42話
お休みっていいね
だらだらできるよ~~
寮に帰って早速貰った小包開けてみた
わくわくわくわく
え?お店で開けてない訳?
まぁそこは庶民のプライド的に?
やっぱりひっそりとこっそりとみたいじゃん?
ってなわけで御開帳~~~♪
ぉ?
何々?『貴方の世界を変えるキャビア』??
キャ……ビア…………??
!!???キャビア!!!?
ちょっ!!!?
ぇ??マジで???
あの超高級そうなキャビア!!?
珍味といわれたキャビア???
ぇ??ぇえ???
………………
角度を変えてみてみたけど結果は変わらない
おーーーぅ、これはキャビアっぽいぞ?
どうみてもキャビアだ
キャビアの缶詰が10個あるぞ??
いかん、心臓がばっくんばっくんしているぞ
収まれ、俺の小市民な心臓
これは卵だ
そう、ただの卵だ
親がお魚……サメはお魚か?まぁ多分お魚だよね??の卵に過ぎない
だからモチツケ……いかんダメだ、俺超動揺しているよ!?
モチをついてどうする……落ち着けだろ、俺
こういうときこそラマーズ呼吸法だ
………………
5分ほど見ていたらやっと落ち着いてきた
しかし………………キャビアか………………
…………どう料理にしていいのかわからんぞ??
この小市民ブレインにキャビアを使うレシピなぞ無いぞ?
いや、だって食べること無いもん
だからまずキャビアを使って作る料理名とかわかんない
後、もらい物にこういうのを言うのも失礼だけど商品名ちょっと怪しくない??
『貴方の世界を変える』って部分が胡散臭さを引き立てている
よし、この小市民データベースには疑問しか残らないから、先ずはいろんな人の知恵を借りよう
先ずはNNWに聞こう
ちなみに NEET NETWORK の略ね
まぁその名の通りNEETの繋がりみたいなものだ
実は以前、仕事でNEETを持つ親御さんから『我が子を何とかして欲しい』といわれたことがあった
んで、会って見て話した所、ちゃんと考えてNEETになっているらしいとわかり、しかもネットで社会にも貢献しているとわかった
んで、逆に親御さんを説得してしまった
『親が子を信じてあげなくて、誰が信じるんですか!?』とか熱く語ってしまった
今思い返すと何かちょっと恥ずかしい///
んで、今度は逆にNEETの子からNNWの皆の親も説得して欲しいと頼まれて、諸国行脚の旅をして説得に走った
まぁそんな関係でNNWとの縁が出来ちゃっているわけですよ
ってな訳で、電話電話~
prrr…………prrrrカチャ
やっほー、モブだよ~~
『この度はありがとうございました
それで、どうしたのでしょうか?』
ちょいと、教えて欲しいことがあるんだけどさ……
『貴方の世界を変えるキャビア』って知ってる?
『………………』
…………ぉ~~ぅぃ??
NNWのデータベースでも無い?
『いえ、知っていますけど…………本当に『貴方の世界を変えるキャビア』なんですか?』
なんですよ
『キターーーーーーーーァァァァァァァ!!!!!!!キマシタワーーーーー!!!!!!!』
いやいやいや、落ち着け、落ち着くのだ、衣川少年
後、キマシタワーーーの使い方、間違ってない?
『使い方なんてどうでもいいのです!!!
その伝説級のキャビアを前にしたら全てはどうでもいいのです』
いやいやいや、前ってただ単に聞いてみただけかもしれないよ?
『モブさんそんなことしないでしょ?
しかもキャビアですよ?普通は口にしないから興味も無いはずです
僕に聞くって事は、つまり目の前にあるってことなんですよね??』
ぉ、ぉぉぅ……俺の特性がばれて~ら
しかし伝説?
『伝説です!!レジェンドです!!!スーパーレジェンドです!!!!』
??ワインの150年もの見たいなビンテージだったり……
『……はしないです』
ですよねー
そんなの腐ってますものねぇ~
そんなの贈られたら即死間違いなし的な?
しかし、どこら辺が伝説?
