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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第97話 こんなドタバタが俺達らしさ

 披露宴会場は、煌びやかな光に包まれていた。

 俺と紗彩が入場した瞬間、拍手と歓声がどっと響き渡る。


 「わぁあああ! 紗彩さん、花嫁姿きれいなんだぞーっ!!」

 七菜香がテーブルの上に乗り出す勢いで叫ぶ。


 「ほんと……お母さん、まるで女神だよ」

 玲緒奈が真剣な顔でそう言ったかと思えば、次の瞬間、くすっと笑って俺の方を見てくる。

 「……でも、お父さんが隣にいると、ちょっとした絵面が羨ましいどころか嫉妬しちゃうな」


 「れ、玲緒奈ちゃん、場を乱さないで……!」

 沙織が慌ててたしなめるが、桜子はふふんと鼻で笑い、胸を張る。

 「当然ですわ。わたくしのおじ様が花婿なのですもの。この上なく誇らしい光景ですわ!」


 「桜子ちゃん、落ち着いて。いまは紗彩さんが主役だから……」

 沙織が困った顔をするが、桜子は一歩も引かない。


 「わたくしは祝福を全力で伝えているのです! おじ様にとっても誇らしいことでしょう?」

 「ええっと……まあ、ありがたいよ」

 苦笑する俺に、紗彩がちょこんと寄り添ってきて小声で囁く。

 「……私、ちょっと照れてしまいます」


 そんなやり取りをしていると、双子のサリーシャとマリーシャが声を揃えて立ち上がった。

 「隆行さん! 今日からは、わたしたちのご主人様としての責任も倍増ですね!」

 「倍増です! もっとご褒美を要求するのです!」

 「ちょ、ちょっと待って、要求って何を!?」


 会場の笑い声がどっと湧き起こる。


 さらにフィルが、のんびりとした声で加わった。

 「……紗彩、綺麗。けど、フィルも可愛い。だから隆行、こっちも褒める」

 「え、いま!? いや確かに可愛いけど!」

 思わず突っ込む俺の横で、紗彩が「むぅ」と頬を膨らませる。

 「私だって、隆行さんにもっと褒めてもらいたいのに……」

 「そ、紗彩まで……!」


 そして、真理恵がゆったりと立ち上がり、落ち着いた声で口を開いた。

 「篠宮君……いいえ、隆行君。娘たちだけでなく、私にとってもあなたが特別な人だということ、もう隠す必要はないわね」

 「ちょ、ちょっと真理恵さん! こんな場で改めて言わなくても……!」

 「いいじゃないですかぁ。お母さん、堂々としててかっこいいんだぞ!」と七菜香が便乗してまた場を沸かせる。


 深雪はそんな騒ぎを見て、くすっと笑ってグラスを掲げた。

 「隆行さん……賑やかなご家族ですね。ええ、きっと上乃介様も、この光景を見て安心していると思います」

 その言葉に場がしんと静まり、思わず胸が熱くなる。

 が、次の瞬間――


 「HEY! たかゆきサーンッ!」

 金髪ロングのミルフィが勢いよく駆け寄ってきた。

 「ミルフィ、がんばって祝ったデース! だからご褒美にハグとチューチューを要求するデース!!」

 「おい、待て、今は人前だろ!」

 「ノープロブレム! みんな家族みたいなものデース!」


 ――会場は再び大爆笑に包まれた。


 俺は頭を抱えながらも、胸の奥にこみ上げるものを感じていた。

 ……そうだ、これが俺達の形なんだ。

 泣き笑いも、ドタバタも、全部ひっくるめて――最高の幸せだ。



 ◇◇◇


 ――披露宴会場。

 そこは桜子が手配した最高級ホテルの大ホールで、壁一面に桜の意匠があしらわれ、照明は柔らかな桃色。和と洋が溶け合った空間が、式典に続いての宴を盛り立てていた。


