子ども扱い? 2
若者の初恋に一人ニヤニヤしてたら、又もや首根っこに圧迫感が加わり体が宙に浮いた。
……何でワタシこんなに軽々と持ち上げられるんだろうねワタシ。兄たちはもう父でも持ち上げれなくて引きずってるくらいなのに、この差は何。
「サルビアはもう少しこっちで大人しくしててね」
「……」
そう言ってまたアキレア兄に兄たちの後ろへと連れてかれた。……ま・た・か。
下ろされたと同時に再度抗議をしようとアキレア兄を振り返る。
「お前たち何をしとるんじゃっっ!!」
口を開け抗議をしようとしたら被さるように怒鳴り声が聞こえてきた。
そのあまりの声量と迫力に驚き、思わずアキレア兄の後ろに隠れてしまう。そしたら、アキレア兄もワタシの事を隠すように前に出てくれた。お世話になります。
「騒がしいと思ってきてみれば、今は大事な会議中だというにお主ら一体何をしておるんじゃ!!」
目元まで毛で覆われて見えなず少ししわがれた声が年を感じられる母よりも大きな黒色の狼がワタシ達の前にいた同属(仮)さん達に怒鳴りつけている。
「お、俺たちはただ……」
「僕たちはただ知らない者が村に入ろうとしていたから注意してただけです」
「そ、そうだ!! 村の安全のために俺たちは見回りしてただけだ!!」
「村の会議中、成人していない者は各自家での待機を命じておったであろうが!!」
兄たちに囲まれて姿は見えないけれど、同属(仮)さんが同属(仮)さんを叱り飛ばした。
ワタシになってから五感が『私』時代より発達している。だから突然の大きい声に驚いてしまった。それで兄弟の後ろに隠れるなんて、いやはやお恥ずかしい。
「其方たちが破った規則の罰は追手連絡をする。各自家で待機しておれ」
兄たちの間から微かに見える様子を眺めていると、厳めしい声で同属(仮)さんがそういい同属(仮)さんたちは同属(仮)さんについてきた体格のデカい同属(仮)さんが連れて行った。
……って同属(仮)さんばっかりで訳が分からん。取りあえずあの厳めしい声の人は長老と名付けよう。うん。
「お久しぶりですわ、長老。お元気でした?」
一人呼び方に納得していると、母が長老に挨拶をしていた。
あ、本当にあの厳めしい声の人長老だったんだ。
「白いの帰って来ておったのか。ということは其処にいるのは其方と速く駆ける者の子か」
「はい。全員、無事に生まれたのでご挨拶と顔見世に来ましたわ」
母が長老さんに挨拶している声は聞こえるのに、兄たちがワタシを完全に囲ってしまったため状況が今一よく分からない。
今この場所はどうなってるんだい? 少しでいいからお姉さんにも教えておくれ……。
……キャラウェイよ。ワタシの上に戻ってきたと思ったら、何で蔓で慰めるようにワタシの頭を撫でるんですか。
え? 大人ぶりたいのは分かるけど、今は大事な用事の途中だから後でね、って?
ちょっ、それは酷くない?! ワタシ、キャラウェイが思うほど子供じゃないからね?!
だから生暖かい目でワタシを見ないで!!
「取りあえずこんな所では落ち着いて話もできんな……。ふむ、丁度皆集まっておるから紹介するから共に来るといい」
ワタシがキャラウェイの眼差しに打ちひしがれているうちに、母と長老さんの話は終わったのか移動することになったようだ。
これでやっと町が見れるのかと喜んでいたら、自然と尻尾が揺れてしまい今度はキャラウェイとそれを見ていた兄たちにまで生暖かい目で見られてしまった。
……おう。精神面はワタシが一番年上の筈だというのに、無念すぎる。
長老さんの言葉と共に移動が始まった。だけどワタシの目論見も何のその、周りに兄たちがガッチリガードを固めていたため兄たちの毛皮しか見ることが叶わなかった。
なんでだ。




