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モブキャラライフ  作者: リエッタ
本編
39/77

33話

 クラス間交流戦が終わった次の日、茶包家でのバイトが終わった帰り道、考察魔になりつつある俺です

 切欠はやはりあの梅組のクラス間交流戦の敗北

 う~ん、いくつか考えられることはあるんだよなぁ

 

 1つ目……実はそもそもこの世界は『魔法学園 ドキ×キラ×ラブ』の世界では無い

 ……根底から覆す荒唐無稽な考えだと思うよ?

 でもこれ確率的に言うとほとんど無いと思う

 これを否定する場合、偶々『魔法学園 ドキ×キラ×ラブ』と同じキャラの名前がいて、そいつらが偶々同じ学園に集い、偶々ファッションも同じ

 それプラス、偶々ゲームと同じイベントが起きる

 ……もうどんな天文学的な確率だと言いたい

 なので、これは否定する

 

 2つ目……実はあのイベントの勝敗はランダムである

 ……でもこれも確率は低いんだよなぁ

 確か罰ゲーム時に一緒に見てた友達が「《LRC》俺TUEE、私TUEE好きだなぁ」って言ってたんだよなぁ

 《LRC》ってのはゲームを作った会社ね

 名前は……思いだせん

 まぁ社是が俺、私TUEEな所が勝敗をランダムにするとかしたら顧客離れるからそうそう変更できるとは思えない

 ってかそもそもAVGでランダム要素入れる時点でクソゲー認定され……

 あれ?俺達が罰ゲームにしたのってこのクソゲー要素があったからか?

 ……いやいや、罰ゲームのこれを選んだやつはそんなクソゲーを勧めるやつじゃない……ハズだ

 信じるぞ友人?

 よし、この案は没

 

 3つ目……勝敗はランダムではなく、好感度によって変わる

 ……昼休みに一緒にメシを食べる中なのに好感度が足りないってあるの?

 確かに放課後に関しては、白銀がハーレムルートを狙っている場合、分散されると思うが……

 これで足りないってことになるともう何?序盤から超イッチャイッチャ状態?

 見るとこっちが砂吐くようないちゃつきっぷり?

 ……ん~、人のをやっているのを見てて、砂吐いた記憶無いなぁ

 この案、却下だ却下

 

 4つ目……実は負けるのがルート的に正しい

 俺が知っているルートは金野ルートだけだから金野ルートだと勝つが、他ルートだと負けるルートもあり、それが今回なだけだった

 このルートだと負けて、くそぅになって覚醒イベントが発生し、俺TUEEの序章が始まる……とかどうかな?

 安易過ぎる?

 まぁ、これは保留だな

 来週以降の白銀の様子を見てからになるかなぁ

 

 5つ目……そもそも白銀の実力がゲームの主人公の実力に程遠いから負けた

 これが一番ありそうかなぁと思っている

 彼の魔力の多さに関しては疑う余地がない

 だって、そうでなければ、金野がアタックを仕掛けている意味がわからん

 金野が最初に白銀に興味を持ったのが彼の魔力の多さからだから、少ない場合は金野が白銀にアタックを仕掛ける理由がない

 ゲームだとその魔力を放つことで、あたかも6大貴族がいるかのような囮を果たし、敵が来た瞬間、他の6大貴族によって敵を倒す

 確か、そんな感じだったと思う

 ではクラス間交流戦はどうだっただろうか?

 魔力を放出し、囮となろうとしたんだが、威力がとてつもなく低い魔法だった

 それによって、囮とばれて逆にワナを仕掛けられて敗北

 ……うん、どう考えても実力不足で負けた気がする

 この説、濃厚濃厚♪

 ってことはですよ?

 もしこの説が正しかったとしたらですよ?

 イベントは不思議な力で起きようとする……でも結果はどうなるかは決まっていない……ってことになりません?

 ………………あれ?

 ってことは主人公無双、俺TUEEが無くなるかもってことになるかもってことにならね?

 ってことはだよ?ってことはだよ?ゲーム内イベントで俺TUEEで解決してきたことも解決されないってことにならね?

 ……おいおい、そうなるとモブの死亡フラグがどこで乱立するかわからない状態にならね?

