BAD END
BAD END
臭い雨の降る日に、母は死んだ。
遺品として渡された父の形見のヒヒイロカネは、なんのぬくもりもなく、ただ冷たい鉄の欠片でしかなかった。
その時はもう、気付いていたのだ。
すでに、人類に勝ち目はないのだ、と。
天使が勝つのか、悪魔が勝つのか、その違いに大した意味は無い。
堕天した者も、はぐれた者も、ことごとく殺されていった。
寝返ることは、許されなかった。
それが、人であれ、悪魔であれ、天使であれ、その間に生まれ落ちたものであろうとも、待遇は同じ。
それはある種、平等であった。
ヒトに関わったモノ、全てが敵、という平等。
逃げ道はなかった。
撃退士の能力は衰退し、未成熟なアウルを持つ者ばかりが残された。
誰もが、気付いていたのだ。
ワタシ達の未来はもう、絶たれたのだ、と。
逃げ続けるのにも疲れ、死を待つのみだった。
もうすぐ悪夢は終わる。
それでいいんだと、思っていた。
そんな時に、あの人に出会った。
あの人の見出したゲームに。
『君たちは、特異点だ。魂が分割されているために、本来の力を発揮できずにいる。もしうまくいけば、未来を変えられるかもしれない。可能性に、賭けて見る気はないか? What-if gamesだ。僕達の未来の為に、ゲームを再スタートさせよう』
こうしてゲームは、再開された。
先の見えない未来を賭けたゲームが。




