同属1
この物騒な人は誰なんだろう。なんて考えてお姉さんを見ていたら、やっとワタシたちに気が付いたみたいで、ワタシたちを順に見回すとコテンと首を横に傾けた。
ちょっ?! 怖い人かと思ったけど、もしかして天然なだけ?! 凄い可愛い!!
「あら? そう言えば小さいの。この小さい子供たちはだれ? 村の中で見たことないけど何処の子かしら?」
キョトンとした表情が可愛くて表情に出さずに悶えていると、母が隣に来てワタシ達の紹介をし始めた。
「ふふふ。姉様ってば、私はもう小さいのではないですよ? この子たちも私とセダムの愛の結晶だから姉様に早く会わせたかったの」
「まあ!! この子たち貴方の子供なの?! あんなに小さかった貴方が子供を産むなんて時間が経つのは早いわね~。この子の目元は貴方にそっくりね、それにこの子は鼻筋が小さいのに似ているわ。それにこっちの子はのんびりした雰囲気が貴方そっくりね!!」
お姉さんのマシンガントークは止まることをしらないのか、その矛先が母から私たち兄弟に向けられた。それと同時に今まで毛繕いしていた兄たちが警戒のためなのかワタシの前に出て庇ってくれる。何も言わず庇ってくれるその姿は本当カッコいいわ。例え兄たちの体格がデカいから庇ってもらってるというよりも後ろに隠されたと表現した方がしっくりくると思うのは気にしないでおこう。うん。悲しくなるからね……。
「それにこの子だけ女の子なのね」
兄たちを見てニコニコしていたお姉さんは、兄たちに庇われたワタシを覗き込むように見つめてきた。そんなお姉さんの行動にワタシは何を言われるのかとドキドキしてじっとお姉さんの顔を見つめる。
「ふふ。この子は小さいのの子供の時よりも小さいわね」
小さいの言うな~!! てか、ワタシだけ似てる似てない全く関係ないし!!
「この子たち可愛いでしょ? 姉様。この子たちが生まれてから初めての里帰りだから姉様に一番に紹介できてうれしいです」
「あら、そうなの?」
「はい。さっきも言いましたが私とセダムの愛の結晶なんですよ」
「そうなのね!! それでそのセダムという方は何処の出なの? 小さいのが好きになるくらいなのだからきっと強い方なのよね!! 一体どこで知りあったの?」
あれ、このお姉さん父のこと知らない? でもさっきまで罵ってなかったっけ?
「もう姉様ってば、セダムのこと苦手だからって知らないふりするなんて酷いですよ」
「え。私も知ってる人なの?」
「知ってる人も何も、姉様はずっとセダムのことを『弱いの』と言っていたじゃないですか」
母の言葉にお姉さんは驚たのか分かりやすく口を大きく開けて固まってしまった。母は母で地面に座ってパシパシと地面を尻尾で叩いているし。一体、母たちの小さい頃になにがあったんだろう?
「だって小さいのさっきセダムって言ってたじゃない?!」
「だから姉様の言う弱いのがセダムなんです! それに私も小さいのじゃなくて今はアネモネって名前があるので姉様もそう呼んでくださいね」
絶叫するお姉さんに慣れているのか母が思い出したようにそんなことを上機嫌で言っている。……けど母よ、お姉さん驚きすぎなのか全く聞いてないよ?
「あんの弱いの~!! 私の小さいのに手を出すなら私を倒してからじゃないと許さないって言ったのにいい度胸じゃないの!!」
正に怒髪天を衝くを地でいってるみたいに毛が物凄く逆立てるお姉さん。あれどうなってるの?
「弱いのは今どこにいるか分かる?! 小さいの!」
「一緒に来る予定だったので、もう少ししたら追いついてくると思いますよ~?」
「じゃあ、こっちから来るってことね!!」
怒髪天を衝いたお姉さんはそれだけ聞くと、ワタシ達が来た方向へそのままの勢いで旅立っていきました。
そんなテロップが頭の中で流れたと錯覚させるほど、毛を逆立てたお姉さんは来た時と同じように砂埃を上げて走り去っていった。いや、もしかしたらそれ以上に速かったかも?
「ふふ。姉様ったら本当にいつも元気なんだから」
母が笑ってそんなことを言ってるが、あれは元気という表現の中に入れていいもの、なの……?
まあ一つ言えるのはきっとあのお姉さんと会った時の父は大変そうだな。うん。
でも本当のところあのお姉さんは何者だったんだろ?
実の姉妹と言われても納得できるけど、仲のいい友達や幼馴染だと言われても納得できるし。けど、まあ、今度会ったときにでも紹介してもらえるのかな?