 やだもーー

 白銀が何かするってことになっても気が抜けないじゃんーー

 寧ろ失敗したとき、こっちにも被害を被ることを考慮する必要があるとか……

 白銀のすることに対してセーフティネット張り巡らす必要があるのか

 ……まぁポジティブに考えよう

 死亡フラグが立ってから気づかなくて良かったと

 

 まぁ何にせよあれだ、週明けの白銀の様子を見てからかなぁ

 あくまでもこれは、自分が考えている説であってその他の可能性もあるかもしれないし

 白銀についてはこれで終わり

 

 さて、今直面している問題について考えよう

 ……俺…………つけられているよね?

 クラス内交流戦が終わった後からつけられていたりする

 コソーリつけているっぽいんだが、俺に気づかれてしまう辺りそんな隠密に長けた人間じゃないっぽい

 心当たりはなぁ……色々有ったり無かったり

 このつけている人……追跡者さんがなんなのかによるんだが……

 追跡者がストーカー→俺に気づかれる辺り2流、1流ならば俺に気づかせることすらなくつけるはず

 ってことは、ストーカーになって日が浅い、クラス内交流戦からストーカーってなると考えられるのが、学生自らがストーカーになっている

 基本ストーカーする理由なんて、相場が決まっている

 好意から来るか恨みから来るかの二パターン

 好意?ないない、クラス内交流戦は負けたし、顔イケメンじゃないし

 そうなると恨みになるんだけど……恨み買った人は貴族だから、そんなストーカーとかすること無いと思うんだよなぁ

 唯一貴族でないのが、久留間だけど……木を殴って落とされて、そのまま黒姫にやられたってだけでストーカーになるまで進化するか?

 無い……よね?

 よし、ストーカーの線が消えた

 だとすると追跡者は探偵→ただ、こちらもストーカーと同じ理論で、探偵として2流

 クラス内交流戦で俺が恨みを買ったと思われる人が、みんなの前で好きな人がいるとばらされた火鳥とクラス内の権力が低下した6大貴族の面々

 でもだよ?

 彼ら彼女らが2流を使うか?

 なので、彼ら彼女らも無いと思う

 それ以外の可能性を考えて、茶包家の様子を伺おうとした人間が、偶々クラス内交流戦から俺をつけ始めた

 一応その線も考えて、今日、バイト中に夕パパ所長に聞いてみたんだけど

 

 「はははっ、ありえないありえない

 ウチに探りを入れるのに人を割くなら、他の6大貴族に人を割くよ」

 

 と一蹴されてしまった

 ちなみに夕パパ所長、毎週会うたびに若返って、動きも良くなってきている

 俺、若さ吸われてたりしないよね?

 後で鏡見てみよう

 

 まぁそんなこんなで心当たりは有るけど実行までするかってことになると無い状態

 ちなみにいつもは警察署の前を通っていくことで撒いていたりするが、今日も同じ感じで撒くか?

 それとも今日こそは捕まえる?

 うん、いつまでもつけられているっていう状態も嫌だし、そうしようか

 戦術はいつものやつでいいよな?

 角に曲がって気配を消し、ヤツが追ってきて俺の姿を見失って慌てているところに魔力封じの手錠をかける

 後はこちら魔力で強化した状態で肉弾戦

 ……あの時は慢心してただけだって

 慢心無しでいくからいけるはず

 

 

 

 

 ……ほらねー、イケタイケタ

 この基本的な戦術は使えるんだよ?

 ってことで、現在追跡者をうつ伏せにさせて、間接を極めている状態です

 ちなみに追跡者は男で、体格は普通……太ってもおらず、やせてるって程でもない身長も普通な感じ

 ストーカーだったらやだなぁ

 もしかして、間接極められているのもご褒美になるのかな?ストーカーだったら

 ……まぁそんな怖いことは考えないで行きましょう

 楽しい楽しい尋問の始まりです

 

 「どうも、はじめまして追跡者さん

 ここ数日知らない人にいつもいつもつけていただいて甚だ遺憾でございます

 つきましては、貴方様のお名前を教えていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

 追跡者さんやら貴方といつまでもお呼びするのも非常に面倒ですので……」

 

 「…………」

 

 だんまりですか……これは面倒くさそうだ

 ……とりあえずは挑発していく方向で進めましょう

 

 「えぇとすみませんが、何で私をつけていたのでしょうか?

