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封印聖女×刀ヲ継しモノ  作者: 檜高 黎
一章 異世界
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赤き王の審議

感想、指摘など、気軽にご意見頂ければありがたいです。

この物語はフィクションであり、作者自身、初めて書く作品ですので読んで下さる皆さんの意見をお聞かせ下さい。厳しい指摘も歓迎しております。

 深緑に囲まれた、小高い山の上、威厳を放ち鎮座する豪奢な城がある。

 ランスロット一行は城門の前にたどり着く。


 「さぁ着いたぞ、クロウ。此処が我が主、アーサー王の居られるキャメロット城だ」


 クロウは、呆然としていた。

 呆然としているクロウを見て、ガウェイン卿が話しかける。


 「どうしたクロウ? しっかりせぬか!」


 ガウェイン卿の言葉に我に返ったクロウは、問い返す。


 「これって本物の城・・・?」


 ランスロットとガウェイン卿は、怪訝な顔をする。

 ランスロットはクロウが異界の出であったのを思い出した。


 「なんだ? クロウ、城と言う物を見たことないのか?」


 「実物を見るのは初めてだよ・・・立派過ぎて声もでない」


 それを聞いたガウェイン卿は、自分の事の様に喜びを声にする。


 「そうだろう! クロウ、この様に立派な城は他国にはないぞ! 何せ城下に一つ、城にも城門が一つつあり二重構造になっているのだ。他には類をみまい」


 「兎も角だ、此処で立ち往生していても仕方あるまい。ガウェイン卿、クロウ。場内に入るぞ」


 そういうとランスロットは馬を降り、城門の兵士に願い出る。


 「すまないが至急、アーサー王に、ランスロットが謁見を願いたいと言付けてもらえぬか」


 「ハッ!了解しました、ランスロット様」


 城門の兵士は、他の兵士に開門の合図を送ったあと、急いで王の元に走る。


 「ランスロット卿が帰還なされた!開門せよ!」


 ギィィィ----と音を立て木の柱でできた城門の扉が天を仰ぐ様に上っていく。

 ランスロットは、今後の指揮執った。


 「兵士は兵舎に戻り、各自の任につけ!騎士は王との謁見の際、クロウの証言者になってもらう」


 兵士と騎士達は一同にランスロットに膝を付く。


 「了解致しました、ランスロット様」


 そう言うと兵士達は、場内に入り全ての馬をうまやに連れていく。


 「では、ガウェイン卿、クロウ参るとしよう」


 ランスロットを先頭に、右にガウェイン、左にクロウ、その後ろを騎士達が城門をくぐり、王宮へと歩を進める。王宮へと続く道は赤いカーペットが引かれ、中庭には美しい木々は大地に根を下ろしていた。

 ランスロット一行が、宮殿へ向かい歩みを進めていると、すれ違う、侍女、騎士、兵士達は片膝を付き、皆一様に頭を下げる。その光景を見て、クロウは驚いていた。


 「ランスロットとガウェイン卿って・・・こんなに凄いんだ」


 その言葉にランスロットとガウェインは互いに見合う。


 「その騎士と五分に渡りあったのだ、臆せず自身を持てクロウ」


 「負け惜しみではないがなクロウ、ワシは本気は出しておらんぞ」


 二人の励ましに、クロウは穏やかで暖かい気持ちになった。今まで自分を理解しようとしてくれる人が周囲に居なかった為だった。

  そう心の中で想いながらも、負けじとガウェイン卿に言い返す。


 「ガウェイン卿、俺も本気を出してない」


 ランスロットを挟み、お互い睨み合う、その様子を見てランスロットは困った顔をしている。


 「やれやれ、まるで本当の親子の様だ。ガウェイン卿、御子息が増えて良かったですね」


 ランスロットは苦笑していた、ガウェイン卿は不機嫌そうだった。

 一行は、中庭を抜け、吹き抜けになった広い廊下を早足に抜けて行く。

 やがて、王宮の扉に突き当たる、そこには扉を守る騎士が二人、扉を挟み両側に立っている。

 騎士がこちらに気づき、ランスロット一行に、膝を付き頭を下げる。


 「ランスロット様、アーサー王より承っております。どうぞお入り下さい」


 扉が開かれた。

 床は一面、豪奢な赤い絨毯が敷かれ、王宮を支える柱が6本、その柱の本数分、騎士が柱に沿って立って居た、他より一段高くなっているその場所に、王と王妃が玉座に鎮座していた。

