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ツッコミを入れるか悩んで固まっていると、ワタシ達の話が終わったことを理解したのかクラウ少年を花が開放した。
しゅるしゅるとどこに格納されていくのか蔓が姿を消していく。
「ぷっはあ~……、死ぬかと思った」
花に口を塞がれていたことで息がしにくかったのか、慌てたようにゼイゼイと息をするクラウ少年を尻目に、今もまた奇妙な踊りを踊っている花に視線を向ける。
花と意思疎通ができるかは分からないがいろいろと聞きたいこともできたので念話で問いかけてみることにした。
『花さん。ワタシの言葉分かりますか?』
昨日あったばかりだから念話が使えても会話してくれない可能性もあるが、恐る恐る聞いてみたら奇妙な踊りをやめてこちらをじっと見つめてくる。
これは聞こえてると、理解してもらえていると考えてもいいのか迷うところだけれど、花の反応があるまでジッと視線を逸らさずに見つめあう。
誰も喋らないなか刻々と時だけが過ぎていく。
どれだけの時が経ったのか、格納されたはずの蔓がしゅるしゅるとワタシに向かって伸びてきた。
……って何でですか?!
『狼族の娘よ。我は念話は使えぬため触れることは許されよ』
しゅるしゅると伸びた蔓が一本ワタシの額に触れると、まだ声質は若いけどどこか渋さを感じさせる声が頭の中に直接語りかけてきた。
ビクッとワタシが脅えたためか気遣うようにかけられたその声は状況から考えるに花の声、なのかな……?
『娘よ、我に何か聞きたいことがあるなら申してみよ。答えられる範囲でなら教えてやるゆえ』
『あ、はい。ありがとうございます。じゃあまずは確認なんですが何でクラウ少年の口を塞いでたんですか?』
『ん? 簡単なことだ。そなたがそっちの男に話をしているとゆうに、そやつは割って入ろうとしていたのでな。昨日そなたを誘拐した件も含めて反省させたまでのことよ』
ニヒルな笑みを浮かべる目の前の花の表情が一割増で腹黒さを感じるのは、いろいろなことがありすぎて疲れているからなのかな……?
微かに現実逃避をしてしまいそうになるが、まだまだ聞きたいことがあるから気力で何とか耐える。
『そっか、昨日からずっとワタシのこと心配してくれてありがとう』
『気にすることはない。久しぶりに我が気に入ったのだ、そうやすやすと土にかえられては我も面白くないのでな。これからはこんな事は二度と起こらぬと約束しよう』
守ってくれるという頼もしい言葉を聞いたはずなのに何か釈然としないのは何でだろう……。
『じゃあ次の質問なんですが、花さんどこかに嘘を見分ける事ができるような効能を持った植物って生えてないですか?』
『嘘を見分けるというのは相手に真実のみ喋らせるようにすればいいのか?』
『そうです。自白剤みたいな少しの時間でもいいのでそういう成分のある植物が欲しいんですが……』
『ふむ。無い事はないが、そんなものどうするつもりだ?』
『ギャロさんの話で依頼主って人がワタシを誘拐する切欠になったみたいなので、狼族と知ってて依頼したのか調べたいんです。もし嘘をついて依頼したなら悪いのはその依頼人だと思うので』
『それは一理あるか……。では我の根を分けてやろう。少しなら人体にも影響は無い嘘をついていたならその者が今回の黒幕とも言える。そんな者を何の罰も与えず放置してはまた同じような事が起こるかもしれないしな』
頭の中で相手に伝わるようにと話し続けるので、音として耳から聞こえてこないため不思議な感覚のなか続いたやり取りに少し念話とは違って疲れるような気がする。
それに頑張った甲斐があってか自白剤を簡単に入手できることが嬉しくて感情に合わせてパタパタ尻尾が揺れてしまう。
『じゃあ一先ず最後の質問なんですけど……』
『ん? 何か他に気になる事でも?』
『あの……、その、何で花なのに土からでて歩けるんですか?』
初めての交渉に上手くいったことで知らぬ間に少しテンションが上がってしまってたのか今聞かなくてもいいような事が口からポロッと出てしまった。
……いや。だって、ねえ?
昨日から聞けなかったけどすっごく気になってたんです。
これも大事な事ですよね。