 もしかして、そっちの趣味の方なのでしょうか?」

 

 「…………」

 

 「えっと……沈黙って言うことは肯定ですかね?

 でしたら、申し訳ないんですけど、俺にそっちの趣味は無いので他の方を狙って欲しいのですが……」

 

 「…………」

 

 「そうですよね?いきなり言われても困りますよね?

 わかりました!ならば俺の方から紹介いたしましょう

 知り合いにそっちの趣味の方がいらっしゃいますので、その方と連絡とってみますね?」

 

 「ぇ゛っ!!!?????」

 

 あ、初めて声出したね?でもまぁ知~らない

 電話だ電話

 

 prrrrr……prrrrr……

 

 『やぁモブ君、君が私に電話をくれるなんて珍しい……ってか初めてじゃないかい?』

 

 『どもども~、はじめてですよ~

 いや~ちょっと、ネルさんに紹介したい人がいましてですね』

 

 『ほぅ、私に紹介したい人ねぇ』

 

 『いえす、いえーす

 なんと、ネルさんと同じ系列の趣味を持っている人がいましてですね

 あろうことか俺が狙われてしまったんですよ

 ただ、残念ながらその趣味がないので、ネルさんを紹介したいなぁと』

 

 『ほぅほぅ、私と同じ趣味の人がいるのか……今日は素晴らしい日だな

 で、モブ君、君は何処にいるんだい?

 その人もそこにいるのかい?すぐさま迎えに行くよ?』

 

 『自分は警察署と学園の間の、……はい、そうです。そこにいますので、待ってますー

 はい、それじゃ失礼します~』

 

 「ちょ……待て」

 

 待ちません

 ポチッと通話終了

 ちなみにネルさんは『有閑長者クラブ』の対男性最強ストッパー

 従業員に手を出すお客がいたら容赦なくお仕置き部屋でそっち系の趣味に容赦なく引き摺り込むという最強のストッパー

 ちなみに俺が来てから出番は無く「何も無いって平和だけど、ちょっと寂しいわね」と呟いていたりする

 今は仕事だと思うんだけど、来るって言ったからまぁ平和なんでしょう?

 

 「なぁ……頼む、待ってくれよ……」

 

 会話する気になったの?

 どうしようかなぁ……今まで散々沈黙を通してきたのに、自分が危険な状態にいるとわかると助けを求める

 しかも、ストーキングしてきた相手に……それってどうなの?

 やっぱりここは沈黙返しですね

 

 「…………」

 

 「俺にそっちの趣味は無いんだ、頼むよ」

 

 「…………」

 

 「俺には婚約者がいるんだよ、なぁ、頼むよ、なぁ」

 

 「へー、婚約者がいて?人をストーカーする?

 はっはっは、またまたご冗談を……」

 

 「ホントなんだ、信じてくれよ」

 

 「名前も教えないって人にそんな話を信じてとか無理無理無理

 まぁそっちの趣味がなかったとしても、新しい世界が開けていいじゃないですか?」

 

 俺は開きたくないからご遠慮するがな

 

 「新しい世界とか……いや、もうマジ「もっぶくぅぅぅぅん」「あ、来た」……や゛ぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁ」

 

 ネルさん早いなぁ

 もうちょいかかると思ってたんだけどなぁ

 飢えていたのね?

 

 「この子?この子??」

 

 「いぇす、いぇーす」

 

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ」

 

 「ほんとにこの子、こっちの趣味なの?」

 

 「のぉぉぉん、のぉぉん」

 

 「本人は否定していますが、俺みたいな男をつけるようなヤツなので潜在的にそっち趣味だと思いますよ?

 後はまぁ従業員に手を出そうとしているので、ネルさんの管轄かなと……」

 

 「そうよね、従業員に手を出す輩は私の領分ね

 なら、仕事場のお仕置き部屋に連れて行かなくっちゃね」

 

 「びぃいぃぃぃっぃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 ネルさんへの引渡し完了

 俺、追跡者さんの新しい世界への始まりに敬礼

 

 

 

 

 

 15分後、ネルさんからの電話が来た

 

 『ごめん、私好みのいい男に目を奪われていた隙に仲間がいたっぽく、逃げられちゃった』

 

 おぅのぅ、追跡者リターンとか勘弁してよ?

 

 

 

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