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あれから何回か放り投げられては落ちてを繰り返していたら、案の定悪酔いをしてしまいました。
……いや、でも吐いてはないですよ?
ギリギリで耐え忍びましたとも。
今は少し時間がたち酔いも引いてきたので未だに兄達が父に放り投げられている姿を母と共に眺めています。
う~ん。相変わらず兄達は元気ですね。
ワタシも早くあれだけの体力をつくりたいですね。
「嬢さん。もう気持ちは落ち着いたか?」
『はい。ご心配おかけしました』
まったく何がなんだか分からないだろうギャロ達は理由も聞かず頭を交互に撫でてくれました。
ギャロは力強いのに優しく、クラウ少年は力加減が分からないのか恐々とした手つきなのに優しく何度も撫でてくれます。
二人からの気遣いを感じられてそれだけで元気が出てきました。
『そうだギャロさん! 私のことはサルビアと呼んでください! クラウ君もそう呼んでくださいね!!』
自分で思い出した記憶とはいえ、父と母が意味を聞いてくれた名前です。
しっかりとそうアピールをしたらギャロは笑ってくれました。
だけど何でかクラウ少年には喉に骨でも刺さったような微妙な顔をされてしまいました。
「ああ分かったサルビア」
「分かった……、けど何でギャロはさん付けで俺は君なんだ?」
ああ、呼び方に何か思うところがあったんですね。
だけどワタシから見てギャロは大人、クラウ少年はどんなに良く見てもまだまだお子様にしか見えないのです。
なので今のところクラウ少年をさん付けしろと言われても了承できません。
ので、はっきり言ってしまいました。
『クラウ君はクラウ君です。ギャロさんは大人って気がするけど、クラウ君はまだまだな感じがするので君付けです。もっと成長したら変わるかもしれませんが今はどう頑張っても君なのです!!』
はっきりと言ってすっきりしました。
だけど少し強調しすぎちゃいましたかね?
クラウ少年が打ちひしがれているのか驚きで開いた口が塞がってません。
まあ、これも成長するために必要だと思って諦めてもらいましょう。
うん。
『そうだ母~。少しお腹が空いてきました~』
『あら? そういえば結構時間が経っちゃってるわね、じゃあサルビアはお肉を食べる練習を先に少ししましょうね』
『は~い』
緊張が取れたためか、すごくお腹が空いてきてしまったので訴えます。
そしたら母は洞窟の奥へと行き、何かを口に銜えて戻ってきました。
口に銜えられているのは赤みの強いお肉なのかな?
原形は分からないけど何のお肉なのでしょうかね?
この世界の生き物は何があるか分からないけど、この前兄達が仕留めてきた獲物なのでしょうか……?
『はい。サルビア少しずつでいいから口に含んで噛んでみて?』
母はそういうと目の前にそのお肉を置かれました。
……え? これ生で食べるんですか?
ちょっとこれは抵抗が……。




