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モブキャラライフ  作者: リエッタ
本編
21/77

20話

 午後は茶包夫妻の昔語りになりました

 このバイト……ホントにこんなのでいいのか?

 これでちゃんとお金もらえるのか?

 気にはなるけど、二人の世界に行ってるし……まぁいいか

 

 「夕君」「かえちゃん」

 

 それからずっと見詰め合っているんだけど楽しいんだろうか?

 俺、彼女いない暦=年齢だから良くわかんない

 

 さて、茶包夫妻が二人の世界へ行ったことによって、暇になった俺と先輩

 なので、会話をしてましたよ?

 まぁお姉さんだからということでからかわれましたがね……

 何か反応が楽しいらしいです

 でも、あの話を聞いた後でですよ?

 

 「メシマズ料理作ってあげようか?」

 

 って聞くのは卑怯だと思います

 顔が赤くなるのも仕方がないと思います

 えぇ

 

 そして、先輩のメシマズの原因が会話中で判明

 ってもクッキーを作った時の事例だけですが……

 どうも、先輩、辛党らしい

 クッキーを焼く前に、ハバネロを入れたらしい

 生地をこねるときに入れなかったのは、手がやばいと察知したとか……

 おい、ちょっと待て!

 手がやばくなるものを口に入れていいのかよ

 まぁそんなこんなで、はい、メシマズクッキー完成

 ちなみに出来たクッキーは小学生の同学年の男子に配り、昏倒させたとか

 以来、メシマズの称号を手にしたと……

 しかしこの先輩、マジで子悪魔である

 

 

 

 

 さて、そろそろ時間ですので買い物に行かないと

 ってことで、茶包夫妻を元に戻さないと……

 

 「先輩、先輩の両親を元に戻すことって出来ます?

 そろそろ、買い物に行く時間なので、商店街へ行くって言ってた以上、戻ってきてもらわないと……」

 

 「あー、無理無理

 こーなっちゃったら、私でも無理

 多分、後1時間ぐらいはこの状態じゃないのかな?」

 

 「……諦めますか

 それで、先輩は商店街についてくるんですよね?」

 

 「うん、行くー」

 

 「変装とかして行きますか?」

 

 「?なんで?」

 

 「先輩、有名人じゃないですか?

 6大貴族の一人娘って……

 なら、ばれない様に変装か何かをしていくのかなと……」

 

 「う~ん、大丈夫でしょ

 ウチ、6大貴族の中じゃ目立ってないし

 まぁ、何かあったも、守武君が守ってくれるでしょ?」

 

 「俺、強くないですよ?」

 

 瀬戸さんに軽く潰されるくらいの弱さですのん

 

 「そっかー

 じゃあ、私が守ってあげよう

 お姉さんに任せなさーい」

 

 あれ?

 何かおかしくない?

 まぁいいか

 

 「わかりました

 それじゃ行きますか」

 

 「おー」

 

 

 

 

 さて、現在商店街への道半ば

 道中、適当に会話をしている中で、こんな質問が来た

 

 「守武君って、兄弟姉妹いる?」

 

 「妹が一人いますよー」

 

 「可愛い?」

 

 「滅茶苦茶可愛いですよ?

 私がこっちに来る前は、いつも告白されていましたよ

 まぁ全部俺が蹴散らしていましたが……」

 

 「あらま、過保護だねぇ」

 

 「ん~、でも先輩も見たら、そうなると思いますよ?」

 

 「そんなに?」

 

 「ですです」

 

 「へー、やっぱ妹いるといいもん?」

 

 「まぁ色々と大変でしたが、楽しかったですし、いいもんだと思いますよ

 どうしたんですか?」

 

 「いやぁ、私もお姉ちゃんになりたかったなぁって」

 

 「あのご両親なら、弟が妹が欲しいって言ったら作るんじゃないですか?」

 

 「そうなんだけどねぇ……

 今作るとなると、流石に年が離れすぎちゃってて、親子だって思われるのがちょっと……」

 

 「そうですねぇ」

 

 「だから、守武君の妹、頂戴」

 

 「断固、拒否します!!!!」

 

 「じゃあ、守武君が変わりにお姉ちゃんって呼んでくれてもいいのよ?」

 

 「なんでですか~」

 

 「どうしても……嫌?」

 

 「別に嫌って事ではないんですけど……

 とある本曰く、『妹弟がいて初めてお姉ちゃんになる人間なぞ、真のおねえちゃんではない!

