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3:魔石錬成

教会を出た後、何事もなく家に戻った俺はさっそくスキルを使ってみることにした。


「うおおおぉ!俺のこの手が唸って輝く!来い!魔石錬成!!」


ちなみにスキルはスキル名を言えば使えるらしい。他の部分は一度やってみたかっただけだ。


スキルを使うと手の中に赤いおはじきくらいの石が現れた。これが魔石か!


「おっちゃん!この魔石ってどうやって使うんだ?」


「どれどれ・・・ほうこれは火魔石だな。これならいいものがあるぜ。」


そう言うと、おっちゃんはかまどの所に置いてあった筒状の道具を持ってきた。


「これは着火の魔道具だ。ただ魔石を使うよりも何倍も効率的に使えるんだぜぇ?」


おっちゃんが取っ手の部分の外して魔石を中に入れる。

そして、スイッチの部分を握ると筒の先で炎が勢いよく燃えている。


(異世界版チャッカマンって感じだな・・・っていうか魔石って日常生活で使われてんのね)


「おっちゃん!その魔道具って一般的に使われてるもんなの?あと魔石って買えるの?」


「ああ便利だからほとんどの家で使われてるぞ。魔石を交換すればずっと使えるからな。

だいたい銀貨3枚くらいで買える。火魔石はこの大きさだと銀貨1枚だな。節約して使えば1月は使える。」


(詰め替えタイプか!しかし火魔石1個銀貨1枚(1万円)か・・・・1日にどれくらい魔石が作れるかはこれから試してみるつもりだが、俺これ売っていくだけで暮らしていけんじゃねえか?)


1日1個としても1月で30万円は稼げる計算になる。1人の生活費としては十分過ぎるものになるだろう。

・・・普通の生活を送るのであれば。


(いや、ダメだ!あのクソ女に目を付けられている現状ではお金はいくらあっても足りない・・・。

クソ女を排除するにしてもあいつに金を払い続けるにしても、大量のお金が必要だ。もっと金策を考えなくちゃいけない!

まずは俺の能力を把握する所からだな。)


俺は続けざまに3回魔石錬成を唱えてみた。

1度目は茶色い魔石、2度目は無色透明の魔石、3度目は魔石は作られなかった。


(ふむ。作られる魔石は本当にランダムなんだな。そして俺の能力は1日3個まで魔石が作成可能と。)


「おっちゃん、この魔石は何魔石になるんだ?あと、他の魔石のことも教えてくれよ。」


俺は魔石のこと全般についても聞いてみた。魔石作成のスキル持ちとしてどんな魔石があるかは事前に把握しておいた方がいいからな。

それから聞いたおっちゃんの話をまとめるとこういうことらしい。



◆魔石とは◆

空気中の魔素が結晶化したもの。魔素が多い場所でよく見つかる。多くはその属性に関連性のある場所で見つかりやすい。

例えば火魔石であれば火山地域でよく落ちており、氷魔石であれば雪原の中に埋まっていたり、

(氷魔石の場合は雪解け後に簡単に見つけられる)、風魔石であれば風の強い地域でよく見つかる。

それぞれ単独でも効果を発するが、専用の魔道具を用いた方がより効果的に使うことができる。

火魔石や氷魔石など比較的多く見つかる魔石については一般市民の間でも利用されている。





◆魔石の効果◆



火魔石・・・火を発生させる、物を温める

氷魔石・・・氷を発生させる、物を冷やす

風魔石・・・風を発生させる、空を飛ぶ

雷魔石・・・雷を発生させる

土魔石・・・土を発生させる

聖魔石・・・怪我や病気を治す

闇魔石・・・相手に呪いをかける、病気にさせる

無魔石・・・光を発生させる(他の魔石に比べて効果が薄い)





◆魔石の用途◆



火魔石・・・着火/製鉄/武器

氷魔石・・・冷蔵庫/武器

風魔石・・・飛行兵器/武器

雷魔石・・・研究材料

土魔石・・・研究材料

聖魔石・・・教会での奇跡の治療(多額の寄付が必要)

闇魔石・・・封印

無魔石・・・灯り





◆ランク1魔石の価格◆



火魔石・・・銀貨1枚

氷魔石・・・銅貨80枚

風魔石・・・銀貨3枚

雷魔石・・・ほとんど見つからないため流通性なし

土魔石・・・ほとんど見つからないため流通性なし

聖魔石・・・アリア教会が独占管理しており取引不可・所有不可

闇魔石・・・危険のためどの国でも取引禁止

無魔石・・・銅貨10枚





おっちゃんの話は長時間にわたり、頭がクラクラしてきたが、なんとか頭を整理する。



(どうでもいいけど、おっちゃんが意外に物知りでびっくりしたわ。

クソ女からは剣聖とか呼ばれていたし一体何者なんだこのおっちゃん。)



とにかく魔石の種類によって用途も価値もバラバラなようだ。

ちなみにさっき俺が錬成したのは土魔石と無魔石だった。・・・微妙だな、おい。


ランク以上の魔石はあまり市場に出回らないが、大きいものになると

1つで金貨何枚にもなる事もあるそうだ。


スキルレベルは使っていえば上がっていくものがほとんどだそうなので、

俺のスキルもとにかく毎日上限まで使っていくしかないだろう。

そのうち、ランク2とかランク3とかの魔石も作れるようになってくるだろう。


何はともあれ、魔石の性能をおおよそ把握したことで

俺の中で今後の方針が固まってきた。


(火魔石、氷魔石、風魔石、無魔石は自分で使うもの以外基本的に売却だな。とにかく金が欲しい。

雷魔石、土魔石については使い方を調べていく必要があるな・・・魔石関係の本なんかを集めてみるか・・・。

聖魔石、闇魔石については基本手元に残しておくしかないだろう。この辺りは下手を打つと死亡フラグ満載っぽいしな。

それと、魔道具・魔石についてもっと調べていきたい。特に魔石を効果的に使える魔道具を揃えない手はないだろう)


後は今後の生活をどうするか。魔石錬成のお蔭である程度の金策の目途はついたが、個数制限もあるし、クソ女のこともある。

節約できる所はすこしでも切り詰めていきたい。


「なあ、おっちゃん。頼みがあるんだ。俺をしばらくここに住まわせて貰えないだろうか?もちろん畑仕事とか雑用は手伝うぜ!」


「ああ。いいぜ?そんかし、食費として月銀貨3枚は入れてくれよ。まぁ、坊主の場合魔石を売ればすぐに稼げるだろ。

あとは毎日じゃなくていいが畑仕事と家畜の世話を手伝ってくれると助かる。」


おっちゃんはすんなり了解してくれた。

この世界で頼れるのはおっちゃんだけだし、出て行けって言われたらどうしようかと思ったぜ。

おっちゃんに感謝感謝。

しかし、おっちゃんにはここ2日ででっかい借りが出来ちまったな・・・。

クソ女にたかられた分もお金が溜まったら返さないと・・・。


そして俺はもう一度今後の行動目標をまとめる。


1. 魔石を売って金策。ついでにスキルLvを上げていく。


2. 魔道具・魔石について調べる


3. エレノアにお金を渡しつつも、隙を見て、何らかの方法で殺すか服従させるかして口を封じる。


(よしっ!まあ、こんなとこか。明日から忙しくなるぞ!)


今日は色々な事があったが、今俺はやる気に満ち溢れたいた。

魔石錬成スキルのおかげで何とかやっていけそうな気がするのだ!


こうして方針が固まった俺は次の日から目標に向けて動き出すのだった。

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