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モブキャラライフ  作者: リエッタ
本編
54/77

48話

 ねんがんの まっとり(焼き鳥) & 薔薇ソフトクリーム がてにはいらなかった

 ……売り切れってどういうこと?

 ホンのちょっとの間に売り切れって……

 しくしく

 かわりにゆっとり(焼き鳥) と ユリ牛乳を買いましたが……

 しかし、今更なんだけれど、焼き鳥と牛乳って合うか?

 後、ゆっとりって何だろ?

 気にはなりますが、先ずは紫乃さんのお話を聞くために、彼女の家に移動中です

 

 うん、こんな高そうな車のなかで焼き鳥のタレとか牛乳とかこぼしたら……ガクガクブルブル

 ……うむ、一家離散エンドがありそうだよぅぅぅ

 …………ほんと、よくサンドイッチ食べてたな私

 ってことではい、おとなしく乗っています

 食べるのは紫乃さんのお話を聞いている最中にでもしましょう

 

 移動時間ものの10分で豪邸が現れました

 私、指を指し目で訴えかける

 紫乃さん、頷く

 おぉぅ、でけぇ

 お姉ちゃん先輩の家より遥かにでかいんですけれど……

 いやいやいや、ちょっと?庶民には?かなり?お家にお邪魔するのには?勇気が?

 あ、ちょっとまって、せめて心の準備を……門を開けて入らないでぇぇぇ

 お願いしてみたけれど、ダメでした

 正門と思われる場所から車で突っ込まれましたとも、はい

 メイドさんから案内されているんですけれど…………うん、おっかなびっくりです

 絵画やらツボなどの装飾品が道すがらに一杯あります

 もう、1個いくらとか考えると恐ろしくて恐ろしくて…………

 メイドさんの後ろについていくだけです

 部屋に案内されたのですが…………広い

 下には立派な絨毯

 …………焼き鳥と牛乳はもう諦めました

 ザ・庶民おぶ庶民 モブにここで食事をすることは出来ません

 胃が痛くなります

 もうひたすら紫乃さんが来るまでじっとしています

 お腹はもう…………空腹を超越した状態になったので…………うん、まぁいいや

 

 

 15分後に現れた紫乃さん…………なぜにパジャマなのでしょうか?

 

 「可愛くない?」

 

 いや、うん、猫のパジャマ姿は可愛いと思いますよ?

 それにしても毛並みとか無駄に再現率が高くないですか?

 

 「んふふ~♪

 まぁあれですよ、やっと悪役令嬢から開放されたから……

 私としてもドレスとかより、こんなパジャマとか着たかったんですよ」

 

 そうです、その話をしに来たんでした

 それで、この世界がゲームの話ということについて、教えてもらえませんか?

 

 「ん~っとね……」

 

 紫乃さんの話をまとめると、

 紫乃さんは転生者

 この世界は『ガールズドキドキめめめめめ』

 略は『ガドメ』

 『めめめめめ』の部分は攻略対象者×5に『め』の文字が入っているから

 ふざけた名前だけど、紫乃の時代は皆はまっていた

 学校で派閥なんかも有った

 一番人気は王子(どうでもいい情報)

 紫乃さん的にはあの5人より、それに前作のキャラクター『仙波 恵(せんば めぐみ)』派

 紫乃さんは『ガドメ』で悪役令嬢役

 ヒロインが、あの5人の中から誰を選んでも死ぬ運命だった

 そのため、誰ルートが来てもいいように、小さいころから教養に仕事に精を出していた

 断罪が行われるはずだった場所も、雰囲気を変えるために商店街に外観を変えた

 ラキスケ神を信仰していたすけりょに関しても本当なら別の神様を信仰しているはずだったが、お金を使って信仰の神を変更させた

 その他諸々、商売も手広く広げて、自分がいてもおかしくない状況を作りだした

 そして、学園に入ってヒロインもいて、『ガドメ』のシナリオが始まってしまった

 ヒロインの行動を見る限り、逆ハーレム狙いと思われたんだけれど、紫乃さんが知る限り逆ハーレムルートは無かったはず

 そのため、最終シナリオがどうなるかはわからなかったが、お茶会のおかげで確実に無罪な状況が出来た

 ちなみに彼女は嫌がらせなんてしていない

 それでもシナリオ的に行われたので、恐らくだけど自演じゃないのかなと思われる

 

 「とまぁそんな感じで、私も晴れて無罪放免になったし、次はどうしようかなぁって感じかなぁ」

 

 なんというかまぁ……

 ……凄い改革していますね

 でも、私いなくても良かったんじゃない?

