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モブキャラライフ  作者: リエッタ
本編
40/77

34話

 あー、あーこちらモブ、ただいま緊急事態発生、緊急事態発生

 何が起こったか?

 まぁよくある話だけど、ほらバイト中に親が来たとか知り合いがバイト先に冷やかしに来たとか……まぁそんな類

 ただし、今回友達じゃなくて、【魔法学園 ドキ×キラ×ラブ】のヒロイン、黒姫

 あった瞬間フリーズしたよ……うん、俺予想外に弱いなぁ

 ぇ?戦争で一緒に戦ったから友達じゃないのかって?

 カラス同盟(勝手に命名)ですが、友達ではないのです

 閑話休題

 で、バイト中に俺を指名してきた……ってことはですよ?

 俺がどんなことをしているってのを知っている……俺の女装も知っている可能性がひっじょーに高い!!!!

 やだーやだー

 俺の趣味じゃないの……って形振り構わず言いたいが、俺の女装を知らなかったら、俺の言い損になるから言えない

 ってかアレか?

 クラス内交流戦後からの追跡者雇ったのはこいつか?

 でもあの2流追跡者はまいたから……そういえば仲間がいたんだよな?

 つまり、2流ワザと気づかせて、注意をそちらだけに向けさせて、他は俺に気づかせずに追跡していたのか?

 くっそー、そんな単純な手に引っかかっていたとは……

 しかしだ、俺指名ってことはお悩み相談か……私はいつでも貴方の秘密をばらせるわよっていう脅迫はないよね?ないよね?

 相談なら考えられるのは白銀と仲良くなりたいです……もしくは……イベントに纏わる事か

 後者は……無いよね?

 イベントに纏わる事とかに俺に相談なんかしないよね?

 よし、そんなことは無いはずだ

 深呼吸をして……心の平穏OK

 さぁ何が来る?

 

 「それで、お悩みは一体なんでしょうか?」

 

 こいこいこーい、主人公との恋の悩みよこーい

 

 「実は……私には兄がいるんだけれど…………昨年末から行方不明なの…………」

 

 でぃーーーーーーーーっぷ!!!!!!

 実にでぃーーーーーーーっぷ!!!!!!

 えー、まじでーーーーーー??

 ちょっとガチディープなの?

 

 「それで、相談解決率100%との噂を持つホスト:モブに縋りに来たの」

 

 ちょっとちょっとちょっと???

 解決率100%なんて知りませんよ?

 多分誇大広告じゃないですかね?

 

 「あー、申し訳ありませんが私はただのホストです

 行方不明者の捜索なら探偵を使ってはいかがでしょうか?」

 

 俺の管・轄・外!!!

 よっし、俺の心の中で解決

 

 「どこで行方不明になったかはもうわかっているの……ダンジョンなの」

 

 ちょっとちょっとちょっとぉぉぉぉぉ???

 そこまでわかっているなら貴族ぱぅわーで何とかしないさいよ??

 何故にたかが一ホストに縋るぅぅぅぅ????

 やだーやだーやだー

 だが、バイト中のため、そんなことはおくびにも出さないようキリッとした状態を崩さない俺ビバッ

 

 「ダンジョンですか?……それはまた、危険な場所ですね」

 

 「そうなの……だから私と一緒にダンジョンデートしない?」

 

 はぁ????????

 デェト????ダンジョンに????

 ハッハッハーーー、またまたご冗談を~~~!!!

 まぁバイトが忙しいから無・理☆で行きますか

 何しろ超大型連休、稼ぎ時ですからねぇ

 

 「私これでも連休中は仕事が入っていまして、空きがありませんので……

 申し訳ないのですが、長期間かかりそうな探索には携わることは出来ないですよ」

 

 「あれ?ダメ?おかしいなぁ……こういえば大抵の男はほいほいついてくるよってナナが教えてくれたんだけどなぁ

 まぁいいわ、でも大型連休の仕事だけど、あなたの時間、全て買わせてもらったわ」

 

 ……………………へ???

 どーいうこと??

 あ、しまった、ポーカーフェイスが崩れて面白い顔をしてしまった

 

 「先ほど、此処の支配人に頼み込んだら許可を貰ったわ」

 

 ちょ???支配人さぁぁぁぁぁん????

 プライベートルームを抜けて支配人にどーいうことかと詰め寄る俺

 

 「ぉぅ?まぁ何だ?ずっとだなんて……その……搾り取られるなよ?

