37話
気が付けば2週間をオーバー
3,4階……アントたちの住処
ちょっと高級なお砂糖で買収完了
色々な情報を取得
ちなみにアントたちは喋れなかったので、長老に翻訳してもらった
この階にはどうやら黒姫兄が来て突破している模様
そのため、下の階のスライムたちを紹介してもらうことになる
5,6階……スライムたちの住処
御飯を炊くときに使用するミネラルが含んだおいしいお水で買収完了
スライムたちは喋れた
マジで驚愕したわ
そして、スライムはどうも時間が経ったら不要物として体の一部を切り離すんだけど……これマジでスゲェ
快眠グッズなんてレベルを超えてやがる枕になる
3つほど貰った
ちなみにこの階にはどうやら黒姫兄が来て罠に引っかかって落とし穴に落ちた模様
落ちた先は不明
黒姫がその罠に引っかかろうとしたがそれをやられたらガチ戦闘をするしかないので、止める
【貴方の知り合いを紹介してください】作戦続行
さて、此処までは……此処までは順調だった
まぁつまりあれだ
下の階のオークたちを紹介してもらったんだけど……
【超悲報】オークは脳筋
紹介されたときの彼ら開口一番が
「バトろうぜ、人間」
だぜ?もうやだー
あれですかね?
昨日から豚丼を食べた所為でお怒りなんですかね?
一応シャワーも浴びているから匂いはしないと思うんだけどなぁ……
まぁ、そこで「はい」って言うことはしませんがね
俺、Noといえる人間だもの
ってなわけで、さくっと買収しよう
とっておきの切り札、A5黒毛和牛ステーキセット
かなりお肉も分厚いよ?
どうかねどうかね?
だが、しかし
「そんなものはいらん!バトろうぜ人間」
一蹴される
ちょっと泣きそうになる俺
俺だってまだ食べたことがないA5黒毛和牛だよ?
それを「いらん」って言われたんだよ?
涙目になっても仕方ないよね?
でも俺、買収するの諦めないよ?
ってなわけで、リュックに入れてあった炭火と七輪で焼き始めましたよ
素敵な匂いじゃろ?
「いらん」
当方、絶望に打ちひしがれました
まさかオークに心を折られるとは思ってもみなかったとです
「早くバトルぞ?」
絶望に打ちひしがれている俺、戦う気力なんてないとです
てなわけで、黒姫さんとどうぞ
出発前に俺を護るとか言ってたし、俺より圧倒的に強いし調度いいよね?
「女子に戦わせるとか……お前本当に男か?」
おぉぅ?男は戦闘民族という根底がオークにはあるとですか?
「いやな?前におら達と人間が戦ったときにな……女子は嫌そうな顔をしてたわけなんだわ
一方、男の方は『経験値ひゃっはー』と意味不明なことを言いながら、嬉々として戦うわけなんだわ
そこから考えるに、どうもオラたちは女子どもに嫌われているんじゃないかと
だから男のお前と戦うぞ?」
ふーむ
人間って言ってもぴんきりよ?
ところでオークさんやい、実は人間には男の娘っていう人種がいてだな
「男の娘とな?」
生まれは男、だが男として生きるより女として生きることにして、所作、思考等々が女よりも女らしい男の人がいるんだわ
「ま……まさか、あの女子が?
はっ……あの女子……ワシより胸が無いし……そ、そうなのか?
よし、ちょっと誘ってくる」
いてら~
……ちなみに黒姫は、無な訳でも貧な訳でもじゃないよ?彼女の名誉のために一応……
オーク……奴等ハンラーで胸がかなりあるのがおかしいだけね
後黒姫、男の娘でもないよ?……多分
見たわけじゃないから絶対とは言えん
あ、黒姫VSオークが始まった
……まぁ多分黒姫勝つだろうし……俺はお肉の番人をしよう
……あ、オークが「流石男!いい攻撃を持っている」とか言ってる
やだ、黒姫の髪が逆立っているよ?
俺、あっち見るの怖い
俺はお肉の番人、お肉の番人なんだ
あっちを見てはいけない
「守・武・君?さっきあのオークが「流石男」と私を男呼ばわりしたんだけど……
心当たりあるかしら?」
やだー怖いよ怖いよー
えっとね、人間の中には男の娘って方もいらっしゃるよってオークに教えてあげたんだー
男の娘って女の子より女の子らしい人って紹介したから、黒姫さんが非常に女の子らしかったのできっとオークが勘違いしたんだよ
「お、女の子らしい?そ、そうかな、えへへ
あ、ちょっと今回の戦闘でお腹空いたからそのお肉貰うね?」
あ、俺が大切に育てた肉ががが……瞬殺ででで……たびらり……
……………………
………………はっ!意識をちょっと失っていた
なにこの一難去ってまた一凶って状況?
