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今日もワタシは戦います!  作者: アユム
〓幼少編〓
5/103

家族2



 生まれてそんなに立っていないけどワタシの目から見て今世のワタシは皆が皆元気で力が有り余っていると思う。それはもう有り余りすぎてるくらいには。

 何かをするにも口癖が「強くなれない」なのだ。そこからも推測して想像してほしい。その考えを実行されることを。

 両親二人にはワタシが他の兄弟よりもお乳を飲む時間が少ないと半強制的に飲ませようとし、でも顎に力を入れることが苦手で疲れるからとマイペースにお乳を飲みたいワタシ。

 押されるのを無言で押し返す地味な攻防が繰り広げられましたよ。勿論負けたけど。

 そしてそれは一度じゃなく、何度も何度も背中を押して飲むように催促してくるのだ。それはもうしつこいくらいに。

 心配させているのは分かっているから心苦しいものがあるけど、ものには何事も限度があるとワタシは思う。うん。

 そしてとどめにと言わんばかりに、兄弟がそれを真似するような行動を取り始めたことだ。

 ワタシに逃げ場はないのかと何度訴えようと思ったか。

 心配してくれる心遣いはとても嬉しい。嬉しいんだけど、本当に限度を考えて……。

 仕方なく何とか話し合いで解決できないものかと思い、言葉で抗議をしようにも、まだ喋れないためニュアンスで会話をしている状態では全く伝わらない。それはもうまったく。

 お乳を飲みたいと甘えればすぐに分かってくれるのに、何故抗議の声は間違って伝わる。

 それだけじゃなく、何故明後日の方向に突っ走っていくのか問いただしたい。

 ある時は父に対してもう少しやさしく扱ってほしいと懇々と、だけど切実にお願いした。

 ワタシの話を話が終わるまで聞いてくれるのはすっごく嬉しかったし、少し不思議そうに首を横に傾け見つめてくる姿はカッコいいのに可愛いらしい。そんな行動を素でするそのギャップに身悶えそうにもなった。

 けど意思が伝わらないのは仕方ないとはしても、何でいい笑顔でふさふさの尻尾をワタシの頭に叩き付けるんですか。

 ドヤ顔してみられても突然の行動についていけないだけですから。それに今ここでドヤ顔する意味が分からない。

 ドヤ顔のまま尻尾を目の前で振られてもどう反応すればいいのか分からないうえに、毛先が目にチクチク刺さって地味に痛い!!

 後、それを見ていた兄弟たちが遊んでいると勘違いして、父の尻尾に埋もれていたワタシ目掛けすごい勢いでタックルを仕掛けてきたときには危うく意識を持ってかれそうになったよ。ワタシが何をしたってんですか。

 そしてそれが計三回。命の危険を感じて父に対しての説得は諦めた。

 だけどそこで諦めたら負けだと、父がダメなら次は母にお願いをしようと同じく懇々と切実に訴えてみた。

 母もワタシの言いたいことは今一よく分からなかったみたいで、暫く考えるように首を傾げていたけど、何かを閃いたのか笑顔のままワタシの首根っこを銜えると、何が起こったのかよく分からず固まっていたワタシを兄弟と父たちがじゃれ合って遊んでいる中に投げ込んだ。

 そう投げ込んだのだ。それはもう思いっきりポーンと。

 何が起こったのか分かった瞬間のワタシの心臓の音はヤバかった。バクバクバクバク音をたる心臓の音を聞きながら驚愕で固まった体は兄弟のもふもふに揉みくちゃにされた。

 とりあえず母に相談に行くのは意思の疎通が出来るようになってからにしようと誓った。

 それが兄弟の間で大いに受けて遊びの一環に加わったけど二度とやるもんか。



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