『入手度的に……
曰く、王族のみに提供される物
曰く、国賓が来たときに振舞われる料理で、こちらを使っているとその人はスーパーVIP待遇
曰く、犬猿の仲だった隣国の王族に振る舞い、関係が劇的に改善されたとのこと
まぁとにかくこの類の話が山のようにあるんですよ』
………………ぇ?これそんなに凄いの?
ってかそんなに凄い逸話があるなら、パチモン類って出回らないの?
『それやると王族の反逆罪になるんですよ!
8年ほど前にそれをやった貴族がいたんですけれど、反逆罪で貴族改め国外追放になりました
4年ほど前に組織的にパチモンを作ろうとした人間がいたんですけれど、即刻タイーホ&デスです』
デスですか?
何これ、超危険物っぽく見えてきた
ちなみに目の前にあるものが偽者の場合、それを受け取った俺は何か罪になったりは……
『しないので安心を…………
あと、それをくれた人って誰かわかっているんですよね?
身元がわかっているって言うことはそこから当たれば偽者の場合直ぐにタイーホになるのでほぼ本物で間違いないかと……
即サーチ&デスになるものに手を付ける人はいないはずですね
NNWでもそんな変な動きをしているところは見つけられませんし
あ、金の動きの確認しただけなんで、絶対とはいえませんがほとんど無いはずです』
おぉ、つまりこれはほぼレジェンドキャビアってことですか
いかん、なにやら缶詰が光り輝いているように見えるぞ??
これが凄いものだとわかった瞬間、光り輝くとは現金な目だなチクショウ
『モブさん……お願いがあります
その…………1粒でもいいのでお恵みください(ドサァァァァ』
電話の向こうで土下座!!!?
いやまぁ1粒なんていわずに1缶あげるよ
なんか一杯貰って食べきれなさそうだしさ
『貴方が神か!?』
いいえ、ただのモブです
まぁ今度の休日に持っていくでいいかい
『ありがとうございます!!!!!』
あ、ちなみに王族がこれを使って提供した料理とかって知ってる
『そこまでは…………とにもかくにもそのキャビアがやばいらしいので……』
そっかー、ありがと
しっかし、これがそんなに凄いものだったとは…………
これをくれた伊達さん…………もしかして製造者なのかな??
他に出回らないって言うことは多分作っているの内緒なんだよね?
うん、誰から貰ったとかいえないな
言ったら、自分が女装していたとかも言わなきゃならないし、うん絶対に言わないぞ
こんなレジェンドは妹に食べさせてあげないと……
よし1缶は実家に送ろう
怪しい名前だけどレジェンドなのはわかった
…………しかし、レシピは未だ知れず
此処は女子力の高い人に聞いてみるしかない
prrr…………prrrrカチャ
夜分遅くにごめんねぇ、モッブで~す
『アヤ?ドウシマシタカ?』
いやね?ルイルイに、女子寮で一番女子力が高い人を紹介して欲しいだけれど……いいかな?
『マ、マサカ……今デスカ?』
その人の都合に合わせるよ
明日が無理そうで今しか無いならそれでもいいし
『チョ、チョット表デ待ッテテクダサイネ!?』
はいは~い
表で待つこと10分、女子寮からルイルイともう1人が出てくる
しかし、もう1人の方、見た目的に女子力が高そうに思えない
ルイルイはきぐるみ……猫のきぐるみだ……は可愛いのでよし
しっかし、お隣さん…………雰囲気がなんとなく…………武闘派なんですけど?
女子力……たったの5か……ゴミめ…………っていわれそうな感じなんですけど??!?
いやいやいや、人を見た目で判断してはいけない
もしかしたら、熊みたいだけど実は……ってパターンもあるじゃぁないか
ってかなんで構えられてる?
「ふっふっふ、良い度胸だな
まさか、我が女子寮に代々伝わる、夜這いをしたければ女子寮ガーディアンを倒していけ!を堂々とやってくるヤツがいるとは思わなかったぞ
しかも、歴代ガーディアン最強である私を指名してくるとは…………敵ながら天晴れである」
え~、なにそれ!?そんなの知らないよぅ
ってか、こちらのご注文は女子力が高い人ですよ!?
「ダカラ女子デ一番強イ人デショ?」
Oh、女子力=女の子らしいじゃなく、女子力=女子で強いだったでござるか?