 ランスロット一行は玉座の手前まで進み、片膝を付き礼をする、ランスロット、ガウェイン卿は共に、一歩前に出て、王と王妃に挨拶をする。


 「アーサー王、グィネヴィア王妃、只今帰還致しました」


 アーサー王は二人に向かい、話しかける。


 「大儀だった。ランスロット」


 「ガウェイン、久しいな、元気にしておったか!」


 アーサー王は立ち上がりガウェイン卿の肩を両手でバンバンと叩く。


 「この通り、無事元気で暮らして居りますぞ! アーサー王」


 「そうか、それは良かった、病にでも遭ってたならと心配しておったのだ」


 「もう御主も若くないのだからな」


 アーサー王はそう気さくに笑った。

 その顔立ちは、少しだけ彫が深く、瞳は薄い緑色をしていた、赤い外套を纏い、銀色の鎧を纏っている、金色の髪は肩に届きそうな位だ。


 頭の上には王冠を乗せている。


 クロウの目には、アーサー王が、王様って感じには見えなかった。

 威厳があるのだが、親しみ深い感じがしたからだった、クロウの思う王様のイメージとは少し掛け離れていた。 

  突然、アーサー王は思い出したかのように声をあげる。

 「おお! そうだったな、ランスロット。昨夜、落雷が落ちた場所に付いて聞こうと思ったのだ」


 「その事でアーサー王に相談があったのです、落雷の落ちた場所に向かった所、私の後ろにおります、青年が倒れていたのです」


 「そうか、しかし風変わりだな。髪の色から瞳の色、身に着けてる物まで。漆黒とは変わっておるな」


 「アーサー王、風変わりなのは、姿だけではございません。異界の剣技を使います」


 そう述べたランスロットを、アーサー王は見つめる。


 「ランスロットを疑う訳ではないが、俄かに信じがたい」

 

 一人の騎士が、片膝を付き顔を伏せ、アーサー王に向かい願いでる。


 「失礼ながら申しあげます、アーサー王。ランスロット卿が述べた事は、真の事でございます」

  アーサー王はどうしても信じれなかった、そこにガウェイン卿が申し出る。


 「アーサー王、ランスロット卿とその騎士が言う事は真の事ですぞ。不覚にもこのガウェイン後れを取られました、年には勝てませんな」


 ガウェイン卿はそう述べたあと豪快に笑った。

 アーサー王はクロウに近づいていく。目の前までやって来て、観察する様に見つめる。


 「真に不思議な髪と瞳と顔をしておる。よく見れば、女性の様な顔をしておる」


 「私はこのキャメロット城の君主、アーサー・ペンドラゴンだ。貴殿の名はを伺いたい」


 クロウは緊張しながらも言葉を絞り出す。


 「アーサー王、お初に御目にかかります、名はクロウと申します」


 「クロウか、真に名も漆黒だな、しかし、未だに信じられん。どう見ても背丈といい、骨格といい、女性とそうは変わらぬぞ」


 「クロウ。ランスロット達を打ち破ったのは真か?」


 「はい。アーサー王」


 アーサー王は、窓辺に立ち、考え込んでいる様だった。暫くして、クロウには信じられない言葉告げられた。


 「国と民を思えばこそ、クロウには地下牢に入ってもらう。名も姿も漆黒、剣に至っては、円卓の騎士と同格。城内をうろつかせる訳にはいかぬであろう、城内の混乱も避けねばならん」


 「ランスロット、ガウェイン。貴公らには申し訳ないが、クロウは当分間、地下牢にいてもらう事とする」


 ランスロットとガウェインは即座にアーサー王に申しでる。


 「アーサー王、お考え直し下さい、この様な仕打ちは余りではないですか!」


 「どうか、私の顔に免じて地下牢だけは勘弁していただけぬか」


 アーサー王は窓辺から離れ、玉座に座り言葉を述べた。


 「ランスロット、ガウェイン、如何なる肩入れも許さん、王たる者、一番に国と民衆の事を考えねばならぬ、私も本音を言えばその様な事はしたくない。国を想えばこそだ、分かってくれぬか?」


 ランスロットとガウェインは苦虫を噛んだ表情をしている。互いに刃を交えた強者が地下牢行きに成るのが納得できないでいる様だ。

 クロウは愕然としていた、ランスロットやガウェイン卿の助力も虚しく、地下牢行きになったのが信じられなかった。

 アーサー王は立ち上がり、騎士に命じる。


 「クロウを地下牢に連れて往け」


 ランスロットとガウェインは声を上げ、立ち上がる。


 「クロウ!!」


 二人の卿の声も虚しく、クロウは地下牢に入れられる事になった。

 

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