 俺と紗彩が入場すると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。


「紗彩さん、綺麗すぎる……」

「篠宮社長、やっぱり大物だな……」

「まるで映画のワンシーンだ……」


 マスコミや政財界の来賓まで押し寄せているのだから、そりゃあ話題にもなる。だが俺の視線は――隣でドレスに身を包んでいる紗彩に釘付けだった。


 やがて司会者の声が響く。

「それでは新郎新婦によるケーキ入刀です!」


 大きな三段ケーキの前に立つ俺と紗彩。だが――。


「お父さん、私も一緒にやりたい!」玲緒奈が当然のように隣へ。

「わたくしも、ですわ!」桜子までドレスの裾を翻しながら寄ってきて、ナチュラルに並ぶ。

「私も……いいですか?」と深雪が微笑む。


 気がつけば俺の周りにずらりと恋人たちが整列していた。


「おいおい、ケーキ入刀ってのは本来、新郎新婦でやるもんじゃないのか?」

「隆行さん、うちのハーレムに“常識”は不要です♡」と紗彩が楽しげに笑う。


 仕方なく、俺は全員と一緒に大きなナイフを握り――「せーの!」の掛け声とともにザクリとケーキに入刀。


「わぁぁああ!」

 拍手とフラッシュの嵐。気づけば来賓まで「これぞ篠宮社長流!」と爆笑していた。


 ◇◇◇


 シャンパンが回り始めると、フィルが真っ赤な顔で立ち上がった。

「フィル、余興する! 見よ、ロシア支社長の舞!」


 言うが早いか、クラシック音楽に合わせてくるくると踊り出す。なぜか動きがバレエと体操の合いの子みたいで、会場は笑いの渦。


「隆行、見てて。フィル、すごい」

「いや、すごいけど……なんだこの自由すぎるダンスは」


 親友の紗彩が慌てて立ち上がり、「ちょっとフィルっ! こけますよ!」と手を差し伸べるが、逆に巻き込まれて二人して床で転がる始末。


「ブラボー!」

 双子のサリーシャとマリーシャが立ち上がり、なぜか外国人観客みたいに拍手喝采を送りながらハモる。

「ご主人様、大好きです!」

「隆行さんは、わたしたちのご主人様です!」


 場内爆笑。


 続いて余興マイクを持ったのは桜子だった。

「皆さま! 本日はわたくしとおじ様の王国――いえ、水無月と奉龍院の新時代を祝しての宴でございます! おじ様はわたくしの王子様ですわ!」


「桜子ちゃん!? 今は俺と紗彩の式だぞ!」

「細かいことは気にしませんのよ!」


 マイクを奪われた司会者が青ざめる横で、桜子はドヤ顔で演説をぶちかまし、またもや会場は拍手の渦に飲み込まれた。


 一方その頃、七菜香と真理恵は――。

「お母さん、このお寿司めちゃくちゃ美味いんだぞ!」

「ほんとねぇ、七菜香。さすが最高級料亭仕込みだわ」


 親子で幸せそうに料理をつまみ食い。スタッフに注意されると、二人で顔を見合わせて「えへへ」と笑ってごまかす始末。


「母娘そろって自由すぎるな……」

 俺が苦笑する横で、来賓たちは「いい家族だ」と温かい拍手を送ってくれていた。


 こうして宴は進む。シャンパンタワーは玲緒奈が「お父さん、私もやりたい!」と率先して注ぎ、泡まみれになって大笑い。

 フィルは床で寝転がり「フィル、もう疲れた」と言い出し、俺の膝枕を要求。

 紗彩は新婦なのにマイクを持って「皆さん、今日は本当にありがとうございます!」と仕切り始め、完全に司会者が要らなくなる。


 ――めちゃくちゃだ。だが、それでいい。


 俺はグラスを掲げて笑った。

「まったく騒がしい披露宴だ……でも、これが俺の幸せなんだ」


 煌びやかなシャンデリアの下、愛する人たちの笑顔に囲まれて。

 俺の人生で最高の宴が、今ここにある。









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