もう、この階は俺にとって鬼門か?
さくっと去ってしまおう
ってことでオークに事情徴収
黒姫兄を見たことがないそうだ
ってなわけで次の階の狼さんを紹介してもらう
9,10階……狼たちの住処
狼さんは脳筋じゃなかった
ってことで栄養満点ドッグフードで買収完了
流石に喋れなかったので、翻訳は長老
ちなみに黒姫兄のことについては知らないそうだ
後、ちょっとだけ撫でさせてもらった
うん、肉食べれなくて傷心していたが、超癒された
俺、もうちょっと頑張る
下の階の1つ目さんを紹介してもらうことになる
11階……1つ目さんの住処……のはずですが迎えられたのは何かばらばらな魔物さん達ですよ?
1つ目さんにハンニャー仮面さん、あ、ハンニャーさんって般若のお面の猫ちゃんバージョンね
3つ目さんにハーピィちゃん、オーガさんにリザードマンさん、後はヴァンパイアさんにアウラウネちゃんに骨さん
総勢9人がベンチに座って俺たちを迎えてくれた
種族なんて気にしないぜ☆で友達たくさんってことですかい?
遊びに来ているところに俺たち乱入しちゃったって訳ですかい?
だとしたら申し訳ないな
あ、どうもすみません、ちょっと1つ目さんをお借りしますねー
そうおもっていたら、ハンニャー仮面がイキナリ
「やらないか」
なんてことを言い出しおった
ちなみに胸元はボタン4つぐらい外されて、ハダケテオリマスヨ?
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……………………
…………
……
長期間のフリーズを終え、再起動完了
……とても……癒されたいです
狼さんはどこですか?
ちょっとで、ちょっとでいいですから、撫でさせてください
お願いします
ってか声からして多分男……ってかアレ多分魔物じゃないよね?人間だよね?
俺、うほっでもないしいい男でもないよ?
やだーやだー俺もうお家帰るーーー
俺、清いままでいたいのん
ダンジョン怖いよぅー怖いよぅーー
やだやだやだやだやぢゃやだやぢゃだやだやだやだやなのんやだやだやだやにゃやだやだだやだやだやだやだやだよぅ~~~
早く帰ろう、此処はとても危険だという視線を黒姫に向ける……俺の顔は見れないけど、多分超真顔になっていたと思う
さて、その視線を感じた黒姫はというと、頷き
「一体なにを?」
あれ?聞いちゃうの???帰らないの???
それ聞いちゃたら、引けなくなっちゃわない????
よし、遠い目だ、遠い目をしてて実は聞いてなかったごめんねで逃げる、逃げてやるぅぅぅぅ
「野球だ」
キコエナーイキコエナーイキコエ……ぇ?野球?ベースボールななにかですか?
ふぅ、全く驚かせるなよぅ
あー、もう心臓に悪いわぁ
「野球って何?守武君は知ってる?」
できることならやらないか軍団と関わりあいたくないからなぁ
うん、ここは知らないといって別のにしてもらおう
「いえ、知り『そこのお前、転生者だろ?』にゃん???」
あれ?声が聞こえたと思うんだけど……
しかも俺を転生者だと見破っているだと……
『お前の前にいるハンニャー仮面の俺が今お前にテレパシーで話しかけているんだよ』
説明どうもです
やっぱあんた人間だったんですね
『いいから、野球やろうぜ?俺、元高校球児だったのをこっちの世界に召喚されちゃってさぁ
でもこっちの世界じゃ野球普及していないからやる相手がいないんだよ~
やろうぜやろうぜ~?』
『なら、貴方が人を集めてやればいいのでは?』
『俺はちょっと向こうじゃ顔出せないんだよ……いろいろあってなぁ
だからお前に野球の普及をしてもらいたいんだよ』
『やだ、めんどい、お断りします、
俺はモブライフを送る為に人を探しにダンジョンに来たのです
野球をやるためではありません
野球がやりたければ魔物さんに野球を教えて、一緒に遊べばいいじゃないですか?
