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話を進めるため依頼人にはワタシが座っている(乗っている?)方と対面に座ってもらうことにしました。
そのままだと近づいてこられそうだったから依頼人の横に立ってもらうようにクラウ少年にお願いする。
クラウ少年がいれば急に暴走して近づいてこようとしてもきっと止めてくれると信じてます。
自分の心と体の平穏のためにも、嫌そうな顔をしてるクラウ少年の様子には目を瞑ろうと思うのです。
うん。自分大事。
「それでこの後どこへ行きますか? ご飯なら美味しいお肉を出してくれるお店はリサーチ済みですし、貴方を彩るには劣りますが可愛い洋服を売っている店に行くのもいいですね。何かご希望はありますか?」
一息ついてさて話そうと思ったら先手を打たれてしまいました。
ワタシいつ貴方と出かける約束しました?
依頼人さんの中ではもう一緒にどこか行くのが決定事項なんですか?
……もう罰とかいいのでこの人放置じゃ駄目ですかね?
駄目ですよね、きっと……。
この人放置したら洞窟まで乗り込んできそうですもん。
ここは少しの我慢という奴ですね。
『取り合えず何処か行くというのは今日はないのでそこから離れてください……』
「今日はないということは今度があるんですね! それまでにまたお嬢さんが喜ぶようなお店を探しておきますね」
まったく懲りていないというか、また話が堂々巡りになる予感しかしないのでここはスルーが正解なんでしょうか?
何も反論しなければしないで勝手に予定をくまれそうだし悩みものですね。
ギャロもクラウ少年も依頼人の人のテンションについていけないようで、口を噤んで見守りの体制に入ってしまっている。
ワタシがチラッと二人を見ると、スッと視線を逸らされてしまうのでこの二人に頼るのは難しそうです。
ううう……。
本当に何でこんなめんどくさい事をしないといけないのでしょう。
早く洞窟に帰って兄弟のもふもふに埋もれて癒されたいです。
『一つお聞きしたいんですが、ワタシのことを夢で見たといってましたが依頼人さんは魔法か何かを使ったんですか?』
「いいえ。もしかしたら無意識化の魔法だということも否定は出来ませんが、魔法のようにしっかりと効果が出るわけではないんです。小さいころから時々夢で見るのですが、当たることもあれば外れることもある曖昧な未来視です」
『……曖昧なんですか?』
「はい。きっと数ある未来の中にある一つの未来を見ているのだと思います。だから曖昧な未来視なんです。ワタシの行動一つでその先の未来は少しずつ変わっていくので絶対のものではないのですよ」
まず気になったことを聞くと今までの高すぎたテンションを抑えて話してくれました。
でも未来視ですか。
よくは分からないですが『私』時代の予知夢と言われてたものと同じようなもの何でしょう?
数あるうちの一つの未来でワタシを見たと言ってますが、自分が出ているなんてどんな夢か気になります。
変な登場の仕方はしてないですよね……。
あれ? 何かちょっと鳥肌が立ったんですがどうしてなんでしょう。
これが世に言う第六感とか……、いわないですよね?




