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モブキャラライフ  作者: リエッタ
本編
18/77

18話

 ただいまバイト中

 本日は男性をもてなす日ということで、『有閑長者クラブ』のスタッフさんは女性がほとんど

 挨拶をしたらなんだか友好的っぽい

 ありがたや~

 って感謝してたら

 

 「支配人~、この子、男の娘として接客させるの?」

 

 ふぁ????

 お姉さん??

 なにやら酷い爆弾を放り込みませんでしたか??

 支配人さん、拒否ですよね?

 当然拒否ですよね?

 誰もモブの男の娘なんて見たくないですよね?

 

 「ぉぅ、それはいいな」

 

 ふぁ?????

 ちょっと支配人さん???

 貴方一体何を言っていらっしゃいますかわかってますか?

 

 「ちょ……そんな契約聞いてないですよ?」

 

 「ぉぅ、そりゃ、今思いついたからな」

 

 「いやいやいやいやいやいやいや

 大体俺の男の娘なんて、誰得ですか???

 誰も得しませんよ??

 そんなの見たい人なんていませんよ????

 お店の評判下がりますよ?

 なんか変なのを接客に使ってるって

 だから、ね、止めといた方がいいですよ!????」

 

 「だが、ニーズがあるかもしれないだろ?」

 

 「縦しんば、ニーズがあったとしてもですよ、何故に人選私ですか???

 私が男の娘になれるわけ無いじゃないですか

 私がやったら、男の娘じゃなくて女装男子でしかないですよ??

 きもいって一蹴されて終わりですよ????」

 

 「ぉぅ?男の娘と女装男子って何が違うのだ?」

 

 「俺が考える定義ですが、ガチと遊びです

 男の娘はホントに思考が女性で美に対する手入れ等をしっかりするガチな人

 対して、女装男子はただ単に女装した程度でいわば遊びの類

 なので、俺的みたいな人間が男の娘で接客したら、ホントの男の娘に怒られるますよ?

 この店訴えられてもおかしくないですよ??」

 

 「ふーん、んじゃ女装男子で接客で」

 

 「んがぁぁぁぁぁっぁぁ!!!!

 だから、俺が女装しても誰も得しませんってよぉぉぉぉ?????」

 

 「時給上げるよ?」

 

 ぇ????

 まさかの俺が得するの????

 え??

 

 「ちなみに時給おいくら上がるのですか?」

 

 「ぉぅ、500円UP」

 

 500円UP……

 25%も上がっていいのかい?

 たかが、女性の服を着るだけで25%UP

 むむむ

 

 「とりあえず、期間は今月一杯……ニーズがありそうなら続ける」

 

 店的にはまぁ1ヶ月だけニーズの調査みたいな形になるのか……

 1ヶ月程度ならそんなに被害もない……のか?

 ってなると、後は俺だけの問題なのか

 まぁ女装男子なんて、ニーズあるわけないよね?

 うん、裏方で女装してて25%UPなら別にいっか

 ただし、快諾をしてはいけない

 快諾したら次に何を要求されるかわかんないからな

 渋々うける雰囲気バリバリで

 

 「し、仕方がないですね。今回だけですよ?

 一ヶ月で女装男子のニーズがあることがわかっても、その後俺がやるわけじゃないですよね?」

 

 「ぉぅ、その時は相談だ」

 

 「じゃぁ今月だけ……しょうがないのでやりますよ」

 

 「ぉぅ、ありがとな」

 

 女装男子をすることが決まった瞬間、お姉さんズに衣裳部屋に拉致られましたよ?

 着せ替え人形させられまくりですよ?

 メイクは断りました

 うん、女装に目覚めたくないしー

 なんとなく、相手を騙している感じがしてメイク自体に良い印象がないんだよねー

 まぁ女装している時点で何を言っているんだって話ですが

 後、におい

 キツイにおいは良い匂いだろうが、嫌な臭いだろうが無理ですので香水もつけてません

 カツラはつけましたよ?

 お姉さんの趣味でサイドポニーなやつを

 服装に関しては色々な紆余曲折がありました

 ただ、相手がお金持ちだろうということでメイド服は却下

 白衣もありましたが、女装っぽくない

 お姉さんたちが着ている服はきらきらしているけど、俺には似合わない

 職業系の服装は、下手なコスプレにしか見えず、店の雰囲気にも合わないため却下

 ってことで、学園の女性の制服になりました

 ……おんなじ学校の人間にこの女装している姿を見られたら変態扱いまっしぐらかな?

 ……まぁ言い訳ならいくらかできるからまぁ灰色の学園生活はの回避何とかなるかな?

 まぁいいや

 どうとでもなぁれ

 

 ってことでホステス モブ子 爆誕!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただいま営業時間です

 ど~せ指名なんて来ない

 裏方頑張るぞいとか思っていたら……

 

 「モブ子~指名入ったわよ~~」

 

 なんて、おかしな声が聞こえちゃったよ?

 馬鹿な……モブ子で登録しているんだぞ??

 何故に呼ばれるん??

 女装男子ってちゃんと書いてあるんだよ??訴えられたくないからね?

 何故に呼ばれるん??

