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目を離したらやられる。
そんな緊迫感が何故かワタシを襲います。
何をやられるかはまったく想像がつきませんが、確実にワタシにとって喜ばしくない事になるのはきっと確実でしょう。
なので気を抜く事ができません。
今までキョトンとした表情でワタシの事を見ていた第一村人さんは、一度パチクリと瞬きをすると花が咲いたように満面の笑顔になりました。
『あらあらあら! 何、この子!!』
一体、第一村人さんの琴線に触れる何があったのでしょう。
一気にテンションが高くなりました。
ワタシと目を合わせたまま。
……うん。まったく悪い予感しかしませんね!!
案の定というか何というか、第一村人さんはワタシが警戒している事なんかまったくお構いなしに近寄ってきますがどうしたらいいんですかね?
近寄ってくる第一村人さんの次の行動が分からないので、相手を刺激しないようにジリジリと一歩一歩後ろに下がっていきます。
まるでお腹を空かせた猛獣の檻の中に迷い込んでしまった気分です。
『怖くないわよ~。怖くないわよ~』
ジリジリと近寄ってきながら、猫なで声でそんな事を言われても怖さは増すばかりです。
母の知り合いだという事は分かってはいても初めて会った自分よりも大きな生き物には抵抗しか生まれません。
耳を伏せ腰を低くしてジリジリ後ろに下がっていく姿を見かねたのか、兄達もワタシのことを庇ってくれようとしてくれます。
ですが第一村人さんの視線はワタシにロックオンしたまま外す事はなく、兄達の壁もなんのそのついにワタシの目の前まで来てしまいました。
ちょ?! 母、笑ってないで助けてください!!
『姉様その子は兄弟の仲で一番力が弱いから優しくしてあげてくださいね』
『あら。見たまんまなのね』
母に視線を向け助けを求めたのに、にこにこと素敵な笑顔でとどめを刺されました。
間違ってはないですけど今それを言う必要ってありました?!
第一村人さんも何でそんなにあっさり納得するんですか!
『はい。最後に生まれた子で唯一の女の子なんですよ~』
『女の子って事はこの子が?』
『はい~。なので姉様にもこの子のこと気にかけてほしいんですがお願いしてもいいですか?』
『確かにこんなに弱そうだと心配になるわね。いいわ! 小さいのの大切な子達ですものね手を出そうなんて馬鹿がいたら叩きのめしてあげるわ!』
母が話し始めてから意識がそれたのは嬉しいのです。
話の中に何か含むものを感じない事もないのですが、それよりも気になるのは何でワタシは言葉でダメージを与えられてるんですか?
もう、これは本気で泣いてもいいってことですよね?
本気で泣きますよ?!
『あらあらあら! オチビちゃんったら目を真ん丸にして固まってしまったわ!!』
母達が話せば話すほどダメージが蓄積されていき、驚きで固まってしまっていたらまたもや大きな声で驚かれました。
というより、今ワタシとどめを刺された気がするのです。
モシカシナクテモオチビチャンッテワタシノコトデスカ……?
ハハハ。
体がちょっと大きいからって何だって言うんですか。
今すぐ皆縮んでしまえばいいと思います!!