 

 「まぁそうかもしれないけれど、そうでないかもしれない

 だから、平然と抉り込む口撃をしてくれる人を探していて、貴方がいたわけ

 貴方のおかげで無事、生きていられる

 ありがとうね」

 

 あ、どういたしまして

 ちなみに王子に未練とかは?

 

 「無い無い

 元々、王子派じゃないし

 まぁ子供のころからの知り合いではあるんだけれど……元々浮気性でもあったからねぇ

 子供のころからその片鱗見せていたから……

 だから、彼にはそんなにいい感情も無いんだよねぇ」

 

 わぉ、ドライ~

 まぁそれもそうだねぇ

 どう考えても紫乃さんの方が可愛いのに、アリス嬢に引っかかるし

 

 「ぇ?お世辞でもありがとう」

 

 お世辞じゃないよ?

 逆に何であの子がそんなにもてるのか不思議でしょうがないもの

 よっぽど外面がいいのかなぁ

 まぁ、進んで関わりあいたいとは思わないかなぁ

 

 「そうそう

 だからもうシナリオから外れたから彼女らと接点とるつもりも無いの

 …………でもこれからどうしようかなぁ」

 

 前作キャラクターの『仙波 恵』さんは探さないの?

 

 「とっくの昔に探したよ

 探したけれど見つからなかった

 イベントスチルで出てくるのは過去の回想シーンにちょこっと出るだけだからねぇ

 その頃はまだ私、記憶思い出していなかったし」

 

 それじゃ私の方でもその『仙波』さん探してみようか?

 

 「あー、隣国はまだ調査していなかったわ

 それじゃ、お願いしていい?」

 

 まかされりー

 

 「それにしてもこんな荒唐無稽な話、よく信じるね?

 私だったら、到底信じられないよ?」

 

 ん?一応私も、自称転生者だと思っているから

 転移……は違うかなぁ

 姿形が違っているし……

 

 「ぇ?」

 

 まぁ与えられている役割は、ただの教室で寝ている人なんだけれどね

 

 「ぇえ?

 ちょ……ちょっとどういうことよ!?」

 

 あ、やめ……首絞めないで?揺らさないで

 ……ヅラが……ヅラがとれちゃうぅぅぅぅ

 

 「……………………」

 

 ………………仕方が無い……魔法解除っと

 ……ってことで可愛い女の子だと思いました?残念、モブ(男)でした~

 

 「……………………」

 

 いや、そのごみを見るような目……止めてくれません?

 

 「…………言い訳3行」

 

 ………………えっとね…………

 女装でお金儲け

 お姉ちゃん先輩にパーティに誘われる

 パーティで紫乃さんと出会う

 こんな感じ?

 

 「……………………」

 

 いや、だから、そのごみを見るような目……止めてくれません?

 まぁ私の女装は置いておきましょうよ

 で、本題です

 紫乃さんはこの世界を『ガールズドキドキめめめめめ』の世界と言っていましたが、私の認識では違ってたりします

 えっと…………確か…………あぁそうそう、『魔法学園 ドキ×キラ×ラブ』って名前のゲームなんだよ、私の認識では……

 ちなみに、この認識に関してはこのゲームの主人公もその認識を持ってる

 ……なので、ある程度の信憑性はあるよ?

 

 「ちょっと……そうしたら、私の認識がおかしいってこと?

 『ガドメ』の世界っぽく見えるけれど実は似たような世界ですよってこと?」

 

 …………かもね?

 

 「それじゃ私の今までの苦労は?

 一生懸命シナリオを変えようとしていた私の苦労は?

 全部全部無駄!???」

 

 やめてー、首絞めないでーー

 落ち着くんだ、落ち着いてください

 あ、そうです

 こう考えてみてはいかがですか?

 両方とも正しいと

 

 「へ?」

 

 つまり、この世界は『ガドメ』と『魔法学園 ドキ×キラ×ラブ』

 ……面倒ですな

 略して『マドキラ』で、『マドギラ』と『ガドメ』の両方の世界が入っているとか……

 

 「ぇ?でも…………」

 

 『ガドメ』に前作キャラクターがイベントスチルにいたってことは前作と世界観が同じってことだよね?

 ってことは、そういう世界観が同じであれば一緒でイベントが発生してもおかしく無くない?

