 

 4属性以上ねぇ

 4属性は無理っぽいし、5属性も……無理っぽいなぁ

 6属性は言わずもが……あり?

 

 「どうしたの?」

 

 んっとね、ちょっと見解を聞いてみたいんだけれど

 並び順を例えば、光、水、風、闇、火、土として、こう、土と光を併せて円にしたら出来ると思う?

 

 「やったことは無いからなんともいえないけれど、多分ドーナツ状で合成が成功すると思う」

 

 ふぅむ、ならこれでやったのかね?その研究結果

 しかし、気になる

 

 「何が?」

 

 4属性以上とかって言い方じゃなくて6属性って言えばいいのにね

 そういわないってことは、恐らく……

 

 「恐らく?」

 

 しょぼいかやばいかのどちらかかなぁ

 他の人にばれたくないといったらそのどっちかだろうなぁ

 あ、でもやばいってなると「出来ませんでした~、てへっ☆」ってやればいいからなぁ

 

 「てへっ☆って、きっもっっ!!」

 

 ……そしたら、しょぼいほうになるのかなぁ

 

 「見事にスルーね」

 

 とりあえず、実験する場合は出来る限り気をつけてやってね

 ヤバイ可能性も否定は出来ないから

 

 「でも、私6属性も使えない」

 

 部下とか、友達とか、そこらへんにいない?

 貴方ほどの方になると、大抵の人は喜んで手伝ってくれるんじゃないかな?

 

 「部下はいない

 ……友達は……あっ」

 

 お?心当たりがいるのね

 それじゃその方に協力してもらえれば、6属性できるんじゃないかな?

 Good Luck

 

 「ありがとう

 あ、それとこのことは内緒で……

 うまくいったら、貴方の名前も」

 

 内緒はいいけど、名前出すのは勘弁してください

 ホスト名でもわかるようにひっそりと生きたいのですよ

 諭吉さん1枚で大喜びするような小さい人間がそんな表舞台へ出たら死んでしまいます

 

 「……さっきのこと恨んでる?

 まぁ、ならうまく言ったら何か上げる

 ホストへの貢物なら問題ない?」

 

 それでしたら、大歓迎です

 

 「わかった、それじゃ」

 

 そう言って、去っていった青海

 ふぅ、ばれずに済んだよね?

 流石に、黒姫……中の人まで言ってないよな?

 言ってたらまぁ学園で話しかけられるか?

 とりあえず逃げ切ったーー

 ひゃっほ~~~

 しっかし、心当たりって恐らく白銀だよね?

 あいつ複数属性授業に出ているはずだし……

 ってことは俺は青海と白銀のキューピッド?

 金野と仲がよさそうだから、血で血を洗うとかそんな変なこと無いよね?

 まぁいいや

 ハーレムは修羅場を呼ぶが、俺には関係ないと思うし

 

 

 

 

 

 

 次の日……………………朝方の運動を行おうと外に出ると、ポストに手紙があった

 

 

前話から2ヶ月が経っている……

忙しいわけではなかったのに……

時間が経つの早すぎない?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