22話
源さんの御飯で腹ごしらえはバッチリだ
ちなみに昼御飯はカルボナーラ頂きました
御飯も好きだけど麺類も好きなんよ?
ただ、いつも食べるってなると白米が優秀なだけだから、いつもは白米を食べるんであって……
たまには和食以外も……ね
まぁお腹が膨れたのでブラボー息子が来るまで寝ます
魔力回復のために
《天使の囁き》使いまくったからなぁ
昼御飯でいくらか魔力が戻ったんですけど、それでも若干心許無いので
ちょいとおやすみなさい~
時刻は13時ジャスト
寝てた時間は15分程度って所でしょうか?
最初のときに30分も寝ていたのは俺死んだーーーって思い込みの所為ってことかしらん?
ふむ
さってと、そろそろお客さんが来ますかねぇ
「モブ子ーー、お客さんが来たわよー」
あらま、調度ですか?
さって、お悩みでも聞きに行きますか
どうか簡単なのでありますように
「実は僕、先月に彼女が出来たばかりなんです」
ただいまプライベートルームでブラボー息子を事情聴取中
ふむふむ
ブラボー息子、年齢は16歳で初々しそうな少年
俺、2年前ってこんな初々しかったっけ?
で、先月終わりに、クラスが変わってもう話せないのかもと思い、好きな子に思い切って告白、OKを貰う
今週デートに誘いたかったけど、相手側の都合が付かず来週の土曜日に初デートと……
順風満帆と思われる少年であるが、彼の悩みってのが、
「僕とデートのリハーサルをしてください」
どうも初デートでがちがちに緊張しているよう
ただ、女性とデートは相手を裏切るので嫌
うん、初デートはやっぱり好きな人と一緒にしたいよね
ってことで、女だけど女じゃない女装男子の俺が代わりにデートのリハーサルに付き合って欲しい……と
男同士で?
……やだー
うん、此処は断るための常套句ですな
「ちょっと上司と相談させてもらってもいいですかい?」
デートのリハーサルとなれば、まぁ此処から出なきゃいけない
ってなると、上司の許可が必要になってくる
所が、上司の許可が得られなければごめんねぇで角が立たなく断れる
完璧や
「ぉぅ、いいぞ」
ドヤ顔の俺氏、瞬殺で外出許可が認められて愕然とする
しくしくしく
俺氏、泣いて訴える
「男同士でデートとかマジ勘弁してください
後、デートって事は俺、女装の格好でしょ?
ただでさえ、黒歴史現在進行形なのにこれ知り合いにばれたら生きていくのがとても辛いっス」
「……ぉぅ……行ったら、さっきの減給無しにするぞ」
そんな伝家の宝刀抜かないでーーーー!!!
「もう一声無いっすか?」
「出来高1万円+デートで使ったお金は全て経費」
「モブ子、了解しましたー
頑張って外出してきますー」
お金のために黒歴史追加確定
なぁに知り合いにばれなきゃいいのよ、ばれなきゃ
ってなると、ここらへん以外でのデートスポットになるかな?
まぁブラボー息子がどこでデートするかってのを聞いてからか
ここらへんになるとそれは無理矢理にでも修正させていただきます
自分の生活がかかっていますので
「外出許可貰ったので、リハーサル大丈夫だよ」
「ほんとですか?ありがとうございます」
「ちなみに、どこでデートをする予定なの?」
「予定では隣町でしたんですが……」
よーしよしよしよーし
ふぅセーフ
なら、後は隣町に行くまでに知り合いにばれなきゃOKってことですな
「了解。なら、隣町までの移動は電車?」
「はい、その予定です」
「なら、駅前の時計に14時集合って感じでいいかな?」
「はい」
「それじゃ、こちらも準備があるから、14時までは各々で」
「はい」
さってと、どうしますかねぇ
服装これでいいかな?
「モブ子ーーー!」「話は聞かせてもらったゾ」「デートの格好でお悩みのようなら」「このお姉様たちに」「任せるんだ!!」
なんで、聞いているんすか?
「なぁに午前でお客様が帰させられた恨みはらさでおくべきか、と思ってな」
未だ恨み続いてたぁぁぁ!?!
お姉様方、なにやら手をわっきゃわっきゃしてらっしゃるぅぅぅ!??
本日2度目の着せ替え人形タイム突入です(白目
「春らしく桜色のワンピースでどうだ!?」「あり」「いいね」「問題なし」「OK」
「んじゃ爽やかな感じの帽子をあわせて」「靴は」「ハイヒール」
「却下!それ履いて、俺、歩けません」
「んじゃスニーカーか」「化粧は」
「勘弁してください」
「下着の上は?」「Tシャツ没」「ならスリップ?」「把握」
お姉様の電光石火の攻撃
ひゃん
俺氏、半裸にさせられる
「下は?」
「いやいやいやいや、これだけは変えちゃいけません
それやったら、女装男子の領域を超えてしまいます」
そして、ハズカシさで死んでしまいます
「了解」「把握」
俺氏、パンツゥだけは死守
外行き用モブ子、完成~♪
……恥ずかしすぎる
下がスースーするよぅぅぅ
とりあえず、自分だと一発でばれないように伊達眼鏡装着
「ぉぅ、似合っているな」「ぶぅぅらぼぉぉぉ~」「ホントに女装?」「性別偽ってない?」
似合っているってのは褒め言葉なのでしょうか?
どうも男らしさがなくなっているのではないのかと悩みます
……これが薄お姉ちゃん先輩が感じた滲み出る弟オーラということなのでしょうか?
