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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第81話 玲緒奈と沙織の決意

 夕暮れ時、豪邸の窓から差し込む光が廊下を朱に染めていた。学園から帰ってきた玲緒奈は、制服のままゆっくりとリビングに足を運んでくる。その横顔は、どこか決意を秘めた硬さを帯びていた。


「……お父さん」


 テーブルで資料に目を通していた俺――篠宮隆行は、呼びかけに顔を上げた。そこに立っていたのは、俺の愛しい娘であり、すでに一人の恋人でもある少女。


「どうした、玲緒奈」


 彼女は小さく息を吸い込み、真っ直ぐ俺を見据えた。



「私……ずっと考えてたの。私はもう、ただの“娘”じゃない。ここにいるのは、あなたの恋人としての私。だから、他の誰にも引けをとらないように、お父さんの未来に並んで歩きたい」


 声は震えていない。だけど、その瞳の奥には不安と勇気が同居しているのが伝わってきた。


 俺は立ち上がり、そっと彼女の肩に手を置く。


「玲緒奈。お前はもう、俺にとって大事な恋人だよ。それは変わらない。だから無理に頑張らなくていい。今のままの玲緒奈で、十分俺の隣にいる資格がある」


「……ほんとに?」


 わずかに潤んだ瞳が揺れる。


「ああ。俺が保証する」


 そう告げると、彼女はふっと安堵の笑みを浮かべ、勢いよく抱きついてきた。


「ありがとう……! でもね、それでも私はもっと頑張りたいの。お父さんの隣に立つなら、胸を張って“恋人です”って言えるように」


 ぎゅっと服を掴む手が、彼女の決意を物語っていた。


 俺はその小さな背中を優しく撫でながら、心の中で頷いた。


「分かった。その気持ち、大事にしろ。ただし、無理はするなよ。お前は俺にとって、もう十分特別なんだから」


「……うんっ!」


 その返事は力強く、少女としての玲緒奈から、ひとりのパートナーとしての玲緒奈へと踏み出す音に聞こえた。


 窓の外には、夜の気配がゆっくりと広がっていく。だが俺の胸の中は、不思議と温かい光で満たされていた。


◇◇◇


 夜の豪邸。廊下に設えられた灯籠の明かりが柔らかに揺れる中、沙織が俺を見つめていた。

 食後の団欒が終わり、皆がそれぞれの部屋に散った後だった。静けさが支配する広間で、彼女は意を決したように声を落とす。


「……おじ様」


「どうした、沙織ちゃん」


 その呼び方は、出会った頃から変わらない。けれど、その響きに込められた意味は以前よりもずっと大きなものに変わっていた。


「七菜香の気持ちを見ていて、私も考えたんです。……私はずっと、おじ様に守られて、助けられてばかりでした。龍神に囚われたときも、家族の問題のときも」


 彼女は胸の前で手を組み、静かに息を吐いた。


「だけど、私はもう“助けられるだけの女の子”じゃ嫌なんです。これからは、恋人としておじ様を支えていきたい。……玲緒奈ちゃんが決意を示したみたいに、私もちゃんと伝えなきゃいけないと思って」


 真剣な瞳に、俺はしばし言葉を失った。

 彼女はただの少女ではない。仲間であり、戦友であり、そして今は恋人だ。


「沙織ちゃん」

 俺はゆっくりと言葉を選ぶ。

「その気持ちだけで十分だよ。お前はもう、俺にとってかけがえのないパートナーなんだから」


「……本当に?」



「ああ。俺が保証する。これからも一緒に歩いていこう。仲間として、そして恋人としてな」


 沙織は小さく笑みを浮かべ、ふっと肩の力を抜いた。


「よかった……。言えてよかった。おじ様に認めてもらえたなら、私はもう怖くありません」


 その表情は、かつて孤独に震えていた少女のものではなく、未来を共に見据える一人の女性のものだった。


 俺はそっと彼女の頭を撫でる。

「ありがとう、沙織ちゃん。その想い、大事にするよ」


「……はいっ」


 小さな声ながらも、確かな決意を宿した返事だった。




◇◇◇


 ある日の午後。

 俺は母を我が家――いや、建設中の豪邸の応接間に招き入れていた。


「……なんだい、このでっかい屋敷は。篠宮家ってのはいつの間にこんな権力者に成り上がったんだい?」


 目を丸くしながらも、興味津々で廊下や庭を眺め回す母。

 豪快な歩調でズカズカと入ってくるその姿は、まさに肝っ玉母ちゃんそのものだ。


「まあまあ、母さん。今日は紹介したい人がいるんだ」

「紹介ぃ? まさかとは思うけど……」


 俺が言葉を続ける前に、リビングに待機していたみんなが姿を現す。

 第一の恋人であり秘書の紗綾。

 副社長として支えてくれる深雪。

 奉龍院を率いてきた桜子。

 さらに沙織、玲緒奈、フィル、双子の姉妹に、最近加わった七菜香とその母・真理恵まで。


 さすがの母も、ずらりと並んだ美女たちを見て口をポカンと開けた。


「……なにこれ。あんた、ハーレムでも作ったのかい?」


 母の直球に、場が少し凍りつく。

 俺は苦笑しつつ頭をかいた。


「まあ、そんなところだな」

「開き直りやがったか、この息子は……」


 母は腕を組み、全員をジロジロと眺める。

 誰も口を開けずにいると、不意に母はドンと手を叩いた。


「いいじゃないか!」


「え……?」

 全員が一斉に母を見る。


「何人だろうが、家族が増えるのはいいことだ。隆行が幸せで、あんた達が隆行を本気で好きなら、それで十分だよ」


 豪快に笑う母の声に、張り詰めていた空気が一気にほぐれる。


「ま、ただし!」

 母はピシッと指を突きつけた。

「全員、絶対に幸せにしな! 一人でも泣かせたら、母さんが承知しないからね!」


「「「はいっ!」」」


 紗綾も深雪も桜子も、声を揃えて返事をする。

 その真剣な表情に、母もようやく満足げに頷いた。


「ふふ、いい子たちじゃないか。じゃあ母さんも安心して見てられるよ」


 母はそう言って、俺の肩をドンと叩いた。


「隆行。お前はいい子たちに囲まれて幸せ者だ。……ったく、母さんに似なくてよかったねぇ」

「母さんの豪快さは俺には真似できないよ」


 二人で顔を見合わせて笑う。

 その笑い声が響くリビングで、俺は確信する。


――これで、俺たちの「家族」が正式に認められた。

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