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女の子が着ていれば『可愛い~』で済むはずの、ふりふりの衣装を着たオジサンとの無言での見つめ合い。
まったく嬉しくないのは何故でしょう。
反らしたいのに反らせない。
見たくないのに見てしまうこの存在感。
また違う意味で困ってしまいましたがこの場合の切り抜け方はどうしたらいいんでしょうか。
母達の話し合いがまだまだ続いているからこの場所から違う場所に行くわけにもいきません。
ただただ妖精オヤジさんとの無言の空間が続きますが打開策が全然思い浮かびませんね!!
そんなワタシの心情を知ってかし知らずかその妖精オヤジさんは突然驚いた表情から一転、ニパっという効果音がつきそうなほどの笑顔を浮かべて見てきます。
あまりの変わりように驚いて、思わず毛を逆立てて後ろに飛びのいてしまいました。
その行動に、兄達が驚いて鳴き声を上げている気がしますが、今はそんな事気にしていられません。
なんであの妖精オヤジさんがくるくる円を描くように空中を回ったらワラワラと同じような大きさの生き物が光の玉の後ろから出てくるんですか?!
唖然としてその集団を見つめていると、気がついたのは小さい人たちの衣装が色とりどりすぎて目に優しくないという事でした。
妖精オヤジさんが着ているのとはまた違ったふりふりのドレス姿の人もいれば、ターザンをイメージしたんですか?と言いたくなる人。
それに海賊?に原始人?にあっちはベリーダンスの衣装みたいなの着てる人もいるし、あ、チャイナ服着てる人もいる!
あと着物っぽいものを着てる人もいるけど着方が崩れすぎてすごいことになってますね。
小さい人の人数は軽く見積もっても三十人くらいいそうなんですが、誰一人として被った衣装の人がいません。
男性と思われる人も女性と思われる人も好きな衣装を着ているようです。
……だけどなんで全員でワタシの事見てくるんですか?!
それもすっごい満面の笑みで!
何も悪いことしていないはずなのに怖いです!!
『どうした? サルビア』
ワタシが上を気にして挙動不審だったためか、兄達が首を傾げて聞いてきます。
……が、今目を離したらあの嬉々とした集団に襲われる予感しかしないので無視させていただきます。
(満面の笑みの)小人軍団VS(脅える)ワタシ
ワタシの方が体はでかいのに、まったく勝てる気がしません。
襲われたらそっこうで逃げ出す自信がありますね。
『娘、私達が見えるのか?』
今までくるくる回っていた妖精オヤジさんが思いのほか渋くてとてもいい声で話しかけてきました。
でもふりっふりのドレスでそんないい声で言われても笑いしか誘いませんね!!
というより見えるかってどういうことですか?
え? この人たち他の人には見えないものなんですか?
気になって周りを見回して見ますが、兄達のかわいそうな子を見る視線と村人さんたちの危ない人を見る視線、それに母達の不思議そうな視線しかありませんでした。
あれ? 何で誰もあの摩訶不思議な妖精(?)を気にしてないんですか?
もしかしてあれは見えないものなんですか?
ワタシにしか見えてないってオチですか?
それならそんな特別いりませんよ、ワタシ。
ちょ?! 誰かこれがドッキリだって言ってくれませんか!?




