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『姉様私もう小さいのではないですわ』
砂煙を上げて近づいてきたのは母よりその体格は大きく父より少し小さい体格の仲間でした。
色は母に比べ黒が強いグレー。
そんな人が母にこれでもかとじゃれ付いて呪詛のようにさっきからずっとぶつぶつ文句を言ってます。
よくよく聞いて要約すると、自分が村にいいない間に母が出てしまったことを寂しがるものでした。
うん。それだけ聞けば可愛いと言えなくもないんですが、何でそこで村の人を呪うだとか父に一発カマスだとか言ってるんでしょうね?
ちょっと内容が過激になっていくのが怖いのですが、何で母はそこに突っ込まないんですか。
どうしてマイペースに自分の言いたいことを言えるんですか。
その度胸というか、秘訣を教えてほしいのです。
『あら? そういえばそうね。小さいの何時の間にそんなに大きくなったの? 前あったときは当たれば風に飛ばされそうなほど弱弱しかったのに、見ない間に貴方も大きくなったのね!』
感慨深げにうんうん頷いている姿だけを見てる分にはとても可愛いんですが、その周りの吹き飛ばされたであろう折られた木や散った花びらがその姿を半減以上に残念なものにしてしまっています。
『あら? そういえばこの子たち村で見ない顔だけど、小さいのの知り合いかしら?』
マシンガントークは止まることを知らないのか、その矛先が今度は母の後ろで様子を伺っていたワタシ達に向けられました。
それと同時に今まで毛繕いをしていた兄達がワタシの事を守るように前に出て庇ってくれます。
だけど兄達の体格はでかいので庇われているというよりも、後ろに隠されたと表現したほうがシックリきてしまうのがとても悲しいです。
『姉様この子達は私とあの人、セダムとの子供たちなの~。とっても可愛いでしょう?』
『まあ!! この子達は貴方の子供なの?! あんなに小さかった貴方が子供を生むなんて時間がたつのは早いのね~』
『ふふふ。そうね~。この子達が生まれてから初めての里帰りだからちょっと緊張していたんだけど、里に着く前に姉様にあえるなんてとても嬉しいわ~』
『まあ! 小さいのは本当に何時までたっても可愛いわね』
お互いに毛繕いをしながら話を続けるその姿は、とても仲がよさそうですがこの人は実際のところ母とはどんな関係なんでしょう?
母が話を切り上げない限りやる事もないので、二人の関係を推理しますがまったく分からないですね。
実の姉妹か、仲のいい友達か。
それともまったく違う関係か。
早く紹介してもらえないんでしょうか?
目の前の人物がどんな人か気になって、そわそわしてしまいますね!
もっとよく第一村人さんを見たくてウズウズしたワタシは、兄達が庇ってくれているのをまったく気にすることなく、兄達の足の隙間から顔をひょっこり出して第一村人さんのことを観察にはいります。
だけど母に視線を向けていると思っていた第一村人さんの視線は母に向いていませんでした。
何で第一村人さんとワタシの視線がガッツリ合ってしまってるんでしょう?
その事が不思議で思わず首を横にコテンと傾げてしまいますが、その間も視線を外す事ができません。
外したが最後、あの人が襲い掛かってきそうな予感がひしひしと感じるのです。
あ、あれ?
これはもしかして、もしかしなくてもちょっぴりピンチですか?