 慢心か?

 指名なんて来ないなんて慢心していたせいなのか?

 ここは、「え?なんだって?」で抜けられないかな?

 ……どう考えても無理だよね?

 仕方がない

 プランA、酔いつぶせばきっと何とかなる

 酔いつぶして相手がセクハラに走ろうとしたら、笑顔でフォークで刺しちゃうぞ☆、で行きますか

 それでもセクハラに走ろうとしてきたらプランBの嘘泣き+上目遣いで相手を制止

 それでもダメだったらプランCで裁判で訴えちゃうぞ☆

 セクハラしてきたらプランDで警察へ被害届を出そう

 裁判になったら、その家はホモ一族って烙印を押されるから……まぁ、金持ち一家滅ぼせるな

 はっ

 コレですね?瀬戸先生

 二手、三手先を読むのですね?

 コレを戦闘にも組み込む感じにする必要があるのか

 ふむ

 まぁ今は置いといて接客ですな

 ボイスは既に《大天使の囁き》発動済み

 女装男子だから俺は封印、一人称は私ですかね?

 

 「は~い」

 

 とりあえず、女装男子なんて指名する奇特な方を拝見させていただきましょう

 ……ショタっ子??

 ???18歳未満ですかね??

 プラン全て壊滅ですか??

 

 「ご指名ありがとうございます~モブ子です。よろしくお願いいたしますね~」

 

 「よ、よろしくお願いいたします」

 

 あらま?

 どうやら緊張しているみたいですね?

 

 「お客様は緊張しているみたいですが、こういう場所は初めてですか?」

 

 「あ、はい」

 

 「基本は会話を楽しむ場所なので、あまり緊張せずに

 リラックスするためにも何か飲みますか?」

 

 「あの……」

 

 「?彼氏ならいませんよ?彼女もいませんよ?」

 

 「そ、そうじゃなくて……」

 

 ふむ……どうやら、人前では聞きにくいことなのかな?

 

 「言いづらいことでしたらプライベートルームに行きますか?そこなら防音ですので、何を言っても大丈夫ですよ?」

 

 「あ、お願いします……」

 

 ってことでショタっ子1名様をプライベートルームにご案内しま~す

 案内途中で、源さんに飲み物、注文

 ショタっ子にはリラックス効果のあるホットミルクを

 自分用にはショタっ子がお金を払ってくれるかもしれないけど、払ってくれないかもしれないから普通の水

 「激伸水」というのが気にはなるんだけど一杯2500円とか無理っす

 源さんから飲み物を受け取って、プライベートルームに到着

 ってもプライベートルームにはほとんど何も無いんだけどね?

 机があり、椅子が対面に配置されているだけ

 部屋の広さも広くなく、4人が入れば一杯な狭さ

 上座下座については良くわからないから、適当にショタっ子に座るように促す

 さて、こちらも椅子に座ってみたんだが一向に喋る気配がない

 

 「とりあえず、暖かいうちに飲んで飲んで」

 

 「あ、はい」

 

 一口、二口ホットミルクを飲んでいるんだが、一向に喋る気配がない

 ……私の相手ってコミュ障多い?

 そういう星の生まれなのかな私?

 しょうがない、こちらから話を振るか

 このままでも、お金はもらえるから別に問題は無いんだけど、なんとなく不味そうな気もする

 

 「それで、私に聞きたいことって何?」

 

 「あ、その……どうして、女装なんてしているんですか?」

 

 ふ~む

 なんとなく本当に相談したいことが読めた気がする

 さて、どう答えるのが正しいのですかねぇ

 

 「まぁお金のためですね」

 

 「お金……ですか」

 

 「そそ、私はお金が必要だからね。時給500円UPならまぁいいかなって」

 

 「その、恥ずかしさとかはないんですか?」

 

 「う~ん、まぁスカートだから足元がスースーするとかはあるけど、別に?」

 

 「その、女装するのに抵抗とかって」

 

 「別に無いかな?」

 

 「なんで?」

 

 「女装して失うものが私には無いから」

 

 「失うものが?」

 

 「そそ、さて、少年、君は女装をすることで失うものって思いつきますか?」

 

 「男子としてのプライド、親しい人からの信頼」

 

 「私は別に男だからどうだっていう、プライドなんてもともと無いし、

 親しい人からの信頼といっても、此処には一人暮らしで来たばかりで友人すらいないから信頼も何もない

 まぁこのことが親に知られたら信頼は失うかもしれないけれど、バイトっていう後ろ盾があるし、

 それに説得する材料とかもあるし、特に問題は無いと思っている」

 

 「その説得する材料ってなんですか?」

 

 「多分君が使える回答ではないと思うよ」

 

 「ぇ?」

 

 「勝手に君の事情をゲスパーしてみた

 まぁ、ただの予測でしかないんだけど、その予測があっていれば、君が欲しい回答になるとは思えないんだけどそれでも聞く?」

 

 「はい、お願いします……」

 

