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うつらうつらとしながら見た夢はとても心が温かくなるような、そんな夢でした。
『私』の家族と『ワタシ』の家族、二つの家族が一緒に笑いあってる夢。
絶対そんな事ありえるはずなんかないのにないのに、二つの家族が仲良くしてくれることが嬉しくて夢の中でワタシはずっと笑ってた気がします。
だけどそれが夢なのだと夢の中のワタシも知っている。
そんな夢。
楽しくて楽しくて、夢が覚めなければ良いのにと思っているけどいつか覚めるものだとも冷静な部分の自分は知っているそんな夢。
だけど楽しい時間はあっと言う間に過ぎていき、気がつけば『ワタシ』の家族がいなくなり『私』の家族と『ワタシ』しかそこにいなかった。
『ワタシ』なのか『私』なのかどちらの姿で今そこにいるかよく分からなかったけれど、それでもいっぱいいっぱい家族に甘えた。
もう二度とその姿を見ることができないと何となく理解していたから。
そして『私』の家族との別れの時。
どんどん遠ざかっていく『私』の家族。
寂しいけど最後に顔を見ることが出来ただけで嬉しくて、きっと『私』は笑顔でお別れを言えたと思う。
『私』の最後はお別れも言えないほどあっという間だったからお別れもいえなかった棘のような後悔が心の中から静かに消えていくのが分かる。
まるで『私』が抱えてしまった小さくない後悔を溶かすために夢で会ってくれた家族達の優しさにポロリと一筋涙が流れました。
夢であってくれたなんて思い込みだと勘違いだと他の人には言われてしまいそうだけど、あれは本当に『私』の家族だったと胸を張っていえる。
だからこそ優しさを感じ胸が締め付けられるような感覚を感じたのだから。
涙が一筋流れた感覚で『ワタシ』は目が覚めた。
ボンヤリした思考はまだ『私』か『ワタシ』なのか分からなかったけれど、周りに感じるふわふわな感触に『ワタシ』はやっと安心できる場所に戻ってきたのだと安堵した。
まだ半分寝ぼけているけれど、嗅覚はしっかり仕事をしてくれているのか周りに誰がいるのかしっかり教えてくれる。
母に兄達、少し離れた場所に花の匂い。
依頼人の人のところに一緒に行っていた父の匂い。
あれ?
ギャロ達の匂いがまだするのは何で何だろう?
まあ、よく分からない事は後で良いですかね。
寝ぼけた頭も体もまだ寝たりないと主張するように、また意識が落ちてくる。
眠りに落ちる前、クワリと大きく口を開けて欠伸をひとつしてまた身を丸めて眠りに落ちていきました。
今度の眠りは次に目覚めるまで夢も見ることもなく深い眠りで、次に起きた時ワタシは何の夢を見たのかはまったく覚えていなかったけれど、とても幸せな夢を見れたことだけ覚えていました。