しかし、俺……戦わなくちゃいけないの?
はっきり言おう………………多分勝てない
もう見た目、強い(確信だよ??
俺モブだよ??
うん、人は熊に勝つ為に道具が必要だと思うの……
「敬意を表して、お前の得意分野で勝負をしてやろう
ただし、負けたときは…………わかっているな?!」
なんか向こうやる気満々なんですけど??
負けたときってどうなるのかな?晒し上げ?
『私は女子寮に夜這いしようとしました』とかなんとかの紙を背中に貼り付けながら生きていかなきゃいけないとかそんなの……
誤解でそんな仕打ちとか…………泣くよ??
とにかく、こちらは夜這いとかそんなつもりは毛頭…………
『問答無用!男らしくさっさと決めろ』
ひぃっぃぃ~~~ん
まったく聞いてくれないよぅ
ならばあの見た目に賭けるしかない
勝負内容は朝の味噌汁!!!!!
「………………ぉぃ、ちょっと待て
私にそんなものを作らせたら死人が出るぞ!?」
ちょ……だがここで引きません
審査員は女子2名&男子2名&ルイルイの5名
「チョ、私モですカ?」
料理の出来る人って言えばよかったが、女子力=一番強い人でこの人を連れてきたルイルイもルイルイだ
連帯責任だ、連帯責任
審査は朝6時半
なので、それまでに味噌汁を作っておくように
「貴様!男なら男らしい勝負をしないのか?」
なら、男らしく一度言ったことは曲げません
さて、今引いたなら、男性側に貴方が味噌汁も作れない人だってばれなくて済むけど…………どうする??
「くそぅ、私はそんな朝早く起きれない
もういい、私の負けだ、負け」
ふぅ、むなしい勝利を手に入れたぜ
「というわけで、2人で好きにいちゃいちゃすればいいんじゃないかな?
邪魔者の私は去るぜ」
あ、それはどうでもいいんですけど……
ちょっとコイツを見てもらっていいですか?
右手から取り出したるは光り輝くキャビア缶……あ、光り輝いているのは私の魔法ですよ?ただの演出です
………………ぁ、ヤバイ、熊さん(仮名)の目がヤバイ
あの目は……選択肢にきっと『殺してでも うばいとる』の選択肢しか無い目をしている
お願いだ、正気に戻ってくれ熊さん(仮名)
選択肢に『そう かんけいないね』や『ゆずってくれ たのむ』の選択肢を増やしておくれ
俺が、『ねんがんの キャビア をてにいれた』を言わないと無理??
熊さん(仮名)から鋭い踏み込みからの連続パンチから俺は逃げる
夕パパ所長との訓練がなかったら俺、一発でアウトだよ?!
ありがとう、夕パパ所長
しかし、この場は『な なにをする きさまらー!』って言った方がいいのかな?
いやいや、そんな余裕ないよ?
だって、熊さん(仮名)もう一段階進化?しようとしているもん
ホントに人間だよね?
右手を出し、静止を試みる
「その腕、いらぬのか?」
いやいやいやいや、いる、超いるよ、これなくなったら俺御飯食べられないし
戦闘狂にもほどがあるよ!!???
じゃなくて、ストップ、ストーップ
ちょっと相談に乗ってくれたら、これをルイルイにあげようとしていたんだよ
いつもお世話になっているし、そのお礼も込めて
「ほぅ」
じろりとルイルイを見る熊さん(仮名)
「何デ、私ニ振ルンデスカ?
熊サン、ソンナ目エ見ナクテモ寮ノ皆デ分ケマスヨ?
ソレデ、相談ッテ何デスカ?」
あ、熊さんなのね?
いやね?キャビアを使ったレシピって知らない?
「ムムム、残念ナガラ無イデス
私モ食ベタコトガ無イノデ」
むむむ、残念
まぁ、他の人にも聞いてみて美味しい食べ方とかあったら俺にも教えてね
相談事ってこれだけだから
夜分遅くにゴメンね
お休み~
庶民データベースにキャビアのレシピは無いか……
ですよねー
ってなると食べてそうなところになると貴族……お姉ちゃん先輩しかいないか?
明日ちょっと聞きに行ってみよう
なんか長くなりそうだったので続きます




