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今日もワタシは戦います!  作者: アユム
〓幼少編〓
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家族



 ワタシが生まれてから大体十日前後が経ってやっと視力がハッキリしてきた。

 そしてはっきりと目が見えるようになって二、三日経ったけど、やっぱり目が見えるっていいとつくづく思う。うん。無くなって初めて気づくって本当だわ。

 目が見えない間は本当大変だった……。

 父の背中を撫でる力が強すぎて、撫でられるたびにまだ安定感のないワタシの体は右へ左へコロコロと転がされ。かと思えば「大きくなれないぞ」と言って母のお乳の場所へぐいぐい押される。そして寝ているとき以外は大体その繰り返し。

 だけどあまりにも大きい揺れは平衡感覚を無くすには十分だったみたいで船酔いに似た気持ち悪さを体験させられる、嬉しくないオマケを貰い少し泣きそうになった。もちろん気落ち悪さで。

 気持ち悪いのもそうだけど、何が一番悲しいってどこからどんな刺激が与えられるのかわからない所だ。

 ボンヤリした視界の中でくる奇襲は驚くなんて可愛いらしいものじゃなく、何度心臓が止まるかと思うくらい凶悪すぎて、何度泣きそうになったことか……。

 どこから奇襲をかけられるか分からないなか、まったく気配を感じさせず近寄られると成す術がないのだから本当にたちが悪い。

 というよりもそんな状態で回避できる人がいたらそれはもう何かの達人だと思う。いや、そんな人は達人でしょ、絶対。

 まあ、それ以外は基本的、食っちゃ寝の生活を満喫していたから贅沢な悩みといえば贅沢な悩みなのかもしれないけど。

 だって、ねえ? ここ最近の生活を一言でいうならあれ。初めてのニート生活ってやつだ。それはもうお腹いっぱいまで満喫してしまったね。ちょっとスリル満点だったけど。

 ……あれ? でも子供は大きくなるのが仕事みたいなものだからこれはちょっと違うのかな?

 まあ、それは置いておいても目が見えるようになった後は家族とのコミュニケーションを図る一環で、足をこれでもかとバタつかせる兄弟と共に、蹴られては蹴り返しの応酬をして足腰を鍛えていた。

 え? 前世の記憶がある精神的な大人が遣り返すなんて大人げない?

 ははは。確かに最初はワタシもそう思って大人しく微笑ましいと笑ってましたよ。

 目が見えないとはいっても常に隣にいる存在。何処に誰がいるのかの把握くらいはできる状態。

 だから少し動けば次の行動を予測して避けることもできた。

 今世の体は高スペックなのかそれとも赤ん坊の力が凄いのか、母のお乳を貰って数時間経った時には拙いながらも体を自由に動かすことが出来るようになっていたから難なく避けれてた。

 うん。避けれてたんだけど、一人を避けたらまるで見計らったように違うとこから足が飛んでくるんだな、これが。

 だけどこれも子供のすることだと最初は遠慮していた。

 でも遠慮をして思ったことは「埋もれる!!」この一言に尽きる。これは比喩でも何でもなくそれはもうガッツリと。兄弟の毛の中に埋められたのだ。

 いや、モフモフは好きだから最初はニヤニヤしながら兄弟たちの毛を堪能してたけどね?

 だけど何もしないでジッとしていると飛んでくるのよ。まるで狙ったかのような兄弟たちの脚や頭突きや体当たりが。

 極めつけに母と父による後押しという名の体当たりのおまけまで付いてくる。それも時間差で。

 そして動くことに問題がなくなったとはいえ体力が皆無なワタシ。 

 ハッキリ言わなくても死活問題だった。



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