 「まぁ私ら庶民は今は学生だけど、卒業したら働かなくちゃいけない……面倒だけど

 親がお金持ちって訳でもないから、しょうがない……誰も養ってくれる人いないからね

 じゃぁ、将来どうやってお金を稼ぐかってことだが、これはまだ決めてない

 これを決めるには自分の適正を知る必要があるわけだ。

 何に向いていて、何に向いていないのかを……

 で、私に女装が向いているとしよう

 そうすると働く為に必要な武器を手に入れたことになる

 例えば、女性のみしか入れないところに入って、潜入調査をするとか……私の仕事の幅が増えるわけだ

 だから、働く前の今だから色々なことをしてみようって考えてる

 これが、説得する材料……君にはこれは使えないでしょ?」

 

 「そう……ですね……ちなみに僕の事情を予測ってどんな予測ですか?」

 

 「先ずは此処、『有閑長者クラブ』に来ることからお金持ちの少年

 女装男子である私を指名することから、女装に興味がある、または女装趣味である

 また、可愛いものに興味があり、男らしくないことに疑問……いや、不安を覚えている

 それゆえ、親から此処を薦められた

 親の目論見としては、女の子からちやほやされる楽しみを覚え、男らしく生きてもらいたいと

 で、此処に来た君は女装男子を指名する

 まぁ予測したのはこんな感じ」

 

 目をまん丸にするショタっ子

 当たってたカナ?

 

 「凄いです。見てきたのってぐらい当たっています」

 

 「まぁよくある話だよ」

 

 「あるんですか?」

 

 「まぁ友達から聞いたことがあるぐらいだけどね」

 

 「その人はどうしたんですか?」

 

 「背負うものがないからその道へ進んで行ったよ」

 

 「僕は……どうすればいいんでしょうか?」

 

 「まぁ女装への道をオススメはしないね

 君の場合は失うものがでかすぎる」

 

 「僕の……失うものですか?」

 

 「そそ、最悪のケースを言ってもいいかい?」

 

 「はい……お願いします」

 

 「君が女装をして、誰か友人知人に見られて、知れ渡って信頼を失う……これは自業自得だ

 だが、その所為でとばっちりを受ける人がいる

 まずは家族

 息子にそういう趣味を持った人がいると知れ渡ると、そういう教育をしているのかと疑念を抱かれる

 すると、そういう関係の人が君の家族の仕事に関わるかもしれないが、一般の人は逆に離れる

 経営が行き詰まり、借金が増え、従業員を首にし、それでもダメで、母親が離婚届を出して一家離散

 君は借金取りに終われる生活になる

 これが私が考える最悪のケースかな?」

 

 「僕が女装するだけで……そんなことに?」

 

 風が吹けば桶屋が儲かる並に怪しいんだけどな

 

 「まぁ最悪のケースだけどね」

 

 「回避できる方法ってないですかね?」

 

 「1つ目は何もかもを捨てることかな……

 まぁ親と話して理解が得られなければ、縁を切って一人で生きていく茨の道

 そうすれば、君が何をしようと君だけの問題で終わる

 ただし、親の援助なく一人で生きていく必要がある」

 

 「それは……ちょっと、辛いかもです……僕、親のことも好きなんです」

 

 「ただ単に女装をしてみたいってだけなら、何も問題なく出来る方法はあるよ

 ただし、待たないといけないけどね」

 

 「教えてください」

 

 「少年は、学生だよね?」

 

 「はい」

 

 「文化祭で、催しとかってする?」

 

 「はい」

 

 「じゃぁ、こういう提案はどうかな?劇、または執事、メイド喫茶」

 

 「え?」

 

 「ただし、男女逆転で」

 

 「!!!!」

 

 「そうすれば、学園の催しの為に、女装をするという大義名分を得られる

 しかも、クラスメイトも巻き込んで」

 

 「おぉ!」

 

 「そのためには発言力を強くする必要があるね……まぁ人望のことね

 そうすれば、少年が言うからやってもいいかなって空気を生み出させることが出来、選ばれる可能性が上がる」

 

 「でも学園祭は10月でして、遠いのですが……

 それまでにこの気持ちが薄れてしまったら……」

 

 「所詮その気持ちはその程度だって事

 そんな気持ちしかないなら、別に男女逆転の催しなんてする必要ないじゃん

 その時は、その時にやりたいことをすればいいじゃない?」

 

 「!!お……兄さん?まさに目から鱗です

 ありがとうございます」

 

 「いぇ……どういたしまして」

 

 あとは、2時間ほどお喋りして少年は帰っていった

 うん、可愛いものグッズを見せて、ひたすらこれ可愛いでしょ?を聞かされてましたよ?

 そのあと、そのキャラについて熱く語られました

 

 

 

 

 こうしてバイトで初の接客は終わった

 少年がこの後、どんな人生を選んでいくのかはそれこそ神のみぞ知る

 なんかお悩み相談っぽいけどいいのか?

 

 

 本日のバイト終了で給料を貰った

 諭吉様が2枚

 時給2500円×5時間+出来高7500円?

 いかん

 ニヤニヤがとまりません

 明日、ってか今日は茶包研究所でバイト

 まぁ早くおうちへ帰って寝ましょう

 

 

 

 

保存し忘れ三回目~

まるで学習しないorz

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