ちょっち凹む
時刻は13時35分
うん、駅まで10分程度だから調度かな?
「行ってきます~」
さって、駅前到着……少年は……いないのか
早く来てくれ~
知り合いにばれたくないんだよ~~
15分経過~
ぴきぴきぴき
遅刻だ……と……
知り合いを見かけるたびにこちとら心臓ばっくんばっくんなのに
あんにゃろうは一体どこで油を売っている?
さらに5分経過~
よし、もう帰ろう
遅刻するやつなんか知らん
あんにゃろうが振られようが知ったことではない
「すみません、お待たせしました」
「私、帰りますね」
「ぇ?ちょ、ちょっと待ってください」
「遅刻とか最低です
もう、テンション駄々下がりです
帰りたいです」
「すみません
家の方でちょっとごたごたしてまして」
「……はぁ
ちょっと遅れる場合でも、相手に連絡した方がいいよ
私みたいに5分の遅刻で帰る人もいるし
まぁ今回は私の連絡先を知らないからしょうがないか」
「はい、すみません、気をつけます」
「ちなみに、早目に来て待つなら30分ぐらいが妥当って話らしい
それ以上長いと逆に引かれる可能性があるから
それじゃ、遅れた分、ささっと移動しますか?」
「はい」
電車に揺られている間、暇なのでデートプランを聞いてみる
お金持ちのデートってどんなんだろう?
「いえ、普通のデートですよ?」
「そういうもん?」
「はい、親は確かに金持ちですけれど、僕が稼いでいるわけじゃないので、ぽんぽんとお金を使うような真似はしたくないですし」
「ほー、ちなみに何処に行く?」
「遊園地に行こうかと……」
「……マジで?あの鬼門として有名な遊園地に?初デート?」
「ぇ?遊園地ってやばいんですか?」
「う~ん、君と彼女、どっちが良く喋る?」
「僕の方が割かし喋っている感じです」
「ふぅむ、貸切にするわけじゃないんだよね?」
「当たり前ですよ」
「なら、実際に行って体験してみた方がいいかな?遊園地の恐怖を」
「恐怖って……僕、ホラーには強いんですからね?」
ほぅ
では遊園地の恐怖を味わってもらいましょうか
時刻は14時35分
遊園地に到着しましたよ
うむ
いい感じで混んでる
これは、遊園地の恐怖を味わえますな
入場時に領収証は切ってもらってます
「さて、乗りたいものってある?」
「えっと、ここに来たからやっぱり人気のジェットコースターに乗りたいかなぁ」
カツラ飛ばないよな?
……あれ?そういえばダメだっけ?カツラしたままって
「あー、それは一人で乗ってきてくださいな」
「え?なんでですか?」
「いや、私、女装男子
ウィッグつけてる
絶叫系はウィッグはダメのはずだから」
「あー、そういえばそうですね
女装しているのをすっかり忘れそうでした」
しくしくしく
男らしさそんなにない?
「一人で行くのは楽しくないので、代わりに鏡の迷路に行きませんか?」
「いいけど、今30分待ちだけど、いい?」
「はい」
遊園地の罠に嵌った
「さて、少年、此処で問いだ
今30分待ちとなっていたんだが、この間はどうする?」
「えっと適当に話をすればいいんじゃないですか?」
「30分間もつ?」
「え?」
「これが遊園地の恐怖の正体
遊園地のアトラクションの待ち時間の間ってやることが無いんだよねー
しかも風景も変わらないから話のネタも拾いづらい
最初の30分程度なら問題ないかもしれないけど、それが1時間2時間になるともう大変」
妹と来たときは、話をもたせるのに苦労しましたよ
妹が天使過ぎたので、俺の詰まらない話も笑って聞いてくれたんだがな
「あ」
「では、逆に余り人が遊園地に来ていないところへ行くと目玉アトラクションが無い事を意味しているため、楽しんでもらえない可能性が高い」
「えっと、遊園地詰んでません?」
「2時間ぐらい喋れる上級者、または話が無くても特に問題ない上級カップルであるなら、問題は無いと思ってる
さて、君たちはそれに当てはまったりは?」
「してないですね」
「なら、遊園地は鬼門ですなー
暫くは避けた方が無難だと思いますよ
お互い黙っているとそのうち何か話さなきゃいけない雰囲気になりテンパッて碌でもないこと口走ったりするし」
「あー、それじゃ何処にデートするのがいいですかね?」
「待ち時間が発生しないような所が基本じゃないかな?
水族館みたいな?植物園みたいな?本屋とかでもいいし?
まぁ無難な所では映画にウィンドウショッピングじゃないかな?
映画だと上映中は話さないで2時間以上経つし、その後カフェとかで感想言い合ったりできるし」
「う~ん、なるほど
後他に僕に対して気づいたことってありますか?」
「私に対しては問題は無いんだけど、多分足がちょっと速い
女性だとそこまで速く歩けないから、ちゃんと彼女を見て歩くように」
「はい」
「あぁ、でも彼女と手を繋いで歩くからそこらへんは心配要らないかな?」
「ぇ?繋いでいいんですか?」
「友達同士だと微妙……ってかダメだと思うけど、彼女ならいいでしょ?寧ろ繋がないとヘタレ?」
「ヘタレ……ですか……頑張ります」
「あ、今リハだから、繋がないでね」
とりあえず、気になったこととかを言ってみる
しかし、遊園地を入ったときからだけど、何か視線を感じるような……
お姉様方なら未だいいんだけど……知り合いじゃぁ無いよね?