 お姉ちゃんっぽい人間こそお姉ちゃんである!!』って

 なので、別に先輩をお姉ちゃんと呼ぶのに、違和感はありますが抵抗はあまり無いんですよ

 ……逆に俺が弟でいいんですか?先輩は……」

 

 「うん、寧ろウェルカム

 はじめてあったとき、「これはいい弟だ!」ってパッションを感じたし」

 

 「ぇ?俺、一応兄なのに?」

 

 「うん」

 

 のん

 つまり、俺は真のお兄ちゃんではないということか……

 精進しよう精進

 

 「ってことで、お姉ちゃんって呼んで?」

 

 「お……お……おね……」

 

 「後ちょっと、後ちょっと」

 

 「先輩、提案があります」

 

 「先輩……くっ……で、提案って何かな?」

 

 「今まで、先輩だったのでなかなかお姉ちゃんの切り替えが難しいので、『お姉ちゃん先輩』でどうでしょう?」

 

 この提案になにやら考えている様子

 うん、でもこの『お姉ちゃん先輩』って長いな

 言うの面倒な気がしまくる

 なんか済崩しでお姉ちゃんになりそうだ

 

 「私の脳内会議での結論です。

 『お姉ちゃん先輩』断然ありだと思います

 さぁさぁさぁ」

 

 「茶包お姉ちゃん先輩」

 

 「茶包は却下です

 お姉ちゃん度が-300ポイントです

 薄お姉ちゃん先輩で」

 

 「薄お姉ちゃん先輩」

 

 「おぉ、いい……凄くいい」

 

 薄お姉ちゃん先輩、なにやらとても満足そうな顔です

 

 

 さて、そんなこんなで商店街に着きました

 献立はもう考えていますので、材料を買うだけです

 先ずは野菜~

 ジャガイモ、人参、たまねぎ、牛蒡……緑が足らん

 あ、春菊

 ……タラの芽もあるからこれも

 キャベツも忘れてはいけない

 野菜の後は卵に小麦粉、豆腐にナメコ

 高そうなのを買っちゃえ~

 スポンサーがいるって素晴らしい

 お金を気にしなくて買える

 

 「薄お姉ちゃん先輩~お米ってあります?」

 

 「あるわけない~」

 

 いい笑顔が返って来た

 『お姉ちゃん先輩』のこうかはばつぐんだ

 

 まぁお米がないなら次は米屋~

 米屋の親父から高い米500gを購入

 

 後はメインの魚~

 魚屋の親父さんに献立を言い、それにに合う魚を見繕ってもらった

 その魚は3枚おろしにしてもらい、頭と骨もゲット

 

 

 

 よし、購入物に不備なし

 研究所に戻って久しぶりに本気を出して御飯を作りますか

 

 

 

 

 

 

 ……

 研究所に戻ったけど、まさかの調理道具が無かったよ?

 当然、調味料も無かったよ?