ってことで無理です、ごめんなさい、お断りします』
『人探しって……誰だよ?』
『あれの兄だよ……なかなかイケメンの
……12月頃にダンジョンに入ってそれから戻ってこないんだけど……知ってるのか?』
『もしかして、こんなヤツ?』
イケメンの幻影が出る
「貴方、この人どこで見たの?」
喰い付く黒姫、そしてやらないか軍団との野球が避けられない事態になりそうで俺絶望なう
「ん?確かスカリンの所にいたから24階ぐらいかな?」
「ござる、ござる」
骨さん喋ったぁぁぁぁぁ
しかもござる口調とはびっくりでござる……あ、移ってしまったでござる
「彼は私の兄なの
お願い、そこまで案内して欲しい」
「野球やってくれると約束してくれるなら別にいいけど……」
「わかったわ、野球がなんなのかわからないけど約束をするわ」
…………俺は約束しないんだからね?
「ルールはそっちの坊主が知ってるから説明してもらえ」
…………なじぇ俺を巻き込む?
モブだから巻き込まれ体質なのん?いやいやいや俺寝てるだけよ?
爆発に巻き込まれたりとかはな……いよね?
まぁそのフラグを回避する為に魔法お勉強中なんだけど……で、頑張ってたら変なことに巻き込まれる
……あれ?八方塞?
モブってそんな運命だっけ?
いやいやいやいや、そんなことはない
俺の口八丁でこの状況を打破すべしすべしすべし
「だが、断る!!!!!!」
「え?どうして?野球をするって約束で兄に会わせてもらえるのよ?」
「先ず、兄のところまで案内するとは言っているけど帰すとは言ってない」
「ぇ……」
「野球をやってくれたらちゃんと帰すぞ?
っつかいい加減、帰ってもらわないとあいつらの維持費が大変だしなぁ」
維持費ってこいつら保護しているの?
「大体、24階なら、各階層毎に今のオペレーションを勧めていけば後、補給含めて2日程度でいけるんじゃない?
言っておくけど、野球ってのはスポーツだぞ?
知らないスポーツを2日以内でルール把握からの試合が出来ると思うか?
なら、このオペレーションを勧めていくほうがよっぽど早く兄を助けれるぞ?」
「言っておくけど、24階までの階層の主はここにいる奴等だからな
俺の息が掛かっているから、野球以外での買収が出来ると思うなよ?」
くそぅ……
俺達がダンジョンに入ってきてから野球をしようと決めたのなら確実にハッタリなんだが……だが、結構コイツここにいるの長そうだしなぁ
それにあいつらの綺麗な目……野球をやるって確信している目だよ
そこで、やりません代わりに何か別のものを上げます……ってなっても何を上げてもダメだぞこれは
「力づくという手段もあ……」
本意じゃないが脅しの選択肢を出した途端にハンニャー仮面の全身からあふれ出るオーラ
何これ?マジで危険ってレベルじゃねぇよ
近くにいるだけで寒気がするぞ
「力づくで俺に勝てると思うなよ?」
はっきり言ってこっちの主人公の白銀より魔力のスペック高くねぇか?
マジでありえねぇ
『お前マジで何者?』
『元高校球児の転生者で元勇者だからな……チーターとは俺のことよ!』
ほぅ元勇者
ってなると、今案内してもらって長老によるワープで逃げきれるとは思えないなぁ
ちぇー
あれ?そういえば何年ほど行方不明でしたっけ?
行方不明者がここで何をやっているんでしょうか?
なにやら面白そうなネタですな?
そういえば何かやらかしたって言ってたなぁ
ってことは何かい?
お前は追われているって訳かい?
今回は俺の口八丁は通じなかったがまぁ面白そうなネタはある
……仕方がない、此処は引いて、モブらしく流されてみるか
しかし、ニヤケが……おっといかんヤツに悟られてはいけない
「わかった、やればいいんだろ?野球
んで、お前らはいつ試合がしたいんだ?」
「明日」
「……貴方は馬鹿ですか?GWですのよ?皆予定があるぞ?