 『マドギラ』と『ガドメ』が世界観が一緒であるからどっちも正しい

 どう?どう?

 

 「………………ありえなくないわね」

 

 ふぅ、ならそれで考えてみようか

 ところで世界観が同じってことは『ガドメ』も作製会社は《LRC》と一緒で大丈夫?

 でも同じ恋愛シミュレーションだけど美少女ゲームと乙女ゲーム両方作っていたっけ?

 

 「《Love Revolution Company》の《LRC》で一緒だよ

 んっとたしか、『マドキラ』を追加ディスクを5回ほど出した後だね

 その次で乙女ゲームに入っていたはずだよ?

 『ガドメ』は乙女ゲームの3作目だったはず」

 

 …………ん?

 んんん????

 ちょいちょいちょい??

 

 「何かあった?」

 

 いや、気になったんだけれどさ……

 『マドギラ』って最新作じゃないの?

 私の記憶が正しければ…………うん、罰ゲームでヒャッハーしてたし

 一応攻略情報は出てたっぽいんだけれど、確か最新作だったと思うんだけれど……

 

 「??何言っているの?『マドキラ』は《LRC》の出世作だけど?」

 

 ??…………!!

 はい、質問です

 前世で生きてきたときの西暦を教えてください!

 ふむふむ…………おぉぅ、私が覚えている時代より15年も後だよ?

 

 「どういうこと?」

 

 ワケワカメ

 うーむ、もう1人に聞いてみようかしら

 

 「あー、貴方のゲームの主人公さん?」

 

 友達じゃないから、電話番号知らないのん

 まぁ元野球少年の転移?者の知り合いがいるわけなんですよ

 

 prrrr…………prrrr…………

 

 「I'm Braver!」

 

 無駄にいい声出すな、チクショー

 

 「フフフのフ、実は今からモンスターリーグをやるのでな

 気合十分なんだぜ」

 

 モンスターリーグ?

 

 「野球リーグだよ

 あの試合で興味を持ってくれたモンスターがいて面子が揃ったわけなんだよ

 フフフのフ」

 

 おー、おめでとう

 

 「ありりん♪

 それで、急に電話でどうしたんだ?」

 

 ちょいと、聞きたいことがあるんだけれどいいか?

 

 「おぅ、今の俺は気分がいいから何でも応えるぞ

 ※ヤンデレ以外で、だ!」

 

 おぉぅ

 で、聞きたいことってのは元勇者はこっちに転移?してきたんだよな?

 この世界にバットとかユニフォームとかあったし

 

 「おう」

 

 ってことはだよ?元の世界でこの世界を題材にしたゲームってあった?

 

 「ん?知っているのか?『天変☆狂花』」

 

 NEW WORDが出てきたよ?

 とりあえずメモメモ、『天変☆狂花』

 ちょいと聞くけど、その『天変☆狂花』を作ったのって《LRC》なんだよな?

 

 「はぁ?何言ってんだオメー?《Rocket Party Company》

 まぁ確かにスタッフは元《LRC》のスタッフだけどよ、でもRPGが作りたいって言って抜けたメンバーたちだぜ?」

 

 ん?《Rocket Party Company》?

 え?しかもRPG?ってことは『天変☆狂花』はRPGなの?

 

 「おうともさ」

 

 ……なんということでしょう?

 もうワケワカメ

 あ、ちなみに転移する前の西暦って覚えている?えっと……3年後か

 メモメモ

 いやいや、こっちの話

 あ、最後に教えてもらいたいんだけれど、何で俺、転生者ってわかった?

 

 「『やらないか』で過剰反応するのは転生、転移者系だけだぜ?」

 

 あー、うん

 なるほど、わかった

 色々回答ありがとうな

 

 「おう、それじゃ俺は野球に勤しむぜ」

 

 おぅ、楽しんでらっしゃいなー

 

 ……ちきせぅ

 そんな方法で一発でばれたのか

 しかしわかったところで、防げないなその方法

 後、自分で使いたいとも思わない

 うん、なんて酷い技を使ってくるんだ

 汚い、勇者汚い

 

 「で、このメモ……」

 

 ふむ、3人とも違うんだよねぇ

 しかもアヤツだけRPGと来たものです

 

 「つまり…………」

 

 開発スタッフが同じってことで、世界観が同じでいいんじゃない?

 もう考えてもキツイ

 

 「生まれが違うのは?」

 

 …………多分神様なら時間なんて関係ないんだよ

 どう?どう?