 ですよねー

 そこは茶包本邸から執事さんに持ってきてもらいました

 使用人の皆様、申し訳ございません

 では、気を取り直しして調理開始します

 

 

 

 

 

 

 ふぅ

 久しぶりに全力で調理したけどいいものですな

 そして、人に見られて作るって意外と緊張した

 とりあえず、たまねぎさんに皆泣かされました

 ヤツ、強すぎだろ

 さて、献立ですが……まぁ、この材料なら簡単に予測できますよねー

 とりあえずはこんな感じです

 

 白御飯

 魚の頭で出汁をとった豆腐とナメコの味噌汁

 刺身

 魚のフライ

 骨せんべい

 野菜のかき揚

 タラの芽の天麩羅

 キャベツの千切り

 豆腐の冷奴

 

 二人の世界に入ってた茶包夫妻も戻ってきて、食卓に着く

 調味料や調理器具を持ってきてくれた執事さんも一緒に食卓に着く

 執事さんは色々と渋っていたけど

 

 「アットホームな職場に執事はいない

 ってなわけで、一緒に食べるぞ、これ当主命令!」

 

 と楓ママ当主、の鶴の一声で執事さんも食卓に着くことになった

 あ、楓ママ当主ってのは、俺が「薄お姉ちゃん先輩」を言っているのを聞いて、「じゃぁ私には楓ママ当主って呼んで」って

 それを聞いた茶包夕所長は「なら、僕は夕パパ所長で」ってことになった

 ……うん、ホントこの家族、仲良いね

 そしてこの流れで執事さんも一文字おじじ執事に……

 おじじ執事って言われて……すげー混乱してた

 ほんとにすまぬ、すまぬ

 

 5人食卓に着き

 

 「「「「「いただきます」」」」」

 

 どうやらそこそこ好評のようで皆さん次々に箸をつけていった

 一安心です

 骨せんべいを食べた夕パパ所長が一言

 

 「お酒が欲しくなるねぇ」

 

 ぉぅのぅ

 気が付かない息子(仮)で申し訳ない

 あー、でも俺18歳

 お酒買えない

 と思っていたら、おじじ執事が本邸に電話してビールを持ってきた

 メイドさん、すまぬ、すまぬ

 で、メイドさんも楓ママ当主の鶴の一声で食卓に着くことに

 呼び名は由貴お姉ちゃんメイドに

 そして、こちらもお姉ちゃんメイドといわれ困惑気味

 すまぬ、すまぬぅ

 

 

 

 

 「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」

 

 無事完食

 どうやら自分の作る料理は6大貴族の舌にもある程度通用するらしい

 ほっ

 後片付けが終わると20時になりバイト終了の時間になった

 ……ほんとにバイトってこれでいいのか?

 

 「夕パパ所長~」

 

 「なんだい守武君?」

 

 ちなみに、俺に対しては呼び名は変わってない

 変えようとはしたんだが若干の照れと、執事さんの涙の懇願がありました

 

 「当主代行……6大貴族の威厳がなくなるので、止めて下さい……後生ですから……」

 

 執事って大変なんだなぁ

 俺には出来そうにないかも……

 

 「バイトの終了の時間ですが、ほんとにこんなんで良かったんですか?」

 

 「あ……そういえばバイトだったね」

 

 「午後からは、ほとんどバイトらしいこと出来なかったんで、減給ですよね?」

 

 「いやいや、午後からのはほとんどこちらの責任だから減給はしないよ

 本来の目的とは違ったけど、こちらも凄く楽しかったし

 ただ……たった1日なのにホントに家族っぽかったなぁと……

 はい、これバイト代ね」

 

 「ははぁ」

 

 我が手中に2万円

 

 「ところで、守武君

 相談なんだが、またこのバイトをしてくれたりする?」

 

 「喜んでー

 ただ、空いてる曜日が土曜日しかないのですけどいいですか?」

 

 「うんうん

 それじゃ来週もよろしくね」

 

 「はい、それじゃ失礼します

 夕パパ所長、楓ママ当主、薄お姉ちゃん先輩、一文字おじじ執事、由貴お姉ちゃんメイド、またね~」

 

 

 こうして茶包研究所のバイトが終わりを告げる

 

 しかし、まだ20時

 どうしよう……時間がまだ、一杯あるぞ

 ちょっと鍛錬した後寝ますか

 

 

 

 

 明日は、有閑長者クラブで一日中女装か……

最近時間が経つのが早過ぎるorz

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