 それにしてもお前玉の輿とかすげぇな

 ただ、彼女がこの仕事に理解を得られなくなったとしても急に辞めるとかは勘弁してくれな?」

 

 命の危険があるんですよ?辞める以前に死んじゃうかもよ?

 あ、ダメだ……支配人トリップしてる

 「俺も、『彼だけは絶対に護りきって見せます』とか言われてぇぇ……俺の嫁さんなんか……」とかつぶやき始めた

 ……バイトを言い訳に逃げることは出来ないらしい

 仕方ない、作戦Part2……超ひ弱アピール

 俺が役に立たないってわかれば、きっと放出するはず

 プライベートルームに戻ると

 

 「ね?貴方の時間を買わせてもらったわ」

 

 ドヤ顔の黒姫がいた

 くそぅくそぅ

 

 「確かに……全くなんていったんですか?

 羨ましがられたり、恨みがましく見られたりしましたよ?

 ただ、まぁ私の時間を買ってくださったことは私のことを評価していただいたということで嬉しいのですが……

 私はしがないホストですよ?そのようなダンジョンデートなんてとても厳しい物があるとは思いませんか?

 そこらへんはプロの冒険者達に頼めばいいのでは?」

 

 「あのダンジョンに冒険者達は行こうとしないからダメ

 あのダンジョン、割に合わないって言われているの

 黒姫家でダンジョン探索募集をかけたけど誰一人言ってくれる人がいなかった

 ……今では学生が卒業前に腕試しとしていく程度でしかないの」

 

 「でしたら、私みたいなしがないホストよりクラスメートなどを誘ってはいかがですか?」

 

 「だから誘っているのよ?も・り・た・け・君?」

 

 だーーー!!!くっそー、やっぱり俺の正体ばれてたか

 まぁ変装していないしなぁ

 でも背景キャラとして気づかれてないかと思っていたが……あの戦争がまずかったのか?

 まぁでも俺諦めない

 往生際が悪い?命がかかっているからしょうがないんだよ!

 

 「私なんかより、お友達の6大貴族の皆さんを誘ってはいかがですか?」

 

 俺、6大貴族を生贄に捧げようとする

 

 「…………彼女たちは頼りになるけど……無理

 ……彼女たちが万が一のことが起こり様ものなら、戦争が勃発する」

 

 6大貴族の生贄は失敗

 ってか、俺は万が一にも死んでも何も無いからいいってことですかい?

 まぁ戦争は無いな

 俺死んだら「馬鹿がダンジョン入って死にましたHAHAHA~」ってな感じで終わらせそうだな

 妹は泣いてくれるかな?

 きっと天使だから泣いてくれるよね?

 うん、いかん、俺は死ぬ訳にはいかない

 ならば次だ!次の生贄じゃぁぁぁ

 

 「彼女達が無理だったら、彼はどうですか?白銀君は?」

 

 「彼は絶対無理」

 

 はやっ!間髪無しって……

 理由はなんだろ?

 実は王子様だから無理か、彼が死んだら私生きていく理由がないのとか……そんな感じかな?

 

 「何で?仲良くないのですか?いつも一緒にお昼食べていらっしゃるではありませんか?」

 

 「……彼の試合……知らないの?……そういえば、私が気絶させてたっけ?なら仕方がない……かな?

 正直言って今の彼は戦力外なの

 彼の必殺技知ってる?《キラースマイル》よ?しかも女の子に効かなかったのよ?

 そんなものがダンジョン内で通用すると思う?

 女の子に効かなかった必殺技がモンスターに?」

 

 まぁ普通に考えれば無理だよねぇ

 ぶんぶん 

 無理の意思表示として首を振る

 

 「でしょ?その後のクラス間交流戦でも酷かった

 本来魔法の6大属性は最大でも3つってのが通説なの

 逆属性も一緒に修めようとすると、その反対の属性は逆に退化していくの

 この通説を逆らって彼は5属性を修めようとしていたわ

 結果として現在使い物になるのが風属性だけ……

 ただ、5属性修めようとしているから結果として風属性単体で修めているものと比べて圧倒的に弱い

 ……彼は足手纏いでしかならないの……」

 

 えっ??3属性が限界って通説なの???

 6属性修めようとしている俺は?全部使い物にならなさげ??

 ってことはですよ?さよーならさよーなら俺の6単位

 アレ?白銀って5属性しか授業で取っていないよな?うち4属性が使い物にならない……進級できなくね?

 何か秘策があるのかな?

 そう信じよう

 

 「でもそれなら、私も同じく使い物にならないと思うのですが……」

 

 「10人からの攻撃を回避できる人が使い物にならない?

