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気がついてしまった事実に心臓が今更のようにバクバクと大きな音を響かせる。
『……あの一つ聞きたいんですがいいですか?』
「ああ。疑問に思ったことは何でも聞いてくれ」
怖いもの見たさというか、知らないほうが怖いというかもしもワタシが二人の言葉を分からなかったらどうなっていたのかここは聞いてみようと思います!!
『今回の依頼内容ってなんだったんですか?』
「知能の無い魔物の一種である突然変異種の犬の捕獲だ」
『ワタシ達以外の狼じゃなくて犬ですか?』
直球で聞こうと思ったけど意気地のないワタシの口は当たりさわりないことを聞いていた。
だって皮を剥ぐとか言われたらこれから怖くて外に出れなくなっちゃうじゃないですか。
何事もオブラートに包むのは大切ですよね。
「森で突然生まれた白い犬だと聞いている。体も小さいから愛玩用にしたいという事だったし、ギルドを通していたからクラウが受けたんだが、実際に話を聞いた依頼人の様子が少し変だと違和感を感じた時点で断るべきだった」
『違和感ですか?』
「ああ。ギルドへの依頼は命にも係わるから嘘の申告は許されない。だが時々自分の利を得るためなんかで少し湾曲した情報を流すものがいる。ギルドを騙すということは二度とギルドを利用できなくなるんだが今回もその類の依頼の可能性が出てきた。この依頼を受ける時にあった依頼主に違和感があってな……。どことはっきり上げられない勘なんだが、本当に知らなかったという可能性も僅かだがあるが、ここが狼族の縄張りだということは誰でも知ってることだから、大方希少な狼族の子が生まれたのをどこかで知り、あわよくば手に入れ失敗しても知らなかったと言い張ればいいとでも考えたんだろう」
中間管理職のように話しているうちに疲れた様子を見せるギャロ。
まあ父と母の様子を見る限り、失敗しても成功しても狼族に手をだすとそれなりに手痛い報復が待っているんだろうな。
『ちなみにその依頼主の人はその捕まえた犬をどうするって言ってたんですか?』
「……そうだな、依頼内容には生け捕りにして捕まえてくることとしか書いてなかったが、愛玩用としてどこかの国にでも売るつもりだったと思う。狼族は情があついことでも知られているから、馬鹿な奴だったら捕まえさえすれば手を出せずどうにでもなると考えていたんじゃないか?」
拉致監禁のうえに脅迫ですね、わかります。
この世界、なかなか物騒なところなのかも知れないです。




