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一先ずクラウ少年の事は放置して鞄の事を聞いてみることにしてみました。
ギャロに詳しく話を聞くと、何とこの世界にもありました。
魔法の道具が!!
そのマジックアイテムである魔法の袋がワタシの目の前に!
『私』時代に読んだ本の中によく出て来たアイテムが今目の前にある、それだけで何故か異様にテンションが高くなっていくのが止められません。
ああずっと欲しいと思っていたものが今目の前にあるのです。
これでテンションが上がらないほうが不思議ですよね!
これ一つあればどんな重いものでもあら不思議。
非力なお嬢さんでも楽々持ち運べちゃう一品なんですよ?
あればいいなとずっと思っていたものが目の前にあるなんて夢を見ているみたいですね!
『これは何でも入るんですか?!』
テンションが上がりすぎて尋ねる言葉に力が入ってしまいますが、ギャロは気にせずに教えてくれました。
通常は袋の取り出し口の大きさの物しか入れることが出来ないらしいのですが、何でもオプションとして袋口よりも大きい物の収納を出来るようにしてもらえるらしいのです。
この世界にもオプションなんていう概念があるんですね!
物理的に無理がありそうですが、そこは魔法をきちんと教わってから理解していこうと思います。
だけど袋の大きさは目測ですが余裕でA4サイズの本が入りそうなリュックタイプなので袋口のものだけでもいろいろな物が入れられそうです。
重さは今の所制限がなく幾らでも入れられるそうなのですが、今まで限界まで入れた人がいないだけで本当のことは分かってないらしいです。
うん。凄いアバウトですね!
まあ魔法自体がアバウトな所がありそうなのでそこはきっと気にしては駄目ですね、きっと。
だけどワタシが食い入るように袋を見つめ過ぎたためか静かに袋をしまわれてしまいました。
……まあ今のワタシの体は狼なので肉球で弄繰り回すか、この尖った爪で引き裂いてしまう可能性しかないので仕方ないんですけどね。
こんな時ばっかりはこのプニプニな肉球が憎いのです。
『そういえばお二人は冒険者なんですよね?』
「ああ」
『ここにいるなら冒険者家業を続けるのは大変じゃないですか?』
「ん? それなら移動魔法があるから大丈夫だぞ」
『移動魔法ですか?』
「ああ。冒険職で余裕が出来てから最初に覚えるのが移動魔法なんだ。自分の足で行った場所なら何処へでも移動できるという魔法なんだが、自分でいろいろ回らなければいけない手間はあるとはいえ大体魔法が使える者は覚える物だから俺もクラウも所得しているから何かあったときもすぐに駆けつけられる」
『ふわ~、魔法って便利なんですね』
ギャロの説明に簡単な魔法の説明が入り素直に感心してしまう。
魔法も奥が深そうですね。
「そういえば嬢さんはまだ魔法を習っていないのか?」
『はい。丁度ギャロさん達に会った日に初めて外に出たばかりなので、魔法かは分かりませんが使えるのは今使ってる念話だけですね』
「そうか……」
ワタシの返事に表情を曇らせるギャロ。
言葉のチョイスが少し悪かったのか少しだけ気まずい空気が流れ始めてしまいました。
……うう、これは気まずいです。
何かいい話題はないでしょうかね?
はっ!
いい話題が目の前にあるじゃないですか。
気まずい空気はどうしても苦手なのです。
なので使えるものは何でも使わせてもらおうと思います!!
『そういえばクラウ少年は何でさっきからずっと喋らないんですか?』
なるべく暗い声音にならないようにと話題を振ります。
これで少しは明るい話題に転化できますよね!
「クラウのことか? ……そうだな。どうせ後から分かることだと思うから先に教えておこう」
いい話題の逸らせ方だと思ったら何故か更に暗い表情でギャロに切り替えされてしまいました。
まったくの予想外です!
昨日からの短い時間で何があったんですか?!