明日と言ってもほいほい集まれるとお思いか!!しかもルールも知らない状態で、だ
寝言は寝てから言え」
ってことで1週間後に決定
それでも厳しい
なので、特殊ルール
1.こちら魔法有りで魔物側魔法無し
2.魔物側は人間並みの身長でずっと通すこと ちなみにサイズを小さくする魔法のみは使用可
魔物側大歓喜……そんなにしたかったのかい野球
なんか人間サイズになる魔法の練習をし始めた
後はスカリンさんこと骨さんに黒姫兄がいるところまで案内してもらった
暴れるので檻にいるらしい
その檻は1つしかいないから一緒に拾った人間もそこにいれているそうな……
そろそろ落ち着いたかなと思って帰そうと思ったんだけど、夜に暴れている音を聞いて今まで保護していたそうな
黒姫兄と思われる人と檻越しで会えた、確かに黒姫が写した幻影に似てる
それよりちょっとやせたっぽかったんだけど、雰囲気は特に変わっていない……寧ろイケメン度増した?
黒姫の方は……さて、感動のご対面かな?
黒姫兄妹は「お兄ちゃん」「牡丹」とお互い座って泣きまくり
イイハナシダナー……で終わらなかった……ごめん終わらせなかった
そう、その時に拾った人間もそこの檻に入れたんだよね?
「あー、感動の対面のところ済みませんが、そちらの御三方は?」
えぇ、俺が指差す先に3人いますが……全員ボテ腹ですよ、奥さん??!?
「あぁ、彼女たちは一緒に冒険しに来た仲間で……戻ったら俺、婚約するんだ」
変なフラグ立てないでくださいよ?マジで
しかし、ボテ腹って……つまり骨さんが聞いたのは暴れているんじゃなくて……いや、ある意味暴れてはいるのか?
まぁきゃっきゃうふふのいやんばか~んってことでしたのね?
言い訳はあるか?
「ムラムラしたのでやってしまった、反省はしない、後悔もしない」
俺的判決はギルティ
ちなみに女性の方は、というと
「イケメン、金持ち、強い揃ってる稀有な方よ、寧ろウェルカム」「うちらのパーティの女性6人中5人が一成君狙いだったし」「2人があはんうふんして、ムラムラして頼みました」
一成はどうも黒姫兄の名前っぽいな
しっかし、この黒姫兄……顔良し、金有り、強さまぁまぁと外面はかなり優良物件に見えるな
まぁムラムラしてやってしまったってのは人的にどうかってのはあるんだけどな
まぁ黒姫兄が生きていたって証拠を取っておきましょう
有って良かったカメラ
普通にはい、チーズ……わぉ、4人全員いい顔している
よし激写だー、からの、ローリング激写、反復横飛び激写、さらにはダンジョンの壁を登りながら激写からの天井からの激写
ふぅ……普通に撮ったやつは以外は意味無いからね?
とりあえず帰りますか……早く帰らないと俺、詰んじゃうし
帰ったら、黒姫兄の生存情報を掴んだってことでお金もらえないかな?
まぁとりあえず黒姫妹さん、帰りませんか?
…………………………………………返事がない、ただの屍のようだ
…………マッジで????
いつからだ?ボテ腹からか?
おーい、おーい
彼女の目の前に手を振ってみたけど反応無し
息は……してるな??
良かったただのフリーズだ
とりあえず、さっきの要領で面白い顔を写真で撮れば、気づいてくれるは……馬鹿な、反応がない
仕方がない
この場でしか使えない最凶の奥義を使用するか……
胸揉むとかのセクハラかって?はっはっは
あれは主人公他イケメン以外が使うと社会的に殺される最低の奥義です、使用する訳ないじゃないですか
「黒姫さん……まぁお兄さんが生きていて良かったじゃないですか?
おめでとうございます……黒姫牡丹 お ば さ」
音速を超えるであろうビンタが黒姫から放たれる
「ん」まで言わせないらしい
だがしかし、それは予想していたぞ
いくら俺の障壁がしょぼいからって通常攻撃には対応可能だぜ
パリン……障壁が壊れる、通常攻撃一発で壊れる障壁ってどうよって思うが、まぁこれで……
左が……黄金の左が顔に迫ってくる……ばかな、右はフェイクだと
油断大敵、慢心ダメ絶対と誓ったはずなのに、どうやらまたやらかしてしまったようだ
左のビンタが俺の顔にヒット、吹っ飛ぶ俺
親にもぶたれたこと無いのに……と思ったが、瀬戸先生には訓練時にボコボコにされているな
吹っ飛びながら俺は考える
野球をやるには最低9人だけど、俺、友達7人いたっけ?
お盆休みを取るために土日を潰さないといけないというわけのわからない状態
こんなの絶対おかしいよ