 

 「う~~ん、それしかない…………かな?

 でも神様いるのかな?」

 

 なんか私ん所の主人公さんが神様がどうのこうの言ってたような言ってなかったような気がするからまぁいるんじゃないかな?

 

 「いい加減ね」

 

 真面目に考えてもわかるもんじゃなくね?

 こういうのって

 

 「それもそうね

 ところで、貴方は『マドキラ』、『ガドメ』、『天変☆狂花』の世界観がある世界と仮定した上でどうするの?」

 

 ん?どうもしないよ?

 

 「どうもしないの?」

 

 うん、まず、『ガドメ』は今日、丁度終わったでしょう?

 後関係あるとしたら後日談だと思うけれど、まぁ隣国に飛び火することは無いよね?

 『天変☆狂花』に至っては元勇者になっている以上、イベントとかは終わっているだろうし

 『マドキラ』は1ルートしか知らないからなんとも言えないし

 あ、紫乃さんは結構詳しそうだったけれどイベントとかわかる?

 

 「ごめん、わかんない

 追加パッチばっかりで中々終わらないコンテンツだったって事ぐらいしか知らないわ

 15年前のゲームだしねぇ、しかも美少女ゲーム……女の私がやる理由が無いわね」

 

 ですよねー

 なら今までと特段変わることはしないかなぁ

 とりあえず、モブらしき生きて、変な死亡フラグっぽいものはへし折っていく

 ただし、モブなので俺TUEEは出来ないから、コネに頼る形になるけれどね

 

 「……………………」

 

 ちょ、うわっ何そのコネに頼るってなんて男らしく無いんだ……って目

 いいじゃん?コネ

 人は1人じゃ生きていけないんだよ?

 だから、コネって最高じゃん?

 なんでジト目?

 いいですか?私は完全なモブキャラです

 

 「うんうん」

 

 急に力が湧いてきたーとか実は血筋が凄くて力を隠していたとか……そんな可能性はほとんど無いのです

 自慢ができるのは妹の可愛さだけなのです

 あ、妹のためになら力が湧くことはありえますが、妹が関わってくるイベント何てありませんし……

 つまり、俺TUEEEは出来ないのです

 モブキャラが死ぬ可能性だって十分あるのです

 俺TUEEができない以上、私に出来る防御手段は強い人とのコネを得ることになるわけですよ

 

 「地道に強くなろうとか無いの?」

 

 一応頑張ってはいるんですが、ここ1ヶ月ぐらいで強くなるのは……まぁ期待薄ですね

 それに、強くなるにしたって教わる人がいた方がいいじゃないですか?

 そうしたら、コネが必要になってくるわけですよ

 ビバ!コネ!!コネYABEE

 昔のモブは言いました

 『死ぬモブはただの3流のモブ、生きて残って初めて2流になれるモブ道

 ちなみにモブだけに1流は無い』

 モブは生きてナンボです

 

 「まぁ悪役令嬢だってそうだし

 生きてナンボはまぁそうだね」

 

 でしょでしょ?

 ってことでもしかしたら紫乃さんにもお願いすることがあるかもしれないけれどよろしくね♪

 

 「え?」

 

 コネコネ♪

 こうやって出会ったのも何かの縁♪

 困ったときはお互い様♪

 

 「っても私自身はちょっと光魔法が使えるぐらいよ?」

 

 後経営手腕とかも凄そうだよ?

 マネー is パワー

 まぁ何も無いのが一番いいんだけれどねぇ

 

 「ほんと、そうあることを願うわ」

 

 でも何かあったら助けを求めるからよろしくね?

 多分、本来のイベントにいないはずだから切り札になると思うんだー

 

 「私のときみたいに……か

 しょうがないわね」

 

 ありがとう♪

 

 

 

 

 

 こうして、隣国の元悪役令嬢とのコネを手に入れた

 ちなみにその後の記憶はほとんど残っていない

 車で運ばれて、お姉ちゃん先輩のお家に運ばれて、メイドさん達にツボを押されまくって、気が付いたら学生寮に戻っていた

 そして、睡眠不足と疲れのためか泥のように眠った

 ん?ゆっとりの焼き鳥?起きたとき食べようかと思ったんだけれど、消費期限が怖いから食べれなかったよ

 ちくせう

 今度、隣国に行くことがあれば、今度こそ食べ歩きしてやるぅぅぅぅ

 

 

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