 魔法のほとんどを使わずに私をあそこまで追い詰めた人が使い物にならない?

 もしそうなら使える人間なんてほとんどいないことになるわよ?」

 

 あらま?意外と評価が高いのね?

 ちょっと驚き

 

 「それに……私の勘が囁いたの

 ……貴方がお兄ちゃんをきっと助けてくれるって」

 

 勘……勘が囁いたと来たか

 なら、こっちが理論で責めようとしても無理だなぁ

 勘が囁いたって思い込みがあるうちは俺、逃げられないわ

 俺、諦めるん

 だが、寿命を延ばすことは諦めないん

 

 「わかりました、そこまで言われるのでしたら微力ながら、ダンジョンデートしましょうか

 ……でもですね?それは明日じゃ駄目ですか?」

 

 「なんで?私はお兄ちゃんを一刻も早く助けたいのに……」

 

 「その気持ちはわかります……私にも兄弟がいますから

 でもね?黒姫様は山でキャンプするぜと言ってテント買わずに山に行きます?

 海に遊びにいこうといって、水着を着ていかない人がいます?

 まぁつまり、人には準備という物が必要ということです

 貴方は準備万端かもしれませんが、私の方は何も準備をしていません

 準備無しで行った場合、それはもう自殺志願者と同じことです

 貴方は私を殺したいのですか?」

 

 「いえ、その……ごめんなさい……」

 

 「いえ、では明日の朝8時、城門北の前で待ち合わせでいかがでしょうか?」

 

 「えぇ、お願いするわ」

 

 黒姫と別れてから俺はバイトを後にする

 普段はそんなこと出来ないけど、時間買われているからね

 こっからは俺の生存率を上げる時間だ

 まず、仲間を呼びたいんだけど黒姫の了承を取っていないから無理

 とりあえず、一度ダンジョンに入って2人だけでは無理という判断を得てから出ないと了承を得ることは出来ないと思う

 まぁとりあえず連休中だからいけない人も多いだろうし、片っ端から連絡を掛けるだけ掛けてみよう

 だがこれは明日の生存率は変わらない

 明日の生存率を上げる為に俺は学園の図書室へやってきた

 ちなみに連休中だけど学園は開いていたりする

 図書室に来た理由はダンジョン関連の書物を片っ端から読むため

 ケリーちゃんに聞いて片っ端から読み漁る

 とりあえずは傾向だ

 どんな敵が来るのかさえわかってしまえば……

 しかし、ダンジョン関連の書物が少ない……潜ったのは脳筋ばっかか?

 まぁ比較的浅い部分に関しては結構あったから良かったが、それ以降になると書物がかなり少ない

 しかも書いてから結構時間が経っていたりするから信頼性としてはかなり低い

 信じる信じないは置いておいて知識だけは取り入れておく

 気が付けばお昼になっていた……が、御飯を食べている暇がない

 最後のランチとか洒落にならん

 

 昼は先ずは駄菓子屋へ行って買占める

 大人気ない?命掛かっているんだよ?許せ

 と思ったら久しぶりに妖精さんに出会ったよ?

 ピンと来た……マジピンと来たね

 うんめぇ棒とソースカツで買収、長老さんとのコネクション確保

 長老さんをうめぇ梅等梅シリーズで買収

 明日からのダンジョン探索に長老も一緒に付いて来てくれる事になった

 よしっ、これで俺の生存率がかなり上がる…………ハズだ

 ん?さっき自分で言っていた仲間を呼ばずに2人だけのダンジョンデートはどうしたって?

 妖精さんは人じゃないからノーカンノーカン

 

 妖精さん達と別れたときには夕方になっていた

 速攻で調香士の御神の家に行く

 そこで、とあるにおいの発生源を購入

 御神ご家族から「ほんとにこれでいいの?」みたいな怪訝な目で見られたがそれでいいのです

 

 御神家を去ったときは既に夜

 夜御飯を商店街で購入中

 後ついでにドッグフードも購入

 お、俺が食べるわけじゃないんだからね

 ほ、ほんとだよ?

 

 ちなみに夜御飯はお肉増し増し豚肉丼とお味噌汁

 普段よりお肉を倍ぐらいに増し増ししてみました

 お米もちょっと高級なヤツです

 ……さ、最後の晩餐につもりじゃないんだからね?

 

 とりあえず……もうやることは全部やったな?

 後は明日がんばるために体調万全で臨むだけ

 つまり寝る

 お休み~

 

 

 

 

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