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花言葉。
これは『私』時代の中学時代にいろいろと知った知識です。
友達の中に可愛いものが大好きだという女の子がことあるごとに話していた話題の一つで、『私』が諳んじれるほど何度も楽しそうに話て聞かせてくれた記憶があります。
何度も聞いているうちに覚えてしまったものもあれば、興味を持って自分で本などで調べたものもあります。
だからこそ最初に花言葉が出てきたのですが……。
この世界に同じものが存在するかは分からないけれど、それぞれにあった意味を持つ名前が合うのではないか感じます。
だからワタシはその時の知識を活かし花言葉、それぞれの意味を端的に説明しながら花の名前を提案させていただきました。
父には『セダム』、母に『アネモネ』。
兄弟達はまだ話をできないから詳しい性格はまだ分からないのでそれぞれの雰囲気や普段の行動から順に、長男『バイモ』、次男『アキレア』、三男『エルダー』、四男『ムスカリ』を提案しました。
父と母はそれぞれの意味を聞き、照れくさそうにしながらも素敵な名前だと褒めてくれました。
兄弟は意味は何となくしか分からないのか首を傾げていましたが、響きを気に入ってくれたのか尻尾をブンブン振って喜んでくれました。
そしてジッと睨めっこをしていた花は思ったとおり自分も名前をつけてほしいと触手を額に当てて訴えてきたので、何となく変な感じがしましたが一番しっくり来た花の名前『キャラウェイ』を提案しました。
意味と共に伝えると気に入ってくれたのか一言お礼を言うと、伸びていた触手をしまい軽快なステップで陽気なダンスを踊りだしたので気に入ってくれたのだと思います。
だけどなんで父たちは名前を花にもつけた事を伝えたら視線を困った様な何かいいたいような顔をしたんでしょう?
理由を聞いても濁されてしまったのでよく分からないですが、何かワタシ早まりましたかね……?
『そういえばオチビちゃん。その花言葉の中に知識を多く持つとかそんな意味を持つものはあるかしら?』
『えっと、確かありますよ。サルビアって言います』
花に名前を同じようにつけてしまったことに冷や冷やしていると、母が興味を持ったのか花言葉を聞いてくれました。
なので自分の知っている中で一番最初に出てきた花の名前を言葉に乗せます。
それを聞いた母は、父のほうにいき話し始めてしまいましたのでその間に自分の名前をどうするのか考えることにします。
だけど自分の名前になると難しくどうしようかうんうん唸っていると、話しが終わったのか父と母がワタシの方へ近づいてきました。
はて、なんでしょう?
『オチビちゃん、もう自分の名前は決めてしまった?』
『いいえ? 何もいいものが浮かばないので困ってます』
『ふふ、よかったわ! じゃあ今日からオチビちゃんはサルビアね』
『え……?』
『サルビアは俺達も知らないような知識を知っているからピッタリだと思うんだけど、どうだい?』
二人に毛繕いをしてくれながら楽しそうに言われました。
その言葉はあまりにもあっさりと言われたので一瞬理解できませんでしたが、理解すると同時にワタシは自分の顔が青くなっていくのを実感しました。
名前ができたということではなく、父に言われた『知らない知識』という単語に……。
だってそれは『ワタシ』が本来知らないことを話しているということを突き詰めている言葉。
よくよく考えなくても今までのワタシの行動は不思議なんて言葉が使えないほどの奇行だという事です。
兄弟達という比較対照がいるからよく分かるけれど、今までの自分の行動はどれほど両親に気味悪く感じられていたのか。
遅いとは思うけれどそれに今思い至ったのです。
……気がついてしまったのです。
もしも『私』が子供を生んでいて、その子供が生まれてすぐに話しはじめたりしたら嬉しいと思うよりも先に気持ちが悪いと思ってしまう気持ちを止めることはできないと思うから。
自分と違うものを排除しようとする感情は本能の一部で、父と母がそう思うのは仕方がないことと分かっていても最悪の未来しか浮かんできません。
ああ……。
ワタシは本当にどうしたらいいんでしょう?




